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大正史講義 ちくま新書1589
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大正史講義 ちくま新書1589

筒井清忠(編者)

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大正史講義 ちくま新書1589

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2021/07/08
JAN 9784480074164

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大正史講義

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商品レビュー

3.8

6件のお客様レビュー

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2022/05/05

大正時代というのは、改めて振り返ると、とても重要、且つ学ぶべき時代だと思う。 明治から始まる近代化は、大正時代において、特に政治の観点で成果が見えつつあり、文化の面でも花開くところがあった。 そんな中で、どのように昭和を迎え、何が軍国主義に追い立てたのか? 決して、徐々に軍国主義...

大正時代というのは、改めて振り返ると、とても重要、且つ学ぶべき時代だと思う。 明治から始まる近代化は、大正時代において、特に政治の観点で成果が見えつつあり、文化の面でも花開くところがあった。 そんな中で、どのように昭和を迎え、何が軍国主義に追い立てたのか? 決して、徐々に軍国主義が広がったわけではなく、大正時代は、ある意味、国民の政治に参加する意識は高く、議会制民主主義の裾野が広がった時期でもある。 軍国主義が、その反動だった、という一言で片づけられる訳もなく、よくその時代を追っていく必要がある。 軍国主義へ導いたことを現象面で上げるとすれば、相次ぐ政治家へのテロがある。 それも、政治に対する不満にを受けて、それを肯定するような国民感情があったし、それを支えたメディアの力も無視できない。 *** ・大正政変で政治家・桂太郎は傷付き、退陣から8カ月後に亡くなった。しかし、桂が残した新党、立憲同志会は加藤高明を総裁として1913年12月に結成される。その時点の所属代議士は政友会に遠く及ばなかったが、桂系の有力な官僚出身者を多く抱え、また三菱資本がバックについたこともあって潜在的な成長力は侮りがたく、のち憲政会・立憲民政党と名称を改めつつ、政友会に対応し得る存在となっていく。 ・20世紀初頭の国際政治の変化。 アメリカがイギリスに替わる覇権国として台頭しはじめ、極東政治のアクターとしても重要な役割を演じ始めた。 ・二十一カ条要求は中国ナショナリズムを大いに刺激した。 ・1919年には、日本の船舶保有量は急増し、1920年にはイギリス、アメリカに次ぐ世界第三位の船舶保有国となった。 それまでヨーロッパ諸国から輸入に頼ることの多かった機械工業や化学工業では、輸入が困難になったことから国産化が進んだ。 ・原内閣の政策内容を簡単に要約すれば、全国各地各層の、そして多様な産業分野に従事する国民が、あまねく文明の恩恵に浴して生活を向上させることをめざしたものであった。第一次世界大戦直後という豊かな財政状況に支えられ、原内閣はそれまでのどの内閣よりも大きな成果を上げることに成功した。 ・牧野の内大臣への栄転は、その後の天皇統治の安定性を考える上で、きわめて大きな意味を持つことになった。原や西園寺と異なり、牧野は天皇機関説的政治運用の枠を超える可能性をもつ天皇シンボルの積極的な活用、つまり天皇の政治的役割をより能動的に指向することになったからである。 ・昭和天皇は後年、大東亜戦争の重大な開戦原因の一つとして米国における日本人移民への差別を挙げている。

Posted by ブクログ

2022/02/12

新旧様々な学問的成果も交えて色々な知識を一般向けに判り易く伝えるということが「新書」というようなモノの本旨であるように勝手に思っているのだが、本書は正しくそういう類の良書で、広く薦めたい。 「明治」、「大正」、「昭和」、「平成」というように時代を区切る理解が在る。 そういう中で「...

新旧様々な学問的成果も交えて色々な知識を一般向けに判り易く伝えるということが「新書」というようなモノの本旨であるように勝手に思っているのだが、本書は正しくそういう類の良書で、広く薦めたい。 「明治」、「大正」、「昭和」、「平成」というように時代を区切る理解が在る。 そういう中で「大正」は「明治」や「昭和」に比して期間が短く、幕藩体制を止めて新たな体制を創って行った「明治」や、大きな戦争とその後の歩みの「昭和」という巨大な存在感の陰になってしまっているという一面が在ることを否めない。 しかし「幕藩体制を止めて新たな体制を創って行った」後に「如何なった?」というような事、「大きな戦争に突き進んで行く」というようになる「前段?」というようなことは、「大正」を見詰めなければ知り得ない。そして考える材料も得られないかもしれない。 本書は歴史の様々な事案を研究している人達が手を携えた一冊である。自身が学生であったような―酷く昔だが…―頃にも一部で見受けられたような気がするが、「〇〇学」というような大枠が掲げられ「第1回はA先生…第2回はB先生…第3回はC先生…」という程度に「〇〇学」というような大枠を構成する諸事案を複数の教員で講じるという授業が在ったと思う。本書はそういうような方式を採った一冊に纏まっている。 「大正」と呼ばれる時期には、政治、外交、軍事、経済というような各分野で色々な出来事が展開していて、それらは社会の変化を踏まえたものでも在って、論じられるべき内容は多岐に亘る。そこで26の「講」(本の章)を設定し、22人で執筆して纏めているのが本書だ。 「大正」と呼ばれる時期のあらましを知るには、本書は非常に好いと思う。人気が高かった政治家達やその退場、第1次大戦やシベリア出兵、米騒動のような事柄、関東大震災関連、国際的な軍縮会議等々の色々な話題が在る。 取上げられている様々な話題に関して、過去に各々の事案を主要主題として論じた本を読んだ経過が在るモノも交ってはいたが、それでも「“大正”を概観しよう」という趣旨で、他の事案と分量的に大きな差が無い程度で纏めてみたモノに触れるのは興味深かった。 多分この「〇〇講義」というような方式で色々なことが論じられている例は多く在るのであろうから、何処かで耳目に触れれば紐解いてみたい感だ。

Posted by ブクログ

2021/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大正デモクラシーという言葉だけでは良く分からない大正時代についての講義集。日本の政治と民衆の変化、国際政治の動きとの関係など、大正時代のデモクラシーが昭和初期の軍国主義に繋がっていった時代だけに、現代の状況と重なるものを感じざるを得ない。歴史に学ぶことは重要だと感じた。 本書ではそれぞれの専門家達によるテーマ毎の講義が並んでいるので、登場する人物や専門用語の知識がないと一読して理解するのは難しいと思う。何回か再読が必要だと思うが、「鬼滅の刃」の舞台でもある大正時代を知ることの重要性は増している気がする。

Posted by ブクログ

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