「世界史」で読み解けば日本史がわかる 祥伝社黄金文庫

神野正史(著者)

• 販売会社／発売会社: 祥伝社
• 発売年月日: 2021/06/11
• JAN: 9784396318086

商品レビュー

2024/09/19

世界史の中の日本史、と捉えることで、こんなに見え方が変わるとは。まさにバタフライ効果で、世界の歴史の動きが大きく今の日本に影響を与えている。そういう視点を得られる点で大変良かった。

特に印象的だったトピック
●植民地化は宣教師→商人→内乱で国力が弱まっておきる。日本はキリシタンを排斥したから植民地化されなかった。
●開国を迫ってきたのがロシアではなく米国だったことは僥倖だった。イギリスで清教徒が排斥され、アメリカに来て、現地人と自然を駆逐しながら早く西に進んだことで、ロシアより先に日本に、来た。また南北戦争が起きたことは日本に時間的猶予をもたらし豊富な近代兵器を横ながされた。

2023/07/15

複眼的な視点を養うことに役立ったと感じる。特に中世の寒冷化により、ヨーロッパ・日本で同時多発的に情勢不安が発生した点は、気象学から歴史を捉えることで本質に迫ることができると感じ非常に興味深かった。
また、近代日本史における侵略国としての自虐的な歴史観を払拭することにも繋がった気がする。

2023/01/04

学歴としては学士までの人気予備校教師の本なので、歴史学的な正確さよりも話の面白さに期待して購入。
序盤は非常に興味深いものが多く、特に匈奴が白登山の戦いに勝利したことでその後の侵略につながり、世界中に影響を及ぼした、などはちょっと考えたことがなかった（歴史学的に正しいのかは不明だが、講談史学としては非常に面白い）。
後半は若干本人の筆が滑って自身の言いたいことを書き散らすようになっていて、本のテーマがぶれていた。近代以降は世界史と日本史をリンクさせやすいので、もうちょっと前の時代について分量をおおくしてくれるとよかったな。