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三時間の導線(上) ハヤカワ・ミステリ文庫
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三時間の導線(上) ハヤカワ・ミステリ文庫

アンデシュ・ルースルンド(著者), 清水由貴子(訳者), 喜多代恵理子(訳者)

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三時間の導線(上) ハヤカワ・ミステリ文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2021/04/28
JAN 9784151821615

三時間の導線(上)

¥220

商品レビュー

4.1

10件のお客様レビュー

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2025/02/12

スウェーデンの作家アンデシュ・ルースルンドの長篇ミステリ作品『三時間の導線〈上〉〈下〉(原題:Tre timmar)』を読みました。 アンデシュ・ルースルンドの作品は、先日読んだベリエ・ヘルストレムとの共著『ボックス21』以来ですね。 -----story-----------...

スウェーデンの作家アンデシュ・ルースルンドの長篇ミステリ作品『三時間の導線〈上〉〈下〉(原題:Tre timmar)』を読みました。 アンデシュ・ルースルンドの作品は、先日読んだベリエ・ヘルストレムとの共著『ボックス21』以来ですね。 -----story------------- 難民の大量死事件に迫る北欧ミステリ 遺体安置所に現れた「あるはずのない」死体。 グレーンス警部がその謎を追うが……傑作『三分間の空隙』から続くシリーズ新作登場 〈上〉 ストックホルムの遺体安置所で発見された「あるはずのない」男の死体。 死体の調査を進めるグレーンス警部だったが、さらに身元不明の女性の亡骸が見つかり、事件を追う捜査陣は凄惨な光景にたどり着く。 そしてそこには意外な人物の指紋が残されていた……『三分間の空隙』に続くシリーズ最新作! 〈下〉 西アフリカ。 現在は民間警備会社に所属している「その男」のもとに、グレーンス警部が来訪する。 ストックホルムの奇怪な大量殺人事件の闇を暴くことは彼にしかできない。 真相究明を託された男はまたも危険な組織の懐へと身を投じる。 自らに課した使命を達成するまでの刻限は、たった三時間。 その導線に今、火が点けられた! 国際社会の難民問題に切り込み、極限状況の駆け引きが真に迫る北欧ミステリ超大作。 解説/若林踏 ----------------------- 本作品はストックホルム市警のエーヴェルト・グレーンス警部とスヴェン・スンドクヴィスト警部補が活躍するシリーズの第8 作……2018年(平成30年)に発表された作品です、、、 本シリーズを読むのは、第1作の『制裁』、第3作の『死刑囚』、第5作の『三秒間の死角』、第2作の『ボックス21』に続き5作品目……重いんですけど、本作も物語として愉しめました。 実は本作品は、『三秒間の死角』と『三分間の空隙』に続き、潜入捜査員ピート・ホフマン・コズロウが登場するシリーズ内シリーズ三部作の第3作でもあるんですよね……また、2017年(平成29年)2月にベリエ・ヘルストレムが59歳で逝去した後、アンデシュ・ルースルンドが単独で執筆した最初の作品でもあります。 死体が一体多い――ストックホルムの遺体安置所で発見された「あるはずのない」男の死体……記録はなく、アフリカ出身と思われる以外、素性は知れない、、、 調査を始めたグレーンス警部だったが、さらに身元不明の女性の亡骸が安置所に出現……その謎を追う捜査陣はあまりに凄惨な光景を目撃する。 そしてその場に残された指紋から割り出された人物の名前は……傑作『三分間の空隙』につづくグレーンス警部シリーズ最新作。 遺体安置所に現れた「あるはずのない死体」……何者かが身元不明の死体をわざわざ遺体安置所に運んできたらしい、、、 しかも、その死体は火に近づいた痕跡すらないのに、粉末消火器の主成分であるリン酸アンモニウムが検出される……さらに捜査を進めるうちにグレーンス警部等の捜査員たちは73体の遺体が詰め込まれたコンテナにたどり着き、そこでひとつの携帯電話を発見するが、その携帯電話に残された指紋はグレーンス警部にとって信じられないほど意外な人物のものだった! という序盤の展開から物語に惹き込まれましたね。 これらの序盤で提示された謎解きの妙味、アフリカ・リビアのズワーラを舞台に元潜入捜査員ピート・ホフマンが犯罪組織に潜入する冒険アクション、ホフマンの家族とグレーンス警部の交流やそこで起きるサスペンスフルな事件とホフマンの息子たちの成長、事実とフィクションを組み合わせたリアリティのある展開……色んな要素が含まれていますが、そのバランスが絶妙なんですよね、、、 そして、グレーンス警部の頑なな心の奥底に潜む熱い感情に心をシンクロさせながら読みました……犯罪組織に携わっていた人物もは搾取することだけが目的ではなかったことが判明する終盤の展開にも考えさせられましたねー やっていることは決して正しくはないのですが、少し心が救われましたね。 ハッピーエンドとは言えない結末でしたが……善と悪、白と黒がはっきりしないことも含め、エンターテイメント作品でありながらリアル感を意識して描かれた結果だと思います、、、 頻繁に視点を変えて、犯罪者側も捜査する人間と同じくらいのボリュームで描かれているので、双方の立場になって読むことができるのも魅力ですね……本シリーズ、他の作品もぜひぜひ読みたいです。

Posted by ブクログ

2023/09/10

本作は、ストックホルム警察のエーヴェルト・グレーンス警部が活躍するシリーズで、凄腕の潜入捜査員のピート・ホフマンが登場するようになって「ダブル主人公」というような感じになってから3作目ということになる。 エーヴェルト・グレーンス警部は現役最年長の捜査員という感じで活動している。短...

本作は、ストックホルム警察のエーヴェルト・グレーンス警部が活躍するシリーズで、凄腕の潜入捜査員のピート・ホフマンが登場するようになって「ダブル主人公」というような感じになってから3作目ということになる。 エーヴェルト・グレーンス警部は現役最年長の捜査員という感じで活動している。短気で怒りっぽく頑固で、押しが強く、執念深く事件を追う、やや付き合い悪い感じの男だ。他方で、妻が事故で動けず、話すことも出来ない状態になって長く施設に収容されていて、その妻を喪ったという経過の在る孤独を抱えているような男でもある。或いは、私生活での孤独の他方に、職務に精励することだけを生き甲斐にしていたような面も在る。こういう設定は、シリーズ各作品で示唆されている。本作でも、早朝の自由な時間に、他界した妻が居た施設が見える辺りに座って、想い巡らせながら過ごしているという冒頭辺りの場面の描写で、設定が示唆されていたと思う。 物語はそのグレーンス警部が連絡を受けたという辺りから起こる。 グレーンス警部が受けた連絡は奇妙な内容だった。大きな病院の遺体安置所で、全く記録の無い遺体が紛れ込み、記録に在る遺体の数よりも1体増えてしまっているという話しだった。遺体安置所の担当者からの通報で調べることになったので、現場に向かって欲しいという連絡を、グレーンス警部は首を傾げながら聴き、現場へ向かうことにした。少し長く警部の補佐役を務めるスヴェン・スンドクヴィスト、やや若い優秀な女性捜査員のマリアナ・ヘルマンソンを伴い、グレーンス警部は現場での捜査に着手する。 真面目で熱心に仕事に取組んでいるという風な、遺体安置所の担当者が言うように、正体不明な遺体が1体紛れ込んでいるという不思議な状況を目の当たりにしたグレーンス警部は、問題の遺体を法医学者の所に運んで検分した。窒息死と見受けられる遺体は、西アフリカ、または内陸部の中央アフリカの出である人種的な特徴が見受けられるということだが、身元を知るための手掛かりは皆無である。 そうしている間に、遺体安置所に更に別な把握していない遺体が紛れ込んでいるという通報が入る。運び込まれた可能性の在る経路を徹底的に探ると、とんでもないモノに行き当たった。港のコンテナの中に夥しい数の遺体が在ったのだった。警察に通報をした遺体安置所、他の遺体安置所でも発見された遺体と合わせると、総数で73体にも上りグレーンス警部達は衝撃を受ける。コンテナに大勢が押し込められていて、呼吸が出来ずに中に居た人達が亡くなったと見受けられる状況である。 アフリカ諸国等から欧州諸国を目指してやって来る人達の問題が在るのだが、金を取って渡航をさせるとでもして、コンテナに限度を超える程度の人数を押し込んで、多数が生命を落すという状態が生じている。グレーンス警部はストックホルムでこのコンテナを迎え入れるということになっていた関係者が必ず在る筈で、それを逮捕しなければならないと強く思った。そうしていれば携帯電話の着信音が聞こえた。発見された遺体の中から、着衣の裏に縫い付けるように、生前に死者が所持していたらしい携帯電話が見付かった。見付かった携帯電話を鑑識で確り調べてみた。そうすると、意外な人物の痕跡が見付かったのだった。

Posted by ブクログ

2022/07/19

「三秒間の死角」「三分間の空隙」に続く物語。続きがあるのは嬉しい半面、せっかく家族の元に帰ったのに…という思いもある。どうか無事で…! 下巻へ

Posted by ブクログ