スウェーデン福祉大国の深層 金持ち支配の影と真実

近藤浩一(著者)

• 販売会社／発売会社: 水曜社
• 発売年月日: 2021/01/23
• JAN: 9784880654928

商品レビュー

2024/10/20

・日本人の方が勤勉。高い失業率。低すぎる安全性への意識。高い医療費・低い医療・福祉サービス。下がる教育レベル。儲かる環境ビジネス。軍事産業。富豪一族の支配（ヴァレンベリ家）

2024/08/19

スウェーデンと言うと多くの国が理想とする福祉国家、自分なんかまるで桃源郷のようなイメージを持っていたけどこの本に書かれている内容が真実ならば180度印象が変わった。
少数の金持ち一族が支配する半社会主義国家と言ったところかな。考えてみれば東京都にも満たない人口であれだけの存在感を誇示している訳だから限られたエリート層が牽引していくような体制じゃないと物事前へ進まないか。

2023/11/04

スウェーデンの表向きは①環境に優しい、②先端技術、③平和を尊重という穏健なイメージに見えるが、他方で、①脱原発方針を打ち出しながらコロコロ変わったり、火力発電所を他国に売却しながら二酸化炭素の排出を減らしたわけではないとか、②先端医療技術は世界水準である者の、巷にある医療機関の医療技術はとてもじゃないが良質とは言えないレベル、③一定の輸出規制を前提に武器を他国に売却しているが規制が機能せず、あろうことか紛争地で使われているなどなど、建前と実態のギャップが幾ばくか存在するようである。
総じてみると、この国は自国をブランド化することに長けている感じがする。
このブランド化戦略の一つとして教育分野に見られるようだ。
本書にはスウェーデンの大学に来る外国人留学生の生活環境を厚遇していることが見受けられる。
元々先端技術のエリアにお金をジャンジャン投資しているので先端を求める人材は集まり、先端技術は発展するかも知れないが、他方で市井の庶民にはお金が回らず、例えばここでいう住宅事情も医療も貧弱な現状が浮かび上がる。その犠牲の上に成り立っている。
そうした外部の人間を国家が豊かに厚遇すれば、おのずと外部から来る留学生にはスウェーデンの良好なイメージが自然と刷り込まれる。
こうして彼ら留学生が自国に帰国すると、スウェーデンの良いイメージを発信することにもなる。
彼ら留学生はスウェーデンの広報マンになる側面もあるようだ。
日本が留学生を取り込む理由もそうした裏事情があるのかなと思うといろいろ参考になる話です。