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年輪で読む世界史 チンギス・ハーンの戦勝の秘密から失われた海賊の財宝
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 築地書館 |
発売年月日 | 2021/06/24 |
JAN | 9784806716211 |
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年輪で読む世界史
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年輪で読む世界史
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
年輪年代学者である著者が解明する気候変動と世界の歴史。 これ、ポップな表紙と面白そうな題名なので気安く読もうとする人も多いかもしれませんが、読み始めたら思ったよりもてこずるんじゃないでしょうか。本書は研究者である著者が年輪年代学のあらましや研究のアプローチ、成果から導き出される...
年輪年代学者である著者が解明する気候変動と世界の歴史。 これ、ポップな表紙と面白そうな題名なので気安く読もうとする人も多いかもしれませんが、読み始めたら思ったよりもてこずるんじゃないでしょうか。本書は研究者である著者が年輪年代学のあらましや研究のアプローチ、成果から導き出される結論と歴史学的な出来事の検証などを紹介した本で、割とどっしりした内容になっています。研究者本人が書いているので、そこらのライターさんがおもしいところをつまみ食いしたお気楽科学本とは違います(僕もこっちを期待して読み始めましたが)。 知識として木の年輪の幅から気候変動が読み取れる学問がある、というのは知っていましたし、興味もあったのでこの本を手に取ったのですが、年輪が記憶することから読み出せる情報の幅の広さに感心します。そして様々な「木」から得られる年輪をつなげることで(クロスデーティング)1万年以上遡って気候が再現されている、そこまで研究が進んでいるところにも驚きました。研究者たちの探究心の深さと過酷なフィールドワークの賜物ですね。 さて、まあ予備知識としてある程度のことを知っていたので研究の話はそこそこに楽しめたのですが、一番生々しく読めたのは「ホッケースティックグラフ」のことでした。ホッケースティックグラフというのは地球温暖化に関する気候変動の問題で最も有名なグラフで、ここ1万年の気温の変化の中で直近の200年に急激に気温が上昇していることを示すグラフです。このグラフは産業革命以降の人間の活動が地球温暖化の大きな原因である、とする説を強く補強するもので、今ではIPCCの公式見解となっていますしSDGsの中心的な課題でもあります。ところが温暖化が人為的な原因だと認めたくない(えらい)人たちがこの説を潰しにかかります。この問題は今でも尾を引いていて、アメリカでもトランプ政権では温暖化説が政治的に無視されたりしましたが、このホッケースティックグラフを発表したのが年輪年代学者たちだったというのは知りませんでした。この本ではこの政治的な圧力についても暴露されています。日本でも生物学者の池田清彦さんがホッケースティックグラフについて、研究者が求められた情報を開示していないことから疑念がある、と問題提起していましたが、この本を読めばそんな難癖に必要のない情報の開示までしない、つまり相手にしないという研究者側の対応がよくわかります。ただ、潰す側からすれば訴訟の勝敗よりも相手が(どんな情報であれ)情報開示を拒んだ、という事実があれば十分なダメージを与えられるので、それを狙ったスラップ訴訟のようなものだったのでしょう(この件についてのドキュメンタリー番組もあるようです)。本書ではあまり触れられていませんが、地球温暖化と気候変動について、政治的な思惑が阻害となって対応が全く進んでいないことについてはかなりの怒っている様子がところどころから滲み出ています。 ともあれ、年輪年代学というあまり知られていない学問がいかに歴史の大事件の学説を補強したりやストラティバリウスの真贋を判定する手助けをしたりしているのかを読み解く、とてもエキサイティングなサイエンスノンフィクションではありました。学者さんが邦訳しているので文章が難しく、そのことがまた読みにくさに拍車をかけていますが、内容的には多角的で大変面白かったです。こうした学問は十分にあるのに、政治的な思惑で未来に活かされない現実をどう受け止めていいのか、困ったものです。
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気候変動や災害がかつての帝国の栄枯盛衰にどのように影響を与えたのかに興味があって読んだ。ローマ帝国やチンギス・ハーンに言及している箇所は興味深く読めた。だが書名にある「世界史」についての言及よりも年輪年代学それ自体に関する説明が多く、全体的にはややタイトル負けか。
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