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86―エイティシックス―(Ep.10) フラグメンタル・ネオテニー 電撃文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2021/06/10 |
JAN | 9784049138801 |
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86―エイティシックス―(Ep.10)
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商品レビュー
4.4
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2023/12/17 読了。 図書館から。 戦場が、人間が、環境が、過酷で残忍で、 ヒトは耐えるほどに削られていくのだなぁ…と。 その中でも優しさがあったり友情と呼べるものが確かに在るんだろうけど、 微かな本当に微かなものであって、そうやってシンが出来たのか…と思うともう…。 まだ世界は変わらないけれど、 辿り着けてよかった。 ファイドの話が心に沁みた。そしてかわいい。
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シンエイ・ノウゼンという子供が死神になるまでの物語プラスα。その為にシンが死に隣接した存在になるまでを描いているというより、シンエイ・ノウゼンを構成する欠片を纏めているといった印象を受けるね だからこそ、ラストの帰結に繋がるのだろうし シンエイ・ノウゼンは特別に不幸だったとい...
シンエイ・ノウゼンという子供が死神になるまでの物語プラスα。その為にシンが死に隣接した存在になるまでを描いているというより、シンエイ・ノウゼンを構成する欠片を纏めているといった印象を受けるね だからこそ、ラストの帰結に繋がるのだろうし シンエイ・ノウゼンは特別に不幸だったというわけでも死に惹かれていたわけでもない ただ、数千万人に一人みたいな気味の悪い奇跡によって有り得ない程の戦闘適性を持っていただけ。それによって仲間が死に絶える戦場であろうと生き残れてしまった また、エイティシックスが押し込められた八六区という絶死の戦場が平時なら何の価値もない戦闘適正に意味を持たせてしまっただけ そもそもこの過去編でシンが絡む戦隊長達なども戦闘適正を持った存在と言えるんだよね。年間生存率が絶望的なまでに低い戦場で数年間も戦い続けている時点で奇蹟的な存在 それらの傑物からしても化け物に思える程の強さを持ってしまったからシンは誰からも置いていかれ、皆の死を看取る存在になるしかなかった 本人が望んだのではなく、そうならざるを得なかった だからシンに皆が託していく事になるわけだ 八六区では墓を作れないから「覚えていてやれ」と指針を示したアリス、死にきれない仲間にとどめを刺す役目を明け渡したイスカ、シンに死神としての役割を与えてしまったエイジュ、死んだ後に連れて行ってくれるシンが居るから死ぬのは怖くないと言ったサイキ 誰も彼も自分勝手で。けれど絶死の戦場を生きる為には誰も彼も縋り付くものが必要だったわけで。エイティシックスの多くにとってシンがそのような存在となり、シンはその役割に縋り付いて生きざるを得なかったわけだ そう考えた時、最初にシンと共に歩む役を得たファイドという存在がどれだけシンの支えになった事かと感じ入る 他者から見ればスカベンジャーなんてただの機械に過ぎなくて。それでもシンに寄り添ってくれた。一緒に帰ってくれた いつも仲間に置き去りにされるシンにすればとても貴重な存在だったろうね あと、ファイド視点で描かれた短編は良い意味で明るい気分になれたというか そこにだって絶望は存在しているのだけど、ファイドが想像以上にコミカルで主想いの存在だったものだから、あの話を読めた事で幾らか救われた気持ちになってしまったよ と言うか、扉絵のファイド可愛すぎでしょ…… そうしてシンが死神になるまでの物語が描かれた後は本編から零れ落ちていた物語の欠片達 第1巻は主にレーナ視点で展開され、エイティシックスに覆い被さっていた希望なき虚無を上手い具合にボヤかしながら進行していたから、あの当時の出来事をエイティシックスがどう感じていたのか詳細に記していたかというと物足りない部分もあったのも事実 クジョーがどういう人間だったかを拾い上げ、特別偵察任務中のスピアヘッド戦隊最後の旅路を描き そこには確かに希望なんて無かったかもしれないけど、エイティシックスが確かに生きていたと感じられるだけの物語が展開されていたよ 最後に収録された嘘っぱちの物語 本編にて想像を絶する数の人々が亡くなっている事を考えると、どれだけ夢物語で有り得なくてもあの嘘っぱちの世界の方が良いに決まっていると自分には思えてしまう けど、その平和に過ぎる世界だったらシンは自身を構成する大切な欠片と出会う事なんて出来なくて あの発言はきっとシンエイ・ノウゼンしか言えない言葉。八六区であまりに大きな物を背負わされて、それでも八六区から外に出たシンエイ・ノウゼンだから言える帰結 他者には否定も肯定もできない結論はだからこそシンが手にしたものの尊さを示しているように思えたよ
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シンが今のシンになるまでのお話。 上司がいた、同僚がいた。 86区にはたくさんの人間がいた。 決して良好の関係でなくても、死んだ人の思いを名前を連れていく。 まだ幼いのに随分たくさんのものをすり減らし、隠し、出せなくなったんだな。 レーナに会えてよかったね。 人らしい、少年らしい...
シンが今のシンになるまでのお話。 上司がいた、同僚がいた。 86区にはたくさんの人間がいた。 決して良好の関係でなくても、死んだ人の思いを名前を連れていく。 まだ幼いのに随分たくさんのものをすり減らし、隠し、出せなくなったんだな。 レーナに会えてよかったね。 人らしい、少年らしい、気持ちが表に出るようになって嬉しい、微笑ましい。
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