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戦争体験 一九七〇年への遺書 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2021/06/14 |
JAN | 9784480510563 |
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商品レビュー
3
1件のお客様レビュー
戦争を二度と起こさないため、あの悲惨な戦争体験をいかに語り継ぐかとの問題が問いかけられ、時には熱く論じられていた時代があった、そんな記憶がある。本書を読んで始めに思ったことである。 著者は、学徒出陣で戦場に送られたど真ん中の戦中派世代である。終戦間近の戦闘で、銃弾の音が著者...
戦争を二度と起こさないため、あの悲惨な戦争体験をいかに語り継ぐかとの問題が問いかけられ、時には熱く論じられていた時代があった、そんな記憶がある。本書を読んで始めに思ったことである。 著者は、学徒出陣で戦場に送られたど真ん中の戦中派世代である。終戦間近の戦闘で、銃弾の音が著者の耳朶をかすめた瞬間、著者の肩越しに銃を撃っていた戦友がドッと倒れてしまう、即死だった。彼は死に、自分は生きて戦後の生を生きている。その恣意性、偶然性に徹底的に拘ることが著者自らの戦争体験の原点となる。 果たしてそれは語り継ぐことができるのか、そもそも語り継ぐべきものなのか。 一方で、戦争体験を聞く後進の世代からすると、語られる戦争体験が特権的立場からの物言いに聞こえてしまうということも、想像できるし、本書を読むと、現実にそのような対立があったようだ。著者自身自らの思いが理解されない苛立ちを感じていることが随所に現れている。殊に50年代、60年代は政治闘争盛んな時代で、組織化して運動勢力、政治勢力を作ろうとしていた時代であるから、体験の安易な一般化、抽象化を拒み自らの体験に拘り抜く著者の姿勢を固陋と受け取ったことも、ある意味理解できる。 戦中派世代もほとんどいなくなった今の時代、こうした形ある本として、ジックリと戦中派の思いを読むことができるのは、大変ありがたい。
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