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アルプスの少女ハイジ 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2021/06/16 |
JAN | 9784334754457 |
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アルプスの少女ハイジ
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
私の中の『ハイジ』のイメージは長いブランコ、ヨーロヨーロヨーロレイヒ♪というアニメ主題歌、家庭教師のト○イくらいしかなくて、よく考えたら全然知らないな、ということで本書を手にとってみました。 読書中常に眼前に拡がっていたのはアルムの山の素晴らしい景色。スイスには行った事なんて無...
私の中の『ハイジ』のイメージは長いブランコ、ヨーロヨーロヨーロレイヒ♪というアニメ主題歌、家庭教師のト○イくらいしかなくて、よく考えたら全然知らないな、ということで本書を手にとってみました。 読書中常に眼前に拡がっていたのはアルムの山の素晴らしい景色。スイスには行った事なんて無いですが、日に照り映える山々、美しく輝く草花や雪原、周りを歩き回るかわいい山羊の群れ。とにもかくにも風景描写が素晴らしくて素晴らしくて、読み終えてからアルムの景色を画像検索してみたらイメージ通り、いや、ひょっとしたら本書で描かれる風景の方が勝っているかもしれない、それくらいに素敵な描写が沢山なので心身が洗われるような読書体験でした。デトックス読書。 一方で、ハイジがフランクフルトの〈ゼーゼマン〉邸に逗留しているタームではアルムの自然を見ること・感じることが叶わないハイジの辛さが痛いほどに伝わってきて、まさかゼーゼマンがこんなにも重要な役割を果たすなんて微塵も思っていなかった私は彼に最大限の賛辞を送りたいと思います。ブラボー!(ちなみにですが、読む前までクララの父親がゼーゼマンという事すら知りませんでした…) 同じく、そのきっかけを作ってくれたハイジの父代わりにして後に友人となるお医者さん〈クラッセン先生〉も間違いなくMVPでしょう。ハイジとの語らいのシーンは間違いなく名場面。「山はいいもんだな。体も魂も癒されて、また元気に生きていこうという気持ちになれる」(p416)は本作を貫徹する象徴的な台詞。 また、意外だったのは山羊番〈ペーター〉の描写。気のいい純朴な少年でハイジの相棒というイメージだったが、作中では家が貧しく偏狭で思慮が浅い、排他的な気質の癖がある人物として描かれている。これが物語に深さを与えており、彼の改心と成長というのも見所のひとつだと思う。キリスト教的な救済の意味合いもあるのだろう。 祈り、救われる。 都合よく王子様が現れたりする類の物語ではない、敬虔さと清廉さを備えた紛れもない名作ではないかと思いました。 1刷 2024.10.11
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古典新訳文庫の刊行作品はほぼ購入しているのだが、うれしいことの一つはいわゆる有名児童文学作品を新訳で出してくれていること。本書ハイジについても、児童書で読んだこともなければアニメ版も見ていないので、今回読んでやっとあらすじが分かった。 第一部は「ハイジの修業時代と遍歴時代」...
古典新訳文庫の刊行作品はほぼ購入しているのだが、うれしいことの一つはいわゆる有名児童文学作品を新訳で出してくれていること。本書ハイジについても、児童書で読んだこともなければアニメ版も見ていないので、今回読んでやっとあらすじが分かった。 第一部は「ハイジの修業時代と遍歴時代」と題され(ゲーテの作品名が連想される)、母親と死に別れ母の姉の世話を受けてきたハイジが、周りから偏屈との評判を受けている祖父に預けられるところから始まる。素直で、山や花々の自然を愛し、山羊とも仲良くなるハイジは、おじいさんと心を通じ合わせ、また山羊番のペーターやそのおばあさんとも親しくなっていく。 アルプスの大自然の中で伸び伸びと育つハイジであったが、叔母の仲介で車椅子生活をしているお嬢様の遊び相手としてフランクフルトのお屋敷に行くことになる。そのお嬢様がクララ、父親がゼーゼマン氏。慣れないお屋敷生活にいろいろな失敗をしていたハイジであったが、空も花も見ることのできない窮屈な生活に圧し潰されていく。心配したゼーゼマン氏によりアルプスに送り返されたハイジは、元の生活に戻って健康を取り戻し、みんなと明るい生活を送ることができるようになった。ここまでが第一部。 第二部は「ハイジは習ったことを役立てる」。今度は、フランクフルトからゼーゼマン氏の友人のお医者さん、クララとおばあさん、そしてゼーゼマン氏と、ハイジのところを訪れる。その間には、ハイジを取られたように嫉妬心を感じたペーターの悪事などもあるが、クライマックス的にはクララが自分で歩けるようになった出来事を経て、ハッピーエンドへ。 アルプスとフランクフルトが対比的に描かれていて、それだけアルプスの下での生活がハイジにとって自然であったことが強調される。 また、ペーターのおばあさん、そしてクララのおばあさんとの会話により、ハイジが神様を理解し、感謝するところなどは、たぶん作者にとっては大きなテーマだったのだろうなと感じさせられた。 本書では、ルドルフ・ミュンガーの挿絵が多数収録されているが、アニメ版の丸っこくていかにも”かわいい”ハイジの顔かたちとの違いを見ることも面白いと思う。
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初めて読んだような新鮮さを覚えました。セリフ回しなど、ほとんどアニメと一緒じゃないか。前に読んだのは25年ほど前、野上弥生子訳の岩波文庫版でした。格調高い翻訳で感銘を覚えたのですが、読んだ動機が「アニメ版に救われた(※)」ためだったので、宗教臭さとかおじいさんの過去とか、アニメと...
初めて読んだような新鮮さを覚えました。セリフ回しなど、ほとんどアニメと一緒じゃないか。前に読んだのは25年ほど前、野上弥生子訳の岩波文庫版でした。格調高い翻訳で感銘を覚えたのですが、読んだ動機が「アニメ版に救われた(※)」ためだったので、宗教臭さとかおじいさんの過去とか、アニメとの違いの方に気持ちが行っていたので、今回初めてアニメを見るように楽しんで読みました。 屋根裏の干し草を一目見て「あたし、ここで寝る」と叫ぶハイジは、読みやすさと共に、ほとんどアニメのニュアンスそのままでした。こんなにも全ての文が飛び跳ねるようだったけ。高遠訳は素晴らしいと思う。 「どうして鷹はあんな鳴き声をするの?」「どうして山はあんなに綺麗なの?」教えて、おじいさん。アニメの歌と同様の展開が、原作にもあったことに初めて気がつきました。 絞ったばかりの山羊の乳、パンの上に焼いたチーズを乗せてかぶりつく様は、何度読んでも「それ欲しい!」てなる。 本書は「私の推しの光文社古典新訳文庫」で大塚かな子さん推し本でした。県立図書館には子供用中心に既に5種ほど蔵書されていたのでリクエストしても無理かなとは思ったのですが、案に相違して買ってくれました。やはり完全新訳は素晴らしいし、読みやすいし、何よりも出版当時の挿絵が数ページに一葉は入っている豪華さ。絶対お買い得でしたよ、図書館さん。 (※)当時、私は仕事でかなり追い込まれていた時に「癒し」を求めるようにこのアニメの「VHS」を毎日1話ずつ観て行ったのです。その約2ヶ月の間、どれだけ癒やされたか!それだけでなく、私はアニメを観て初めて泣きました。何処で泣いたか?何故泣いたのか?本書を読んでまざまざと思い出しました。クララのいるフランクフルトで、ロッテンマイアー女史からハイジはアルルの山を思い出して泣いているのを注意されて厳しく叱責されます。「もういい加減、訳もなく泣くのはおやめなさい!お話読んで、またこんなふうに泣き出すことが一度でもあれば、その本を取り上げます」と。そのときハイジの顔は見る間に青ざめます。本はハイジの宝物だったから。そして2度と泣かなくなるのと時を同じくして、ハイジに夢遊病の症状が出始めるのです。当然詳しくは書けませんが、その二律背反状況が当時の私の状況とピッタリ重なって、泣かない代わりに深刻な病気になるハイジが「可哀想で、可哀想で」私は「ぼろぼろ泣いて」「救われた」のです。あの時に病気にならなかったのは、ハイジのお陰と言っても過言ではありません!!ハイジはその時になって初めて観ました。1974年にテレビ放映されていた時には、「侍ジャイアンツ」と「宇宙戦艦ヤマト」の放映を見るために、「ハイジなんて」見向きもしなかった私ですが、その約25年後社会人になっていた私は、宮崎・高畑アニメの底力を知ったわけです。←またまた、脱線の方が本文より長くなってしまいました。すみません。でも今回読んで、数人には「ぼくはハイジで救われたんだよ」とは言ったことはあるのですが、全員冷たい反応だったのは、何故救われたのか、きちんと説明しなかったせいだと今わかりました。というか、今になってようやくあの時の状態が自分で説明できるほどに理解できました。
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