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どんぶり一杯の馬鹿
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文芸社 |
発売年月日 | 2021/08/01 |
JAN | 9784286227559 |
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どんぶり一杯の馬鹿
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オビに曰く「声に出して」読みたくなる実験的小説との事で、確かに題の『どんぶり一杯の馬鹿』って口がよく動くというか、なんだか発声心地が良いな、と思い購入。 9話収録。第七話と第八話には連作的繋がりが有り。 全体的に冗長。話の中には4ページで終わるショートショートも収録されているが、それですら無駄な部分があるなと気になるくらい。 確かにオノマトペやリフレインを多用しているのだが、それらが小説の面白さや質に結びついておらず、私は残念ながらくどいなぁと感じてしまった。 冒頭三作〈熱いってなんだ〉〈こわいシャツ〉〈聞き耳〉いずれも話がオチていないというか、意図がわかりにくい。 〈熱いって〜〉は’熱中’や’探究熱’に掛けた言葉遊び? 〈こわいシャツ〉は実はひろし一家の方が幽霊でした、というオチか? 〈聞き耳〉は最初は’たけしが実は中年男性だ’という叙述トリックだと思い、おぉ、と読み返したら「春に小学校へ上がる」(p36)とハッキリ書かれていた。となるとこれは一体…? 〈大きくなる薬と小さくなる薬〉は寓話風超短編。 〈三無主義〉は突然趣きが変わり、現代の教育問題への提言。 〈どろぼう〉はオチこそ凡庸だが短編コメディとしてはまずまず良かった。ただ学校侵入の場面がさすがに長過ぎるしわかりにくい。 〈家出人日記〉〈払わないおじさん〉この連作は好き。ひょっとして私小説なのかと思うくらいに描写が精彩。これまでの話に較べて明らかに人物が活き活きとしているように思いました。特に〈払わないおじさん〉の南部弁?岩手弁?全開の語りが堪らなく心地良い。 〈果てにて〉はこれまた突然の、自分探しをする若者を描いたロードノベル。 どんどはれぇ。 1刷 2022.3.30
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