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イギリス1960年代 ビートルズからサッチャーへ 中公新書2643
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2021/05/20 |
JAN | 9784121026439 |
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イギリス1960年代
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1960年代の英国史。ビートルズが活躍し若者文化が花開いた1960年代から、1970年代のサッチャリズムに移行していった過程を描写している。 著者の仮説は以下の3点: ①大衆消費を基盤とする1960年代の文化革命の経験が、サッチャリズムの描くポピュラー・キャピタリズムの夢に惹かれ...
1960年代の英国史。ビートルズが活躍し若者文化が花開いた1960年代から、1970年代のサッチャリズムに移行していった過程を描写している。 著者の仮説は以下の3点: ①大衆消費を基盤とする1960年代の文化革命の経験が、サッチャリズムの描くポピュラー・キャピタリズムの夢に惹かれる個人主義的な国民を形成した。 ②「許容する社会」の広がりが、政治の世界でのサッチャーの栄達を可能にする条件を整えた。 ③「許容」を批判するモラリズムの台頭が、サッチャーへの追い風となった。 特に、第2章はビートルズ論となっていて面白い。
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1960年代を舞台にビートルズのブレイクがマーガレット・サッチャーの登場の下地をつくったという、一瞬、エッ?な論考です。しかし、このロジックは一度、体験したことがあるような気がします。それはミチコ・カクタニの「真実の終わり」で語られていたポストモダンの多元化した文化を許容する社会...
1960年代を舞台にビートルズのブレイクがマーガレット・サッチャーの登場の下地をつくったという、一瞬、エッ?な論考です。しかし、このロジックは一度、体験したことがあるような気がします。それはミチコ・カクタニの「真実の終わり」で語られていたポストモダンの多元化した文化を許容する社会の実現がトランプ主義を生んだ、という論です。本書をそのイギリス版として受け取りました。第二次世界大戦後のベビーブーマーを主役とした豊かな社会がスウィンギングロンドンというポップカルチャーの時代を作り出し、そのシンボルであるビートルズ革命によって社会より個人を大切にする個人主義の時代を生み出し、それを許容する社会と、その自由に反対するモラリズムの追い風に乗ってサッチャーが台頭し、新自由主義というサッチャリズムが生まれた、というもの。風が吹けば桶屋が儲かる的ですが、「真実の終わり」と同様に、非常なる説得力を感じました。それはリベラリズムの衰退という現在進行形の問題にも繋がると思います。1960年代が1980年代を生み、その流れがBREIXTに繋がり、世界の未来を見えない者にしている…という大きな問題意識も刺激しますが、もはや古典となったビートルズ、もしくはブリティッシュインベージョンのカルチャーガイドとしても、実は楽しい本でした。日本の60年代文化もレトロとしてだけではなく現在の序章としての考察も可能だと思いました。
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イギリスは1960年代物質的豊かさが大衆にまで一通り行き渡った事もあり、文化革命とも呼びうる動きが起きた。その象徴はビートルズであり、007であり、ヴィダル・サスーンであった。 一方では大衆文化の拡大は個人主義的思考、そしてその思考を許容する社会を生み出し、それまでのイギリスで...
イギリスは1960年代物質的豊かさが大衆にまで一通り行き渡った事もあり、文化革命とも呼びうる動きが起きた。その象徴はビートルズであり、007であり、ヴィダル・サスーンであった。 一方では大衆文化の拡大は個人主義的思考、そしてその思考を許容する社会を生み出し、それまでのイギリスでは生まれるべくもなかった女性首相サッチャーがやがて誕生する土台となった。 というのが一言あらすじになると思うのだが、他の方も書かれる通り、この本の中で最もインパクトがあったのは「モラリズムのクルセイダー」メアリ・ホワイトハウス。同時代のイギリスに住んでいたら一も二もなく毛嫌いしていたはずだが、このおばちゃんの言動はとにかくパワフルであり、とにかく異彩を放っている。ホワイトハウスを取り扱った第5章・第6章だけでも一読の価値はあるはず。 パルネット ベルマージュ堺店にて購入。
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