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フォトジャーナリストが撮った世界の現実 無関心のすぐそばにある人生
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フォトジャーナリストが撮った世界の現実 無関心のすぐそばにある人生

川畑嘉文(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新評論
発売年月日 2021/02/25
JAN 9784794811769

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フォトジャーナリストが撮った世界の現実

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2021/03/02

川畑嘉文(1976年~)氏は、千葉県生まれ、ペンシルベニア州立大卒のフォトジャーナリスト。ニューヨークの雑誌社勤務時代に9.11を経験して記者職から写真の道に進むことを決意し、2002年にアフガニスタン取材を行って帰国、撮影事務所で写真技術を学んだ後、2005年からフリーランスの...

川畑嘉文(1976年~)氏は、千葉県生まれ、ペンシルベニア州立大卒のフォトジャーナリスト。ニューヨークの雑誌社勤務時代に9.11を経験して記者職から写真の道に進むことを決意し、2002年にアフガニスタン取材を行って帰国、撮影事務所で写真技術を学んだ後、2005年からフリーランスのフォトジャーナリストとなる。現在は、世界中の難民キャンプや貧困地域、被災地などで取材を行い、写真・原稿・動画などを発表している。著書に『フォトジャーナリストが見た世界~地を這うのが仕事』(2014年)がある。 本書は、「学力向上!の会」の季刊誌「エラン」に2011~12年、2017~18年に掲載されたものを加筆修正し、書下ろしを加えてまとめたもので、2021年に出版された。 内容は、1.忘れられた難民(ミャンマー/2008年)、2.オリンピックの裏側で(インド・ダラムサラ/2008年)3.フィリピンの笑顔と涙(2009年)、4.干ばつと紛争のスーダンを行く(2010年)、5.世界最大の難民キャンプ(ケニア、ソマリア/2011年)、6.空爆されたら「さようなら」(シリア/2012年)、7.南米最貧国ボリビア(2012年)、8.イスラム国とクルド難民(2014年)、9.ネパール大地震の記録(2015年)、10.山岳地帯に生きる少数民族(ラオス/2015年)、11.救済の寺院学校(ミャンマー/2015年)、12.ウガンダに押し寄せる南スーダン難民(2016年)、13.帰還したミャンマー難民(2020年)、である。 私は(普通のサラリーマンだが)、紛争地・被災地で活動し、その実態を我々に伝えてくれるフォトジャーナリストの活動に関心があり、著者の前著のほか、長倉洋海、故・山本美香、安田純平、佐藤和孝、橋本昇、渋谷敦志、高橋真樹ら、多くのフォトジャーナリストの著書を読んできたし、数年前にフリーでエルサレムとパレスチナを訪問したこともある。 著者は、「まえがき」で、昨今の国際報道に対する大手メディアの安直な姿勢、SNSの普及に伴って情報が玉石混交になっている現実、ドキュメンタリーに対する全般的な関心の低下などに懸念を示し、また、紛争地や被災地の現場において、ジャーナリストは直接的な恩恵をもたらすことができない「役立たずの存在」であることの葛藤を吐露しつつ、自らの役割を次のように言い切る。 「ぼくには、文章や写真を通して、絶望の淵にいようとも必死で生きている人々の姿を伝えることはできる。「人間の最大の罪とは、人を欺き傷つけることでもなければ、権威を振りかざすことでもない。無関心こそが最も大きな罪だ」・・・今、人々に求められているのは、この世界で起きている不条理や不公平な現実から目をそらさずにしっかり受け止めることだ。大手メディアには注目されることがなく、ひっそりと生きる人々の心を丁寧に拾い集め、一人でも多くの人々に気付いてもらうこと、それがぼくの存在する意義となる。」 上述のようなフォトジャーナリスト達は、みな基本的に同様の信念に基づいて活動しているが、それぞれの著作は、当然ながら各人の個性を含めてトーンに違いがある。そうした中で、川畑氏の著書は、厳しい現実を取材・記録しながらも、その表現は極端にシリアスではなく、この種の本を読み慣れていない人にも受け入れやすいと言えるかもしれない。 世界の様々な貧困地域、被災地に生きる人々を知ることができる、一読の意義のある一冊と思う。 (尚、前著もそうだったが、多くの印象に残るモノクロ写真がもっと大きければ、本書の価値も数段上がると思う) (2021年3月了)

Posted by ブクログ

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