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食糧と人類 飢餓を克服した大増産の文明史 日経ビジネス人文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日経BPM |
発売年月日 | 2021/04/05 |
JAN | 9784532240028 |
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食糧と人類
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人間が生存していくために食糧は不可欠だ。その食糧を獲得するために、ヒトが狩猟採集から農耕牧畜へと舵を切ったことは大きな変化だった。 創意工夫を積み重ねて繁栄の歯車が回る→行く手に手斧が振り下ろされるように危機が訪れる→解決法を編み出して方向転換する、このようなサイクルを繰り...
人間が生存していくために食糧は不可欠だ。その食糧を獲得するために、ヒトが狩猟採集から農耕牧畜へと舵を切ったことは大きな変化だった。 創意工夫を積み重ねて繁栄の歯車が回る→行く手に手斧が振り下ろされるように危機が訪れる→解決法を編み出して方向転換する、このようなサイクルを繰り返し、幾多の困難を乗り越え、ヒトはこれまで食料をまかなってきた。そこから、問題は必ず解決できるという楽韓論が一方に、仮に今まではそうだとしても、現代は地球温暖化や生物の絶滅など許容の限度を越えつつあると警告する悲観論とが対立している。 本書は単純にどちらかの立場に組するのではなく、まずは、人類の文明と地球が密接に関わり合いながらどんな歴史をたどってきたのかを俯瞰的にとらえ、自然界と人間の創意工夫との長く複雑なかかわりを理解し、その上で次の変化に備えようとする試みである。 本書のエッセンスは、次の文章に示されている。「人類の旅路は地球からのすばらしいめぐみとともに始まった。プレートテクトニクス、養分の循環メカニズム、豊富な動植物と微生物に恵まれたのは、まさに宇宙の宝くじに当たったようなものだ。その後、わたしたちの祖先は…能力を活かして文化を築いて進化した。文化のなかで急速に知識が蓄えられ、世代を通じて受け継がれた。数千年後、少しずつ栽培が始まり、狩猟採集の生活から農耕生活への移行が起きて大部分が定住するようになった。都市が生まれ、交易が始まり、新しい肥料をはじめさまざまな新しい取り組みによって、自然界からの制約がひとつまたひとつとはずれていった」(278-279頁)。 各章で順次、その内容が具体的に説明されるが、主たるテーマは、我々の祖先が創意工夫をした「新しい取り組み」についてである。 土壌の養分、特に窒素とリンをどう補給するのかという問題を、いかに工夫し克服していったのかが説明される。焼畑農法や三圃式農業、糞尿の利用、グアノと硝石の交易、ハーバー・ボッシュ法、リン酸肥料原料の骨からリン鉱石への推移など、断片的には知っていたことだったが、大きな流れとして説明してくれるので、頭に入りやすかった。 そのほか殺虫剤の使用と生態環境の関係についてや、より高い収穫量を目指して行われた小麦や米の品種改良について、その貢献面と併せて負の面にもきちんと目配りした叙述がされている。 世界を見渡せば、飢餓に苦しんでいる人たちは依然多いが、現在、日本に住んでいれば、国内生産物はもとより世界中の美味しいもの食べられるようになっている。飽食の時代とさえ言われているほどだ。しかし、その陰では、熱帯雨林が大規模に破壊されたり、モノカルチャー経済に組み込まれ非常に不安定な状況で生産をせざるを得ない状況があるし、牛肉は美味しいが、牛の飼育によりCO2の排出はより多くなってしまう。 誰にとっても食べ物は大切だ。食糧について考える上で参考となるいろいろな材料を本書は与えてくれると思う。
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壮大過ぎて神の視点で歴史を眺めてるような気持ちになる本に、たまに出会う それは「ある一つの視点」で歴史を俯瞰することで可能となり、この本は”人類がいかに食糧を確保してきたのか”という視点で先史から現在に至るまでの歴史が纏められてる そして人類は脆いのだなとも分かる
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地球ができる前あたりから始まり、現代の飽食と飢餓の問題まで。人類の歴史が語られた教科書。現代の問題に取り組む時、最初に読むべき。
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