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兄弟
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | アストラハウス |
| 発売年月日 | 2021/06/28 |
| JAN | 9784908184246 |
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兄弟
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商品レビュー
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「読者に苦難を与える作家」として中国で知られる余華。学生時代に同著者の『活きる』を読んで大きな衝撃を受け、それ以来すっかり余華の作品のファンになった。その後もいくつか作品を読んできたが、『兄弟』は上下巻合わせるとかなりのボリュームがあり、なかなか手を出せずにいた。今回は久しぶりに...
「読者に苦難を与える作家」として中国で知られる余華。学生時代に同著者の『活きる』を読んで大きな衝撃を受け、それ以来すっかり余華の作品のファンになった。その後もいくつか作品を読んできたが、『兄弟』は上下巻合わせるとかなりのボリュームがあり、なかなか手を出せずにいた。今回は久しぶりにまとまった休暇をもらえたので、じっくり中国語版を読むことができた。 前半の文化大革命を描いた部分は、胸が痛くなるほどつらかった。特に宋凡平が紅衛兵に殴り殺される場面は、本当にやりきれない気持ちになった。学生時代、美術の先生から、ご自身が紅衛兵に拘束され、街中を引き回された体験を聞いたことがある。当時は、1950年代生まれの中国人知識人たちが祖国に複雑な感情を抱いている理由を理解できず、不思議に思っていた。しかし、この作品を読んで、その気持ちが少し分かったような気がする。理不尽な迫害を受けながらも笑顔で受け流すなんて、並大抵の精神力では到底できることではないだろう。 宋鋼と李光頭は兄弟でありながら、まったく違う人生を歩んできた。林紅という存在がなければ、二人は最後まで兄弟として穏やかに生きていけたのではないかとも思う。しかし、それもまた二人の運命だったのだろう。誠実で心優しい宋鋼と、ずる賢く要領よく生きる李光頭。血のつながらない二人が兄弟になったこと自体が不思議だが、お互いを何よりも大切に思い続ける姿には何度も胸を打たれた。 後半は処女美人コンテストや林紅との不倫など、かなり過激で下品とも言える描写が多い。しかし、それらも登場人物たちの人間性や時代の狂騒を描く上では欠かせない要素だったのだと思う。 ただ、宋鋼の人生はあまりにも報われなさすぎて、本当に切なかった。ただ誠実に、真面目に生きてきただけなのに、何一つ報われることはなく、最後には男性としての尊厳さえ失い、自ら命を絶ってしまう。唯一、自分のために勇気を振り絞ったのが林紅との恋だったのに、その恋でさえ裏切られてしまった。 その一方で、ずっと狡猾に生きてきた李光頭が最後には名声も富も手に入れる。その対照的な結末こそが、この作品が読者に投げかける現実なのだと感じた。 滑稽で大げさとも思えるストーリー展開を通して、文化大革命から改革開放という激動の時代を生き抜いた庶民たちの喜怒哀楽、そして愛憎や欲望までも描き切った、まさに余華を代表する傑作だと思う。 「就是天翻地覆慷而慨了,我们也是兄弟」
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