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日本語とにらめっこ 見えないぼくの学習奮闘記
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2021/04/21 |
JAN | 9784560088982 |
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日本語とにらめっこ
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商品レビュー
3.9
11件のお客様レビュー
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC06880007
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アブディン氏のことは前作『わが盲想』やお馴染み(!?)高野秀行氏の著作で見地を得ていたが、本書の刊行はakikobbさんのご紹介があるまで知らなかった。(有り難うございます^ ^!!) スーダンご出身。(現在内戦が報道されているがご家族の安否が心配…) 12歳で視力を失い、19...
アブディン氏のことは前作『わが盲想』やお馴染み(!?)高野秀行氏の著作で見地を得ていたが、本書の刊行はakikobbさんのご紹介があるまで知らなかった。(有り難うございます^ ^!!) スーダンご出身。(現在内戦が報道されているがご家族の安否が心配…) 12歳で視力を失い、19歳の時に留学制度を利用して来日。鍼灸を学ぶため福井県の盲学校へ、のちに東京外大に進学という少し変わった、そしてズバ抜けたご経歴。彼の紡ぎ出す文章はユーモアに富んでおり、前作では笑いをこらえ切れなかった。 これらを踏まえて本書に踏み出してみると、2つの変化に気がつく。 一つは、彼の経歴がえらくアップデートされていたこと。 前作を読んだのは一昨年(!)で、今レビューを読み返してもエッセイストのイメージしか浮かんでこない。しかし本書のプロフィールを確認すると、大学の客員教授や参天製薬の会社員、ブラインドサッカーの選手etc.と幅広く活躍されているではないか…!しかも日本に帰化されていたとは…!(ちなみにエッセイストの仕事を始めたきっかけは高野氏のひと押しだったことが本書で判明する笑) もう一つは、アブディンさんが少し大人しく映ったこと。 前作のレビューにはお調子者の日本人学生みたいだと書いていた。今回は初対面である河路氏(日本語教育学の教授)との対談形式だからか、徐行運転という第一印象。 それには理由があって、『わが盲想』の内容について読者から指摘があり、以来最新の注意を払うようになったからとの事。対談形式だけど、心の中で慎重に言葉選びをされている感じがした。 あのユーモアを存分に味わっていただけに口寂しい想いはしたものの、一から彼の半生を辿ることができたのはプラスになった。 本書には、アブディン氏が日本でお世話になった方々へのインタビューも掲載。同じ日本人目線でアブディン氏のお人柄に触れ、また異文化との遭遇を疑似体験できて、結構好きなコーナーだった。 「人は、生まれた時に待ち構えている言語(母語)には無防備だ。しかし、すでに確された自己が、新しく獲得した言語(外国語)は、[中略]自分でコントロールすることができる」 さすが、河路氏の分析には説得力がある。 ラジオや友人の読み聞かせによって聞く力や記憶力が発展したというが、大学進学まで点字の存在すら知らなかったアブディン氏。そこから更に「日本語の点字」を自力で覚えていった。「自分だけが出来ない」という悔しさを抱えながら猛勉強しつつ、来日して好きになった親父ギャグや落語etc.をも学習教材にしてしまう。 スーダン時代の乏しい学習経験を埋めようと、アグレッシブに吸収される姿が輝かしい。 アップデートされたプロフィールを見て「キャパオーバーって概念がないのかな」と思っていたけど、キャパの容量を自らアップデートされている気がしてきた。
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『わが盲想』の著者アブディンさん(一九九八年に十九歳でスーダンから来日した盲人男性)の、日本語学習奮闘記。『わが盲想』を読むと、どうしてこの人はこんなに面白い日本語の文章が書けるんだろう?!と誰しも驚愕するだろう。この本では、日本語教育の専門家である河路由佳さんが行ったアブディ...
『わが盲想』の著者アブディンさん(一九九八年に十九歳でスーダンから来日した盲人男性)の、日本語学習奮闘記。『わが盲想』を読むと、どうしてこの人はこんなに面白い日本語の文章が書けるんだろう?!と誰しも驚愕するだろう。この本では、日本語教育の専門家である河路由佳さんが行ったアブディンさんへのインタビューがまとめられている。子ども時代のアラビア語の読み書きの話から始まって、点字・日本語/福井弁・英語の学習、パソコンとの出会い、そして文章を書くことについて。 「おわりに」にある河路さんの文章を一部抜粋する。 「外国語学習に奇跡はない。まして、巧みな文章は、努力なしには書けない。アブディンさんのこの軽妙な文章の背後には気の遠くなるはずの努力があるはずだった。一歩ずつ踏みしめながら歩いてきた道が、必ずある。」 “努力”というと、夢や目標に向かって計画的・意識的に積み重ねてきた鍛錬・修練という未来志向な感じがするが、“一歩ずつ踏みしめながら歩いてきた道”という表現には、必ずしも意図した未来に辿り着く人生ではないかもしれないが、瞬間瞬間を確かな足取りで歩いていれば(というと歩行が困難である人を排除する言い方になってしまうがその意図はないのです、お許しください)何かしら身に付くものだという、良い意味での刹那主義があってなんとも軽やかな気持ちになる。“ダンスするように生きる”と言ったアドラーをやはり私は思い出す。『ハチミツとクローバー』の竹本君のことも思い出す(宗谷岬まで自転車で行った旅を振り返ったあたりのセリフを)。 アブディンさんの場合、元々日本が好きでとか興味があったからとか、そういうパターンの来日ではない。詳細は省くが、とにかく、地球の果てとも思えるような日本行きのチャンスがたまたま目の前に舞い降りてきたときに、自分で決めてそれをつかみ、一人はるばる言葉もわからない日本へやってきて、日本人に囲まれて生活していかなければならなくなった。しかも目が見えない。なかなか、「この学習法を真似しよう」といったふうに直接的に役立てるような読み方はできないかもしれない。または、日本語がどんなに特殊かとか素晴らしいかとか美しいかとか、そういう言説を期待して読むのもちょっと違うと思う。だから、今述べたような目的を持って読むと期待はずれに感じて、お互い残念な結果になるかもしれない。 だが、目的や利益など関係なく友達の話を聞くときのような気持ちで臨むと、「そうかあ、あなたも大変だったねえ、でもいい人に恵まれて良かったよねえ、あなたのそういうところ好きだなあ、私もがんばろう」みたいな、友達の話を聞いたときと同じような効果が得られると思う。 アブディンさんがこの本で話していた、研究者として欠かせないインプット作業(つまり他の人の論文を読むこと)においてどうしても目の見える人よりも遅れをとってしまうという話が、つらかった。エッセイのような文章を書く仕事についても、『わが盲想』で受けた反響や、日本社会の状況などを鑑みても色々思うところがあるとのこと、悩める胸の内も包み隠さず語られていたのも印象的だった。
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