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暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2021/07/07 |
JAN | 9784065246344 |
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暁の宇品
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商品レビュー
4.7
27件のお客様レビュー
暁部隊と呼ばれた宇品の船舶輸送司令部の終戦までを膨大な資料をもとにたどっている。 軍人として生きることは矛盾しかないと本当に思う。そんな矛盾を抱えたままいきるしかなかった時代。二度と繰り返してはならない。
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いい本だった。田尻、佐伯両司令官の生き様がいい。もし彼らがアメリカの軍人だったら、もっと中枢にいた事だろう。当時の日本の上層部を担いだ国民の不幸。ただそういう状況を作ったのも、マスコミ、国民なのだ。現代でもそう。気をつけなくては。
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- ネタバレ
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この本は、日本陸軍最大の輸送基地「宇品」の歴史や、日本陸軍の補給組織についての歴史を、「船舶の神」とまで謳われながら陸軍を罷免されてしまった、元第1船舶輸送司令官の田尻昌次と、船舶参謀として太平洋戦争の船舶作戦を立案した篠原優、そして原爆投下後、原爆負傷者の救護活動を指揮した佐伯文郎の3人の歴史から紐解いていく一冊である。本稿では、この3人から特に田尻昌次について触れたい。 田尻は、没落していく生家の再興を頼まれ医師を志すも、金銭的問題から教師として働いた。そして家族を養うお金を稼ぐために陸軍士官学校を受験、見事合格。 そして陸軍という世界に入った田尻は、ここでも陸軍幼年学校出身でないことなどから厳しい経験をする。しかし田尻は、その自叙伝にも田尻が書いた通り、「私個人の実力を養成し、個性を磨き、他に遜色なき人格を修養」し、そして、茨の道を、陸軍大学進学という形で切り拓いた。 その後の田尻の歩みは、日本陸軍自体の船舶輸送の近代化の歴史そのものとなっていく。田尻は、近代的上陸戦の実用に耐えうる輸送艇の開発や、海軍との連携、そして部隊の改革などを行い、第一次上海事変の七了口上陸作戦などを成功させ、日本の上陸作戦技術を世界のトップレベルにまで引き上げた。しかしその後田尻は、輸送を知り尽くしているがために南進論に反対、意見具申を各省庁に行った。しかしこのことが越権行為と捉えられ、陸軍を追われてしまう。この後陸軍の船舶輸送は、ガダルカナルに代表されるように、悲惨な末路を遂げる。 私は、田尻のこの臥薪嘗胆の日々や栄光の日々、そして軍を追われる時の無念さを、この小説を読みながら追体験しているような感覚に襲われた。そしてまた、軽視されがちであった日本軍の輸送にこれほどまでに深く関わった軍人がいたことを知ることができ、今後も日本史を学んでいく中で異なる焦点にスポットを当てる重要性をこの本を読むことで学ぶことができた。
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