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北極探検隊の謎を追って 人類で初めて気球で北極点を目指した探検隊はなぜ生還できなかったのか
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 青土社 |
発売年月日 | 2021/03/26 |
JAN | 9784791773572 |
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北極探検隊の謎を追って
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
19世紀に気球で北極に出発し、帰らぬ人となったアンドレー探検隊の死因を追うノンフィクション。遭難してから30年ほど後に偶然遺体が発見されて騒ぎになったこともあり、スウェーデンでは知らない人はいないくらいに有名な探検隊らしい。著者は医師で、単にアンドレー探検隊(の特にストリンドベリ...
19世紀に気球で北極に出発し、帰らぬ人となったアンドレー探検隊の死因を追うノンフィクション。遭難してから30年ほど後に偶然遺体が発見されて騒ぎになったこともあり、スウェーデンでは知らない人はいないくらいに有名な探検隊らしい。著者は医師で、単にアンドレー探検隊(の特にストリンドベリ隊員の)マニアであり、趣味で調べ上げているのが面白い。 気球の試運転もせずに敢行された無謀な旅で、極地到達は成功するはずもなかったが、遭難してからも3か月程度生きていたことが分かっている。物資とともに流氷を伝って陸地に到達し、キャンプを張っていたのだ。餓死でも凍死でもなさそうで、その死因について諸説乱れている。著者は未発見だった資料をもとに死因に迫り、その結果はもっともらしく思える。探検隊の軌跡と調査の進展を読者も一緒に追体験できる筋立てで読みやすい。訳も上手い。 ただ、著者の写真や急に挿入される「☞」の記号や化学式は入れない方がいいと思った。また、太字になる箇所も謎だった。そんなことに紙幅を割くくらいなら、気球の図や極地の写真をもっと多く入れてほしい。 極地探検について、もっと知りたくなった。
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図書館で目に留まり、パラパラと読み始めたら止まらなくなって借りて帰った本書。300ページ超の厚さがあり、図版や資料、写真もたくさん。なかなか凝った作りになっていて、これが読むのに吉と出るか凶と出るか、と思っていたが杞憂に終わった。 いやー、面白かった!本当に! これはかなりの労...
図書館で目に留まり、パラパラと読み始めたら止まらなくなって借りて帰った本書。300ページ超の厚さがあり、図版や資料、写真もたくさん。なかなか凝った作りになっていて、これが読むのに吉と出るか凶と出るか、と思っていたが杞憂に終わった。 いやー、面白かった!本当に! これはかなりの労作。どうしたら、こんなにも情熱を傾け、己の時間と労力を費やし、行動に移せるのかと驚きを通り越して呆れるくらい。だが、それだけの熱量が凝縮されているだけに、本当に引き込まれた。著者の情熱の渦に巻き込まれた感じ。一気読みに近い勢いで読んだ。 訳が読みやすいのも一つにはあるかもしれないが、著者が丹念に資料を読み解き、アンドレー隊を追っていくその過程で、著者の思いも丁寧に綴られているため、一緒に調査に同行しているような錯覚に陥って、とてもドキドキワクワクする。何しろ、著者が最初にアンドレー北極探検隊を知ってから、15年以上も追いかけ続けているというからね! そして、訳者も言っているが、水素気球で北極横断なんて、現代人からすれば、あまりにも馬鹿げていて荒唐無稽ですらある。だが当時の人々の感覚では、夢やロマンに命を懸けることに英雄的なイメージがあり、本計画にも、国を挙げてかなりの資金援助もあったというから、当時としては画期的だったのだろう。隔世の感がある。 彼らだけでなく、100年ほど前には、たくさんの探検家が、前人未踏の秘境を目指して地球のあちこちに出かけている(出かける、なんてそんな生易しいものではないんだけど)のだから、やはりその時代時代での空気みたいなものなんだろう。 現代のように機能性に優れた衣服や装備などがない中で、これだけの苛酷な環境に身を置くことのシビアさは想像を絶する。生命の危険と常に隣り合わせになりながらも、生きるために必要なありとあらゆることを実行しながら、丹念に記録を取ったり日誌を書いたり、仲間と助け合ったり恋人に手紙を書いたり。そんな余裕があることが信じられないし、同時に人ってすごいな、と単純に思ったりする。 そう考えると、私が冒険ものやサバイバルもの、極限の環境からの生還ものを読むのが好きなのは、現代では得られない自分の感覚を超越した何かを、想像することで得られるカタルシスみたいなものなんだろうか。極限状態における人間の姿を知ることで、その本質を知りたいとか?よくわからんけれども。 まあいいや。 とにかく、まだ見ぬ世界というか、いや、絶対見ないんだけれども、決して行けない世界へいざなわれ、乏しい想像力を必死に掻き立て、著者とともに100年前の彼らの苛酷な一行を追体験した(つもりの)読書だった。読書の醍醐味とはこういうことだね。 探検もの好きを自負していた私だが、このアンドレー北極探検隊のことは知らなかったなあ。 著者はさらなる研究を続けているという。次なる研究結果が楽しみで仕方ない。 追記 エントロピーの法則のくだりが興味深かった。フレーズにメモっとこ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
1897年スウェーデンの冒険家三人が北極点をめざして 気球で出発。わずか3日にガス漏れが原因で表情に不時着。その後90日間氷上をソリをひきながら徒歩で移動、クヴィト島に上陸、上陸後数日で三人は死亡。 消息不明から33年後の1930年。偶然三人の遺体が発見され、多くの遺留品が回収される。その中には日記があり3人の冒険の様子が明らかにされる。しかし3人の死亡は諸説あるものの不明のまま。 そして1990年、著者のベア・ウースマはこの無謀な気球探検の旅にひかれ、多くの資料を渉り、科学的知見を駆使し、現場(クヴィト島)に赴き、ようやく死因らしきものを発見する。 これが小説なら面白いのだろうが、どちらかというと取材ノートのような本である。つまり読者にも一緒に謎解きを楽しんで欲しいといった体で、材料がたくさん拡げられる。冒険家の人間的側面も少しは描かれているのもの(ニルス・ストリンドベリとアンナ。シャーリエの恋愛など)、総じて人間は描かれていない。 それよりもその当時の人の科学技術への期待と妄信、新取の気性への過大な期待。そして愛国精神などが見え隠れすることがおもしろい。 この冒険はスウェーデンは誰しもが知る冒険だという。 スンドマンの小説「気球エルン号の死」を読んでみたくなった。
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