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氷柱の声
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2021/07/09 |
JAN | 9784065241288 |
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氷柱の声
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商品レビュー
4.3
67件のお客様レビュー
震災に関する物語をこの方の作品で読めて良かったと思える1冊だった。東日本大震災発生当時、学生だった私はこの物語のある登場人物のように「何も失ってなくて申し訳ない」という感情を持っていたことを思い出した。 分担を抱えながら泣いた冬海を私も抱き締めたい気持ちになった。 伊智花の描いた...
震災に関する物語をこの方の作品で読めて良かったと思える1冊だった。東日本大震災発生当時、学生だった私はこの物語のある登場人物のように「何も失ってなくて申し訳ない」という感情を持っていたことを思い出した。 分担を抱えながら泣いた冬海を私も抱き締めたい気持ちになった。 伊智花の描いた3つの絵を私も見たいと思った。 同世代の作家さん、応援したい。
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言えなくて、飲み込んだ言葉が胸の奥底で疼く感覚に息苦しくなる。 「何も失わなかった」ということは傷ついていないということなのだろうか?そしてそうだとして、そのことは「罪」なのだろうか? そんなことを考えさせられた。 でも、言葉を飲み込まざるを得ないその状況下に居ることって、充...
言えなくて、飲み込んだ言葉が胸の奥底で疼く感覚に息苦しくなる。 「何も失わなかった」ということは傷ついていないということなのだろうか?そしてそうだとして、そのことは「罪」なのだろうか? そんなことを考えさせられた。 でも、言葉を飲み込まざるを得ないその状況下に居ることって、充分ダメージあると思った。様々な意見はあると思うけど。 美談に群がる、大人たち。 彼らの見えない圧に、自分の意識の及ばない場所を歪められていく子どもたち。 トーミみたいに、自らの傷に気が付けない(気がつけなかった)若者がきっとたくさんいるのだなあと。 ラストの氷柱の描写がすごく良かった。ひとりひとりの日常の物語であることを示唆する等身大の風景。じわりと体温みたいな柔らかな熱が広がった。
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小説、というにはあまりにも現実に近いストーリー。ともすれば感傷的になってしまう題材を、努めて冷静に、あくまでこれは我々の日常なんだといわんばかりの平坦さで書く著者の筆致に胸打たれました。あとがきもとても良いです。
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