MMTは何が間違いなのか？ 進歩主義的なマクロ経済政策の可能性

ジェラルド・A.エプシュタイン(著者), 徳永潤二(訳者), 小倉将志郎(訳者), 内藤敦之(訳者)

• 販売会社／発売会社: 東洋経済新報社
• 発売年月日: 2020/12/18
• JAN: 9784492654927

商品レビュー

2024/10/01

MMTについては、よく理解できないこともあり、図書館で見つけた本書を借りて読んでみました。
が、やっぱり、よく理解できませんでした。

なお、本書のタイトルには「MMTは何が間違いなのか?」とありますが、本書のスタンスは、「MMTが間違っているかどうかが問題」というよりも、「MMTは議論が足りない」「MMTは実践例（適用例）が少ない（ほとんどない）」といったことが問題なので、もっと議論を深めていく必要があるし、実践例・適用例も増やしていくべき、ということで、様々な説明をしています。

本書の本編は自分には難しすぎました…。
自分に最も役立ったのは「訳者解説」であったことを、ここに白状します。

2021/06/16

国家が積極的な財政政策を行ううえで財源は必要ない、なぜなら中央銀行が主権通貨を発行すれば自動的にファイナンスされるから。これがMMT。この理論の問題点を挙げ検討したのが本書。
緊縮財政ではなく、GNDのような進歩主義的なマクロ経済政策を後押しする点ではMMTを評価しているが、MMTのマクロ経済政策がもたらす様々な影響、実行可能性や制限、米ドルの地位への懸念などからMMTへの疑念を説明する。

2021/04/19

MMTに関して、否定ではなく足りてない部分を指摘した本。
日本でMMTを推奨する人物にTPPでデマをばらまいていた人間などがいて胡散臭さを感じていたが、日本で翻訳本が出てるMMTの第1人者もちょっと不十分な部分が多い印象を持ちました。
不安定なマネー対策として国際資本移動規制を提案するが、MMT派からも信用創造がもたらす金融不安定性への具体的な言及は必要と思いました。
同様に、米国金融緩和策がもたらす開発途上国への悪影響に警鐘を鳴らすのはもっともで、開発途上国への気まぐれなホットマネーの移動規制は喫緊の課題でそもそもMMT派はどう考えるのか？と素直に思いました。