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心が挫けそうになった日に 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2021/01/28 |
JAN | 9784101147345 |
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心が挫けそうになった日に
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心が挫けそうになった日に
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
かつて「徹子の部屋」に五木寛之さんがゲストで出られた時、戦争の話になって涙ぐむ黒柳さんに五木さんが「貴女はまだ流す涙があるからいい」と話した言葉がずっと頭に残っていました。 この本を読んで、五木さんの壮絶な忘れられない体験と共に生きてきた人生を思いました。 話を聞いた高校生たちに...
かつて「徹子の部屋」に五木寛之さんがゲストで出られた時、戦争の話になって涙ぐむ黒柳さんに五木さんが「貴女はまだ流す涙があるからいい」と話した言葉がずっと頭に残っていました。 この本を読んで、五木さんの壮絶な忘れられない体験と共に生きてきた人生を思いました。 話を聞いた高校生たちにも、今はピンと来なくても、この先にああいうことだったのかと分かる時がいつかきて、聞いておいてよかったと思えるのではないかと。 貴重な講演を再録してもらえて、共有できたことに感謝です。
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東京都代表として五年連続で出場していた冬季国体への出場が、今年は厳しそうで。自身や家族のスケジュールの関係で練習時間が例年通りには取れなかったり、元日本代表という経歴を持つ選手が突如として華々しく現役復帰したり、一回り以上も年の離れた若い選手たちと戦わなければいけなかったり。励...
東京都代表として五年連続で出場していた冬季国体への出場が、今年は厳しそうで。自身や家族のスケジュールの関係で練習時間が例年通りには取れなかったり、元日本代表という経歴を持つ選手が突如として華々しく現役復帰したり、一回り以上も年の離れた若い選手たちと戦わなければいけなかったり。励ましてくれる優しい人たちの声も耳には入らず、うまくいかない理由ばかり思いついて、万が一のチャンスに賭けようという前向きな気持ちに全くなれずに悶々と日々を過ごした。予想外のことがたくさん起こり、もうこれ以上頑張れないと思うたびに自分を奮い立たせてなんとか最後まで頑張ろうと言い聞かせた。何ひとつ大丈夫なことなんかないのに全然大丈夫ですみたいな顔をし続けなくてはいけないのはしんどかった。試合の一週間前にはもう精神的に限界だった。だからこの本を借りて、心の準備をした。もしだめだったらこれを読もう、いったん落ちるところまで落ちるかもしれないけれどこれを読んでなんとか這い上がろう。結局、悲しいことがあったときに自分以外の誰かがなんとかしてくれる年齢やフェーズはもうとうに終わって、自分のことは自分でなんとかしなければいけないのだから。そう思いながら、心が挫けるとわかっている日に向かってただひたすら突き進むしかない毎日は辛かった。日常が容赦なく心を蝕んだ。朝起きるところから胸が苦しく、何をしていても心が完璧に晴れやかになる瞬間はなかった。でも、この本が常にそばにあったから、なんとか試合当日、ゴールを切って予選敗退が現実のものとなったあの瞬間まで、最後のほんの一筋の希望だけは捨てることなく踏ん張ることができた。そして一週間分の心の準備なんか何の役にも立たず、私の心はボッキリと挫け、予定通り深い闇に堕ちた。 試合のあと、しっかり用意していたにもかかわらず本を手に取るまでに二日かかった。何もしたくなくて、動きたくなくて、今まで経験したことのない無気力状態に陥っていた。三日めにやっとページを開いて数日かけて読み終えたあとも、すっきり晴れやかな気持ちになれたかというともちろんそんな簡単なものではなかった。相変わらずどんよりとした気分は抜けないし、なるべくなら立ち上がりたくない気分のままだった。それでも、五木さんご自身の体験に基づく語りは胸に残った。生きていれば誰でも鬱状態に陥ってしまうことはあり、それを乗り越えるきっかけになるものは日常的な出来事や会話の記憶がもたらしてくれること。ただたくさんのことを経験すればいいわけではなく、些細な出来事の中から、自分の気持ちを上げてくれる要素を見出す力を身につけることが大切であること。たしかに、これを書いている今も正直まだしんどいけれど、振り返ってみれば、試合に向かう日々の中で温かい言葉をかけてくれた家族や友人はたしかにいて、彼らとの楽しかった記憶もあって、そういうことを思い出せば思い出すほど、氷のように固まった心が少しずつ融解していくような気がしてくるのだった。完全に元の精神状態に戻れるまでどのくらい時間がかかるか今はわからないけれど、この人生を終わりにするという選択を排除する前提であるなら、なんとかして乗り越える努力をしなければと今は思う。
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五木寛之「心が挫けそうになった日」、2021.2発行。視線を低くして生きる、それでも人間を信頼する、転がる石として生きる、の3つの章立てです。「70歳年下の君たちへ」を改題したもので、若者に対する著者の存念が吐露されています。私にとって一番心にグサッと響いたのは、敗戦時に囚人部隊を第一陣とする酸鼻を極めたソ連軍の暴行略奪の話です。戦争に負けたことがなかった日本人にとって、呆然自失の出来事でしょう。今の日本、災害、病気の災難は避けがたいものがありますが、干戈を交ゆることのない70数年、有難いと思います。
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