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石原慎太郎・大江健三郎 中公文庫
定価 ¥990
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2021/05/21 |
JAN | 9784122070639 |
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石原慎太郎・大江健三郎
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石原慎太郎・大江健三郎
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石原慎太郎は、昭和の時代における若者のアイコンであった 石原が何をやっても、世間はそれを支持した 江藤淳はそんな石原を評して、「無意識過剰」と呼んだ にじみ出る石原の無意識が 日本国民のそれと自然に呼応しているというほどの意味である 敗戦後の、新しい日本を作り上げていこうとする若...
石原慎太郎は、昭和の時代における若者のアイコンであった 石原が何をやっても、世間はそれを支持した 江藤淳はそんな石原を評して、「無意識過剰」と呼んだ にじみ出る石原の無意識が 日本国民のそれと自然に呼応しているというほどの意味である 敗戦後の、新しい日本を作り上げていこうとする若き大衆は 石原のような存在を求めたのだった そう考えると、「万延元年のフットボール」を契機に 江藤淳と大江健三郎が決裂したのも無理のない話だった 三島由紀夫の死に先駆けて 英雄の死と、その神格化を書いた大江は それによって 石原の、真に健康な肉体を、冒涜したも同然であったから 今では信じがたいことに 石原、大江と江藤を加えた3人組は もともと政治的にも近いところにいる同志的存在だったのだ それが結局、時の流れによって引き裂かれたわけであるが いずれ避けられない衝突だったにせよ 狂言回しを務めたのが江藤だったことは間違いない 江藤の言うように 「万延元年~」には、反近代的なところがあった 大江健三郎は 三島とは違った形で天皇にこだわり続けた作家である 表現としては反天皇かもしれない だが、その存在の無力に、価値を見出すようなところもあった 無力であっても生きる資格が人にはある だが一方、それはもちろん「個人」を否定する思想でもあった …「共生」とはそういうものである そう言われると、返す言葉もないんだが しかしそうであればなおのこと 社会維持のために、強固なシステムが必要となるはずだ 旧来的な意味でのシステムならば いずれ卵を壊す壁となろう 今更それを認めることはできない 江藤としては 「個人」を突き詰めた先に、新たな共生のシステムが生まれると そう信じたいのだった 現に、石原と日本国民は無意識で通じ合ってるじゃないか、と いずれにしてもロマンチックな話である 戦後昭和だから成立した物語である 未来を生きる我々としては 江藤流と大江流、2つの匙加減で味見を繰り返していくしかあるまい それが泥のスープであったとしても
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盟友・石原慎太郎と好敵手・大江健三郎をめぐる全評論とエッセイを一冊にした文庫オリジナル論集。稀代の批評家による戦後作家論の白眉。〈解説〉平山周吉
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