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認知症とともにあたりまえに生きていく 支援する、されるという立場を超えた9人の実践
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央法規出版 |
発売年月日 | 2021/06/11 |
JAN | 9784805883334 |
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認知症とともにあたりまえに生きていく
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認知症の当事者や治療(?)、ケアや社会的なサポートにあたる人たちによる本。どこかで見たようなコンセプトだけど、特徴的なのは当事者である丹野さんが編著として、藤田さんが著者としてかかわっているところだろうか。特に、藤田さんは長らく人権活動にかかわっていたそうで、こんなことを言ってい...
認知症の当事者や治療(?)、ケアや社会的なサポートにあたる人たちによる本。どこかで見たようなコンセプトだけど、特徴的なのは当事者である丹野さんが編著として、藤田さんが著者としてかかわっているところだろうか。特に、藤田さんは長らく人権活動にかかわっていたそうで、こんなことを言っている(p.39)。 私は元々、人権活動に取り組んでいました。その経験がいまの活動に大きく影響していると感じています。子どものころは、とにかく人の後について、目立たないようにおとなしくしている子だったので、自分でもよく変われたなと思います。 おそらく、結婚して子どもが生まれ、自分が子どもたちを守る立場になったことがきっかけになったのだと思います。PTAや地域の活動を通してさまざまな人たちに出会い、自分がそれまで何気なく過ごしていた日常のなかに、さまざまな生きづらさを抱えた人たちがいることに気づかせてもらいました。「自分は直接的には差別をしない」という立場で、「よい人」として暮らしているという思いがあったのですが、「差別をする側に立つか、なくす側に立つか、あなたはどちら側に立って生きますか」と問われたときに、「差別をしない」という選択肢はないと気づかされ、衝撃を受けました。それから本格的に人権活動を始めました。 このように自分の生き方が変わっていったという経験があるので、認知症の問題についても、結局は「自分が動く」という選択をしたのだと思います。やはり自分自身が考えて行動していかなければ「差別をなくす側」に立ったことにはならないと思うからです。私がすべきことは何だろうと考えていくなかで、「認知症の本人として社会を変えるために発信していく」という結論に行き着いたのです。 藤田さんって認知症になる以前に、こんな生き方をしてきた人なのかと思ったし、非科学的かもしれないけど、なるべく人が認知症になっていま活動しているのだなあとも思った。 当事者のお二人の言葉や活動はなるほどと思わされるところがあるし、いわゆる教科書的な認知症の知識がいかに的外れなのかを感じさせる。これまでの蓄積からある程度の傾向はつかめるかもしれないけど、症状やそこからくる言動って一人ひとり違うし、けっこういろんなことがわかっていたり、思ったり考えたりしているのだろう。 丹野さんも「認知症の人に対して「認知症らしさを探していないか?」「認知症でもできることを探していないか?」と私たちに問うて」(はじめに)いるそうで、この言葉も至言。どうしても、当事者でない人たちは認知症の型にはめて安心しようというか楽に対応しようとしている部分があるのかも。決して怠惰や人権を無視してというわけではないのだけど。 著者たちが自分たちの未熟さや失敗経験をけっこう語ってくれているのも、わりと平たい目線で認知症の人とのかかわり方をあらためる糧になる。何となくだけど、この本の様々な立場の著者のうち、ケアや社会的サポートに当たっている人たちが、常に経験をもとに自問自答、試行錯誤しながら認知症の人たちと向き合っている感じがして、医師は自分がやっていることへの満足度が高そうな気がしてしまった。彼らの責任感や使命感の現れでもあろうけどパターナリズムを見るようでもある。 あと、当事者が著者に入っているのはよいと思うけど、丹野さんも藤田さんも若年性認知症の方なので、高齢の当事者もいるとよかった。ある意味、人生の半ばで認知症になった人と高齢で周りに同じような人がたくさんいる認知症の人とではおかれた状況が違う気がするから。それと、女性の著者が藤田さんと六車さんしかいないのもどうなんだろう。当事者は男女1人ずつだけど、その他の著者は直接的にケアや社会的サポートにあたっているのは女性のほうが多い(はずな)ことを考えるとバランス悪くもったいない。
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