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超耐性菌 現代医療が生んだ「死の変異」
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超耐性菌 現代医療が生んだ「死の変異」

マット・マッカーシー(著者), 久保尚子(訳者)

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超耐性菌 現代医療が生んだ「死の変異」

定価 ¥2,530

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2021/06/22
JAN 9784334962494

超耐性菌

¥385

商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

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2023/02/09

病院でも耐性菌に関する対処がとられていますがまだまだ世間的には浸透していません。タイトルに惹かれて読んでみましたが、海外の専門家の自身の体験ベースで書かれています。そのため、単純に耐性菌に関する歴史と要素要素の知識だけ学びたい自分にとっては少し読みにくく感じました。しかし、耐性菌...

病院でも耐性菌に関する対処がとられていますがまだまだ世間的には浸透していません。タイトルに惹かれて読んでみましたが、海外の専門家の自身の体験ベースで書かれています。そのため、単純に耐性菌に関する歴史と要素要素の知識だけ学びたい自分にとっては少し読みにくく感じました。しかし、耐性菌が生まれるにあたった社会的背景も綴られており面白かったです。

Posted by ブクログ

2022/08/19

耐性菌と闘う―感染症医奮闘のドキュメンタリー 著者のマット・マッカーシーはプロ野球マイナーリーグの経験もある医師。感染症医としての著者マットが抗菌薬ダルバマイシンの治験をプロモートしながら、さまざまな人物・患者を通して成長していく過程のドキュメンタリーがメインストーリーです。そ...

耐性菌と闘う―感染症医奮闘のドキュメンタリー 著者のマット・マッカーシーはプロ野球マイナーリーグの経験もある医師。感染症医としての著者マットが抗菌薬ダルバマイシンの治験をプロモートしながら、さまざまな人物・患者を通して成長していく過程のドキュメンタリーがメインストーリーです。そして常に、マットの近くにいるのが指導医ともいえる感染症医トム・ウォルシュ(がんの化学療法などの結果起こる重篤感染症の治療の世界的なエキスパート)。 マットがダルバマイシンの治験を企画しそのプロトコールが承認される過程においても、さまざまな困難があります。そんな話の合間に、ペニシリンから始まる抗菌薬の歴史を作ってきた人々の物語が挟まれ、あるいは、人種偏見に基づいた人体実験めいた治験が存在したという話がたくみに挿入されている。それらの結果として現在、マットの時代の治験計画は厳しい審査にさらされるのです。 やっとのことで治験ができることになりその患者を探す過程は、さまざまなバックグラウンドをもつ患者たちの人生、たとえば9・11で化学物質を吸い込んだためにがんになった男性、ちょっとした怪我からオキシコンチン中毒になった男性、白血病の治療で免疫不全になったための感染した女の子、などなど、感染症にも様々な背景の物語が。 治験の結果、感染症を克服する人もいる一方で、指導医のトムは、骨髄移植や最新の免疫療法によるがん治療が引き起こした聞いたこともない細菌や真菌の感染のコンサルテーションに忙殺されます。トムは、そんな「がん治療後重篤感染症」のエキスパートなのです。トム=Tommy Walshについては本文中にも紹介されていますが、実際に子供をトムに助けられた父親が立ち上げたトムの業績を賞賛するサイト(次図)を見ると彼の活躍が多くの子供たちを助けていることがわかります。 ペニシリン以来の抗菌薬の黄金時代にはすっかり克服されたと思われてきた感染症ですが、その黄金時代に大量に投与されてきた抗菌薬により耐性菌が生み出されているのがまさに現代です。そのため、感染症が今なお猛威を振るっているような途上国や、人口密集地域・国、では感染症のコントロールが難しくなっています。さらに、抗菌薬の開発が、例えば新しい抗がん剤としての抗体医薬などに比べて、利益が上げられない分野であることから製薬会社も開発に手を出しにくくなっているという現実があります。また、がん治療の手法の発達はトムが手掛けているような「がん治療後重篤感染症」を急増させてもいます。 感染症医はまさにそうした時代に立ち向かっているのです。その実態を治験や治療の現場レポートとして伝えてくれるのでまさにアメリカ感染症治療の最前線にいるかのような緊迫感をもって読むことができました。 聞いたこともないような病原体や抗菌薬がいくつも出てきますがみな実在しており、例えばカンジダ・アウリスは2008年に日本人女性の耳から発見され、現在インドで感染が広がっているらしいです。目の前のCOVID-19のパンデミックが過ぎ去った後、この耐性菌問題もまた避けては通れないでしょうね。ちょうど、高齢期を迎える自分もひょっとしたら感染症で死ぬことになるかもしれません。

Posted by ブクログ

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