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囚われし者たちの国 世界の刑務所に正義を訪ねて
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 紀伊國屋書店 |
発売年月日 | 2020/12/25 |
JAN | 9784314011792 |
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囚われし者たちの国
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著者は「刑務所から大学へのパイプライン」というプログラムを実施している白人の女性教授。修復的司法を進める立場で、世界9ヶ国の刑務所をめぐる。横になって寝る場所もなく、綺麗な水を得るのに性行為をしなければならない刑務所から、快適なサマーキャンプのような刑務所までその環境は様々である...
著者は「刑務所から大学へのパイプライン」というプログラムを実施している白人の女性教授。修復的司法を進める立場で、世界9ヶ国の刑務所をめぐる。横になって寝る場所もなく、綺麗な水を得るのに性行為をしなければならない刑務所から、快適なサマーキャンプのような刑務所までその環境は様々であるが、収監される者にとってそこが「時が止まった場所」であることには変わりない。刑罰的に閉じ込めておくことは、被収容者の社会に対する憎しみや恨みを増幅させ、その結果新たな犯罪を産むことになる。応報ではなく修復を、と説く本。 ここから雑感。先に読んだ、司法は被害者に代わって仇を討つシステムであるという『死刑賛成弁護士』とは対極にある本だった。ジェノサイドの恨みを乗り越えようとしているルワンダ。ウトヤ島で69人を射殺した犯人に対し禁固21年でよしとするノルウェー。それらの国々と、日本の「被害者感情」の違いは何だろう。数だろうか。なぜ自分だけこんな目に?という思いが、受けた傷を共有できないことが、被害者をさらに苦しめるのではないか。
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被害者と加害者が和解し、許しを与える・・・そんなことができるのか、本当に? タイでは僧侶に慣れない女性は「現世に生きるもの」男性は「来世に生きるもの」とし、家計を担う重責は女性にある。 ブラジルやルワンダも含め、ほとんどの囚人は黒人や有色人種、先住民という、政府が囚人を作り出...
被害者と加害者が和解し、許しを与える・・・そんなことができるのか、本当に? タイでは僧侶に慣れない女性は「現世に生きるもの」男性は「来世に生きるもの」とし、家計を担う重責は女性にある。 ブラジルやルワンダも含め、ほとんどの囚人は黒人や有色人種、先住民という、政府が囚人を作り出している。そういう政情不安定な国だと加害者(囚人)の人権や、出所後のキャリア、大学進学への支援などが理解されやすい。しかし、一応先進国で、法律や警察というものがある程度機能している日本では、どうしても世論的には加害者(囚人)が95~100%悪いとされがち。そんなものに税金を使うなと反発を食らうだろう。 以下、6章以降の国についてメモ。 ⑥オーストラリアの民間刑務所 ワンドゥ(軽犯罪を犯した18~24歳の若者用) イギリス企業サーコによる運営 外のフードバンクで働いたり、自主性が重んじられる 過去の刑務所の博物館(フリーマントル刑務所)がディズニーランド化していることを憂う著者。刑務所はもっと重苦しい雰囲気のところでなければならない。。そういえば、網走の刑務所はそんな雰囲気だったな。 ⑦シンガポール チャンギ刑務所 就職率の高さ、あっせんの参考(実はほとんど肉体労働) 主に小売り、飲食、観光業 厳しいむち打ちなどの刑罰 ⑧スウェーデン バストイ刑務所 自由で人道的な開放型刑務所 小規模で定員50人未満が大半 再犯率は20%で効果を上げている? マイケルムーアのドキュメンタリー映画「シッコ」 (映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』の本編映像<ノルウェー編>https://www.youtube.com/watch?v=9R6Y0rVQ0_o こっちか?) ドキュメンタリー映画「The Norden」2014 アメリカの元刑務所長がノルウェーのハルデン刑務所を見学する ”誰かを「矯正」する力が最も強いのは、その誰かを愛している人たちだ。”p399 2011年に爆破テロで8人、69人の若者を射殺した犯人ブレイビクの刑期も最高刑の21年。ハルデンのような環境の刑務所に収容され通信教育で大学の講座を受けている。 ☆著者の主張 医療と同じで治療より予防。もとから刑務所がいらないように、失業と不平等を減らすべき。収入格差の大きい社会は殺人発生率が4倍近くになることが示されている。薬物犯罪者には刑罰より防止や治療を。精神疾患患者には刑務所ではなく精神科病院を中心とした対策を。薬物以外の犯罪には、服役の代わりに罰金や作業刑を。どうしても社会の脅威となる人間に対しては、今までの「刑務所」とは違う「介入施設」のようなものを作る。懲罰より更生重視。自己と対峙し、いかにまずい選択をしたかをかみしめる機会。傷を癒すことにつながるプログラム(音楽、演劇、読書、文章作成)はすべて実施される。出所したあとは過去の犯罪歴がオンラインや面接等で知られないようにし、企業への減税措置などで雇用を促進する。 ブラジルの読書プログラムは興味深い。タイのヨガや演劇ワークショップは、日本では取り入れずらそうだな。。いろいろな国と比較すると、日本の刑務所は更生というより懲罰の面が強い気がする。 訳者があとがきで書いている下記は本当にそうだと思う。当たり前というか、深く考えたことがなかった。犯人を憎む感情について疑ったこともなかった。たしかに、自分の身内を殺されたわけでもないのに不思議だ。別に被害者に同情しているわけではなく、遠慮なく攻撃できる相手が欲しい、自己満足の正義感に浸りたいという理由のほうが大きいのだろう。実際テロにあえば、誰もが他人を差し置いて真っ先に逃げるだろうし。 ”日本では厳罰化への流れが進んでいるようだ。ニュースサイトのコメント欄を読めば、実際の被害者ではない大勢の人が、犯人を憎み、その厳罰を願って、呪詛にも似た言葉を吐き連ねている。まるで、司法がまさしく復讐の場であるかのように。”p440
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きっかけ 「ショーシャンクの空に」を観て、刑務所の意義は何か、贖罪とは何かを学びたいと思ったから。 前提 刑務所はアメリカから輸出された資本主義の産物であることや、映画で観た劣悪な環境は過去の遺物ではなくまさに今も発展途上国で起きている。 感想 ●犯罪者も被害者 犯罪というと...
きっかけ 「ショーシャンクの空に」を観て、刑務所の意義は何か、贖罪とは何かを学びたいと思ったから。 前提 刑務所はアメリカから輸出された資本主義の産物であることや、映画で観た劣悪な環境は過去の遺物ではなくまさに今も発展途上国で起きている。 感想 ●犯罪者も被害者 犯罪というと1人の凶悪な人物がいて、自分たちからは想像もつかない身勝手な理由であるいは理由もなく罪を犯すのではないかと想像してしまう。しかし実際は、彼らもまた心に傷を抱えた被害者であり、その傷は白人の利益を叶えるべく作られた社会構造によるものだ。 ●囚人というレッテルの恐ろしさ 囚人の多くは非暴力的行為、未決状態での投獄だ。しかし囚人というレッテルは殺人犯も何もかも同じ悪人として括り、非合理的な刑罰を受けて当然だと世間に思わせる。実は彼らは私たちとの間に大きな差はない。 ●状況の打破 たまたま明確なハンデを背負って生まれついたとしても、自分の選択に対する責任を持たなければいけないこと、一度はまった犯罪の連鎖から自分を断ち切ることは非常に難しい。本当に自分自身に、周囲に向き合わなければいけないから。社会が彼らにチャンスを与えないから。その残酷さな事実が鋭く胸に刺さる。 ●教育、芸術の可能性 教育は人を奴隷には適さない存在に変える。芸術はありのままの自分を表現する自由を与える。それによって初めて、自分に何が与えられたかを超えて、自分がどうありたいかを模索できる。 自分を振り返って ●教育とは これまでは当たり前のように教育を受けてきた。それは私にとって順位の張り出しや受験など、常に競争を伴うものだった。勉強自体は嫌いではなかったし、やればやるだけ結果に結びつくからむしろ好きだった。 ただ、自分の興味の向くままに勉強したこともなければ、それが自分の人間性や将来を広げると意識したこともなかった。あまりにもったいなかった。 社会人になって自己の時間で本を読むにつれ、少しずつ自分の興味がどこにあるのかがわかってきた。それを大切にしながら、自分がどうありたいかを考えて過ごしたい。 ●社会の仕組み 社会は権力者の都合が良いように歪められて作られているということがわかった。自分はその不利な状況に立たされないよう、市場のルールをきちんと理解することが大切だと思った。
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