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病むことについて 新装版
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2021/05/27 |
JAN | 9784622090243 |
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ヴァージニア・ウルフ初めて読んだけど、題名で想像してたより意外に硬派なエッセイなのでびっくり。でも、皮肉っぽさや言葉遊びの楽しみは存分に発揮されている。読書・(とくにイギリスの)文学についての話題が多く、そういうのに詳しい人ならもっと楽しめるのかも。時代が作家に与える影響について語っている「斜塔」で、作家が属してきた上流階級を塔に見立て、その傾き始めた塔の上に居座りながらも塔を攻撃する欺瞞と苦しさを指摘しているのは面白いなと思った。いわゆるインテリ層って今もなおそんな感じではないか。 最後に収録されている短編小説2編がとても面白かったので、今度は小説を読んでみようかな。
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14編のエッセイと短編小説2編を収録。これまでウルフの作品は小説しか読んだことがなかったので、エッセイはとても新鮮に感じました。確かな知性と洞察力に優れたエッセイはどれも印象深く、文学論とでも言うべき「斜塔」や平和への思いを綴った「空襲下で平和に思いを寄せる」、喪われていく生命を...
14編のエッセイと短編小説2編を収録。これまでウルフの作品は小説しか読んだことがなかったので、エッセイはとても新鮮に感じました。確かな知性と洞察力に優れたエッセイはどれも印象深く、文学論とでも言うべき「斜塔」や平和への思いを綴った「空襲下で平和に思いを寄せる」、喪われていく生命を凝視した「蛾の死」、父親について書いた「わが父レズリー・スティーヴン」など、とても面白かった。「源氏物語を読んで」も興味深く、改めて源氏物語を読んでみたいと思った。短編小説の「遺贈品」「雑種犬ジプシー」も絶品。
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コロナ禍のなか、「病むことについて」というタイトルに惹かれて読んだが、ヴァージニア・ウルフの評論、エッセイ、講演、短編小説を集めたもので、「病むことについて」は、そのなかの一つのエッセイのタイトルで、全体としては、文芸評論的なものが多いかな? そして、「病むことについて」は、イ...
コロナ禍のなか、「病むことについて」というタイトルに惹かれて読んだが、ヴァージニア・ウルフの評論、エッセイ、講演、短編小説を集めたもので、「病むことについて」は、そのなかの一つのエッセイのタイトルで、全体としては、文芸評論的なものが多いかな? そして、「病むことについて」は、インフルエンザにかかった経験を踏まえ、われわれが、あたり前のことが病気になることで、いかに簡単に変化するかというところで始まるのだが、話はやっぱり文学のほうに展開する。ので、「病むこと」について、深い洞察が得られると言うわけでもないかな? 今回読んで、印象的だったのは、「空襲下で平和に思いを寄せる」で、1940年、第2時世界大戦のさなか、ドイツ軍の空襲をうけながら、ヒトラーと戦う政治家のディスコース、イギリスの自由を守るために戦闘機に乗って戦う兵士、そして、ドイツの兵士などに思いをよせつつ、「自由」のために自分ができることについて考えるところが面白かった。 あと、イギリス的な階級社会に意識的になった上流階級の作家が、なにかを書こうとしても、その技術は、これまでの上級階級の教育から得たものであることから生じるジレンマを論じた「斜塔」も面白い。それから、「女性にとっての職業」が「自分だけの部屋」の続編みたいなものになっているもの面白かった。 さらに、ウェイリーの英訳を通じて読んだのであろう「源氏物語」の感想も面白い。 と、いろいろ面白いところは多いのだけど、評論の対象となっている作品を知らないものが多くて、わからなくなって、しばしば、読むのを中断してしまうこともある。 全体的には、やや小作集というところで、ウルフの独特の視点は楽しめるが、まずは他の作品を読んだ上で、読むべき感じかな?
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