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世界の紙を巡る旅
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 烽火書房/弘正堂図書販売 |
発売年月日 | 2021/01/01 |
JAN | 9784991116032 |
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世界の紙を巡る旅
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
紙漉き体験をご一緒する予定の方にお借りしたとても貴重な本。 発行部数や装丁の特殊さもさることながら、若い女性が単独で、紙への愛情を糧に各地の紙を探しながら303日間も海外で過ごすという、稀有な体験記である。また、コロナパンデミックの直前だったことも、世界の紙事情の記録として重要なんじゃないだろうか。専門書ではないので学術的には軽いのかもしれないが、日本人の目で見る等身大の記述が、現地との心理的な距離を縮めてくれる。 並大抵の情熱では出来ないと思う。 同じようにすることは出来ないが、民藝に注目したり、興味の方向性がすごく似ていて、読んでいてずっと嬉しかった。 タイ。そう言えばタイ土産に素敵なポップアップカードをもらったな。物凄く繊細なのに物凄く安かったらしい。紙漉きや製本もできるとは。サーペーパーや他の工芸品でも興味深い国。 ネパールのロクタ紙。「紙の温度」さんに行ったとき一目惚れして連れ帰った紙が沢山記載されて、しかも表紙になっているのは嬉しい。 そしてその隣のインド。私の中で今とてもアツい国。映画は面白い。料理も興味深い。サリーは美しい。そしてなんと言ってもブロックプリント!!あのテキスタイルは本当に素晴らしい。 紙で言えばタラブックスがとても好きなので(「夜の木」は持ってる)出てきた時はテンションがアゲアゲ。 紙の材料に古着の綿を使うとは!!シルクスクリーンによく馴染みそう。そして丈夫そう。触ってみたいなあ。 メキシコやベトナムも魅力的。 あぁ…全部私も行ってみたい。 ウズベキスタンのサマルカンドペーパーは出てこなかったので、いつかカミヒトエさんのイベントとかに参加して、その話をしてみたいな。 インスタはもちろんフォローさせていただきました。 紙が未来にずっと受け継がれてゆきますように。
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この状況下では叶わない夢だけれど、私も旅に出たくなった。 著者の好きなものを好きとまっすぐに伝える人柄や、生活への感動が伝わって来るとてもいい本だった。ネズミが出るゲストハウスにふつうに辟易する姿に共感を覚えるし、なんというかリアルでよい。表紙の手漉き紙もさることながら、本文用...
この状況下では叶わない夢だけれど、私も旅に出たくなった。 著者の好きなものを好きとまっすぐに伝える人柄や、生活への感動が伝わって来るとてもいい本だった。ネズミが出るゲストハウスにふつうに辟易する姿に共感を覚えるし、なんというかリアルでよい。表紙の手漉き紙もさることながら、本文用紙に使われている紙も美しい。
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3月3日、KSB瀬戸内放送のネットニュースで、岡山県西粟倉村で活動している若い女性の体当たり旅行記の存在を知って、直ぐに図書館に予約した。 著者の浪江由唯さん(26)が、2019年3月から2020年1月まで303日間かけて世界15カ国を旅しながら、さまざまな紙の写真や旅先で感じ...
3月3日、KSB瀬戸内放送のネットニュースで、岡山県西粟倉村で活動している若い女性の体当たり旅行記の存在を知って、直ぐに図書館に予約した。 著者の浪江由唯さん(26)が、2019年3月から2020年1月まで303日間かけて世界15カ国を旅しながら、さまざまな紙の写真や旅先で感じたこと、出会った人々をつづった本。大学時代に高知県の紙漉き村で紙作りの面白さに出会い、世界一周をする準備目的で岡山の文具店に入社する。若い、というのはそれだけで才能なのだ、と改めて思う。 カバーだけでなく、旅が1か月進むごとに紙の種類を変えていて、本書には結局11種類の紙を使った。放送では「紙の種類が変わるたび、インクの量や印刷機の中の紙を排出する圧力を30分から1時間ほどかけて調整する必要がある」と印刷の職人が話していたので、もうそれだけで、本に触れたくなって図書館のお取り寄せを待っていた。 カバーは、大学時代に出会ったネパールのロクタペーパー。カバーの色と模様は全て手作りで唯一のものらしい。原色ではない、やさしい色。和紙とは違い、繊維の筋がはっきり見える。でも優しい手触り。 その他の紙はおそらく世界の紙を使っていない。印刷用の紙だから、微妙に紙質は違うが、普通の印刷紙ではある。最終ページに紙の名前だけが載っている。私は、せっかくここまで本作りに拘ったのだから、この紙のひとつひとつをきちんと解説してもらいたかった。何故ならば、これが私たちが手に取る実物なのだから。そこに感動を持つ人が現れたら、第二第三の浪江さんが出てくるかもしれないかのだから。 私は(11種類の紙に拘りすぎて)本は写真と簡単なレポートで構成されるのだと勝手に思っていた。そしたら、ものすごい豊富なカラー写真と、旅中でずっと書いていた日記を元にした饒舌な旅レポートと、小文字で解説する紙製品やお店や紙職人の説明やデータで埋め尽くされていた。一年間で得たものを全て吐き出しました、という本でした。その辺りも、若さがあふれている。悪いわけではない。これを元に旅途中で、紙漉き工房を訪ねる人も出てくるだろう。 学びも多くある。植物の繊維を利用するのは同じだけど、工法が少し違ったり、仕上げ段階では色の好みで全然違う紙が出来上がる。草花を漉いたり、種を入れてお土産として後で咲かせてみたり、世界はいろいろである。 私の個人の関心では、カードや手紙の紙ものよりも、本に興味がいく。エストニアの破ったり燃やして穴を開けたりした本。ネパールの真ん中の竹ペンをとると表紙を開けられる手製本。ベトナムの、紙の上に貝殻を砕いた粉が塗装されていてザラザラ感があるノートなどは手にしてみたい。 旅は彼女を(多分)成長させている。「紙を学ぶのだから、それ以外の事は触れない」と思っていたのに、資金の関係で農家を手伝いながら滞在する旅をしたら、人生観を変えるような生活を体験した経緯とか。その他、当たり前のことなんだけど、長い旅は人を変えるのである。 彼女は今年春から拠点を四国に移すらしい。おそらくこれからもどんどん変わってゆくのだろう。頑張ってほしい。
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