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地域衰退 岩波新書1864
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2021/01/22 |
JAN | 9784004318644 |
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地域衰退
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地域衰退
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
<目次> 第1章 地域はどれくらい衰退したか 第2章 衰退のメカニズム 第3章 衰退の「臨界点」 第4章 「規模の経済」的政策対応の問題点 第5章 地域衰退をどう食い止めるか <内容> 第1~4章は日本の地域経済・政治を冷静に緻密に分析する。第2章の長野県須坂市、岐阜県王滝村、第3章の群馬県南牧村などの生々しい例も。ただ第5章がやや薄い。具体例(成功例)が少ないということか、日本の地方経済、政治の立て直しはかなり難しいのだろう。そもそも民主主義や資本主義がすでになじまない状態になっているのかもしれない。
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地域衰退。 客観的に論じ、 精神論でなく分析的にこの先を見据える著書だと思い、 購読。 また、事例としている地域が、 著者の故郷であるという長野県の市町村であり、 私の記憶にも符合するものがあった。 2つの点で思考を深くした。 1. 地域の企業がいなくなると、地域経済は落ち込む。 しかし、だからと言って 「誘致しよう」と傾倒するのは違う、と言いたい。 これまで、「○○城下町」に胡坐をかき、 その企業に依存して、リスクヘッジを持たなかったから、 その地域は「衰退」したのだ。 企業は、ある土地固有の資源に基づいていない限り、 どこでも生きていける存在と考えるべきだ。 地域固有の資源に根差した、根を張った産業でなくては、 その地域を永続的に支える産業にはならない。 2.「衰退」という表現は正しいのか。 本書への批判となるが、私は大事な問題提起だと考える。 果たして、今地域で起きているのは「衰退」なのか? これまで私はいくつもの地域政策に関する本を読んだり、 実際の地域をいくつも見てきた中で、 人口減少や「過疎化」を、「衰退」と捉えることが間違いだと考えている。 人口減少は単なる変化であり、ある意味必然なのだ。 日本の可住地面積は主要な先進国に比べて小さく、したがって人口密度は高い。 「なぜ人口が減ってきたのか」といえば、 今の社会システムは今の人口規模と人口増に適していないから、 人口の方がシステムに合った姿に変化していくということなのだ。 その調整局面が今であり、シン・ニホン(安宅和人 著)によれば、 人口減少はおそらく2100年くらいまで続き、日本の人口は4,000~5,000万人まで減る。 だから人口減少は、別に悲劇でも何でもない。 ついつい人間は、特に日本人は、そうしたことを「衰退」「下り坂」などと、ネガティブに捉えるが、 環境・社会システムに対して、人口が適正な規模へキャリブレーションされつつある局面にすぎないのだ。 むしろ、青天井でいつまでも増えていくことの方が不自然でおかしいし、恐ろしい。 適正な揺り戻しの開始という人類史上初の、歓迎すべき歴史的な局面に、我々は立ち会っているのだ。このことを光栄に思う。 だから、今考えるべきは、その変化にあった社会のあり方に変えていくことだ。 具体的には、インフラとその維持更新費用は、 明らかにこれからの人口に見合わないものであるから、 これらは身の丈に合った形に変えないといけない。 本書の「総括」の要素は良い。 例えば、リゾート開発や企業城下町などへの依存、 人口や入込客への希望的観測など。 しかし、総括の方向性が誤りだ。 つまり今の状況を「衰退」と捉えているということは、 これまでの人口増時代のやり方を肯定しているということであり、 総括として矛盾することになる。 私が考える適切な総括としては、 「人口増だけを至上とし、それが永続的に続くと盲信して、 持続不可能な財政・地域経済の構造にしてしまったので、間違いだった」 とシンプルに述べればよい。 そして、今起きている変化については、 「現状の環境や経済規模に見合う適切なサイズに 人口が調整されつつある局面なので、 それに見合ったサイズに社会インフラや制度を見直す必要がある」 という方向性で、今起きつつある新しい動きを助長すべきだ。
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地域衰退について、いくつかの側面から考察し、提言を行っている。 ただ、全体としてさまざまな資料をもとにした現状分析に終始している感がある。著者の主張をより強調した方がよかったのではないか。
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