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失われた賃金を求めて
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | タバブックス/JRC |
発売年月日 | 2021/02/16 |
JAN | 9784907053475 |
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
男性である事と女性である事。その違いだけで、賃金をはじめ多くの機会や権利に大きな差が生じている事に改めて衝撃を受けた。
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友人のレコメンドで読んでみた。いわゆるフェミニズム関連の書籍を読んだことがなく、今回初めて読んでみて知らないことが多く勉強になった。と同時に自分が既得権側なので責め立てられているような気持ちになり終盤しんどい部分もあった。「テメエのしんどいレベルじゃないレベルで、女性は虐げられ...
友人のレコメンドで読んでみた。いわゆるフェミニズム関連の書籍を読んだことがなく、今回初めて読んでみて知らないことが多く勉強になった。と同時に自分が既得権側なので責め立てられているような気持ちになり終盤しんどい部分もあった。「テメエのしんどいレベルじゃないレベルで、女性は虐げられているのだ」と言われればそれまでなんだけども… 著者は韓国の方で本著で取り扱っている話も韓国の女性差別の状況について解説されている。しかし、あとがきにもあるように日本と韓国はほぼ同じ状況なので既視感のあることばかり。テーマはズバリ賃金で「韓国でもっと女性が受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ」をベースに据えて色んな切り口でいかに女性の賃金が男性に比べて失われているか?データ、文献を駆使して想定される男性側からの反論を1つ1つ論破していく。前述のとおりしんどい気持ちになるのは「男の考えは間違っている」という話の連続だから。自分自身が女性差別的ではないと思っていても、心の中に巣食っている無意識の差別意識をグリグリほじくり返されている感じがした。つまり「それは思い込みなのでは?」とか「被害妄想なのでは?」と思ってしまう瞬間があったということ。実際、本著の中でも男性の無意識のバイアスにまつわる実験結果も紹介されており、相当気にしていないと自分がセクシズムな振る舞いを取りかねないなと思う。そもそも歴史的に男性偏重社会が続いてきたので、どこかで相当程度思い切り舵をふらないと本当の意味での平等を達成し、性差別が無くなることはないと痛感した。 また生きていく上で必須である家事を含むケア労働を女性が負担することへの対価について、社会全体が安く見積もり過ぎているという話はまさしくその通りだと思う。つまり制度だけ変更したとしても解決するのは表面上のことだけで、やはり男性を含む社会全体で共通の課題だと認識しないと前に進まない。今もたくさんの女性が何かをあきらめているかもしれないけれど、その瞬間を減らしていく、ゼロにしていくことをあきらめないために少しでも自分の意識を更新することに気をつけたい。最後に特にグサっときたことを引用しておく。 特定のポジションをめざした女性がせざるをえなかった努力、身につけざるをえなかった能力は、女性でなくても必要だったろうか?それだけの力量やガッツのある女性がセクシズムに対抗するためにエネルギーをさかなくてすんだら、他になにか別なこと、あるいはもっと多くのことを実現できなかっただろうか?そして、そのポジションにつく女性の数はどれほど多かっただろうか? 進入路が遮断されているのを見てそれ以上進むのをあきらめた女性の決断を、完璧に個人の選択だとする態度には相当な欺瞞がある。
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・差別は、「女性だってできる」を誰かが証明したときでなく、そのことばが「男性だってできる」に言い換えた時と同じくらい変に聞こえるようになった時に、初めて姿を消す。 ・「管理職は男性ばかり=さしたる理由もなく男性に重責が任されるようになっている」ことの例 15人くらい(男は1人)...
・差別は、「女性だってできる」を誰かが証明したときでなく、そのことばが「男性だってできる」に言い換えた時と同じくらい変に聞こえるようになった時に、初めて姿を消す。 ・「管理職は男性ばかり=さしたる理由もなく男性に重責が任されるようになっている」ことの例 15人くらい(男は1人)で作業中、来賓が来ることになり来賓を迎える役(=最も目立つ栄誉ある管理者的役目)は流れで当然のように男性になった。筆者も全くそれをおかしいと思わなかった。彼にその適性があるのか、その根拠はなにか、誰も何も尋ねなかった。あまりに当然のように序列が決まった。もちろん、女性の誰かがやろうと思えばできただろうが、男性がすぐに立ち上がったときにくらべ多少の不自然さがうまれただろう。 ・女性は、男性よりも大きな成功をおさめないと同じ職級にいけない。(学校の先生、女性の方が多いのに校長になると、あれ?) 管理職は男性ばかり。「なんとなく男はこのくらいの待遇にしておくべき」という心理、男だけじゃなく女にもある。こうした固定観念は、自分の意思を超えてもっと強く作用する。 ・女性が多い職種は低賃金が多い。この問題を論ずる時、1人の女性がその職業を選ぶ際に社会的プレッシャーが大きく作用したのか、自ら選択したのかを判断することはそれほど重要ではないし、そもそも不可能。重要なのは選択肢が様々な限定されている現状。 ・「ガラスの天井」とは、女性の昇進を阻む障害物がガラスのように透明で、あたかも存在しないかのように見えないかたちでおかれているという意味。 「割れば壊れる障害物」という意味ではない。 ・「男は家長だから女性より多くの賃金を与えるべき」という考え方。「家長だから」であるならば逆に同一賃金にしなければならない。シングル家庭が沢山ある今日。
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