狸の腹鼓
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宇江敏勝(著者)

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狸の腹鼓

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新宿書房
発売年月日 2020/11/25
JAN 9784880084824

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2021/02/21

炭焼きの家に生まれ、林業労働に携わりながら文学を学んできた著者の民俗伝奇小説家シリーズの完結編。 大正、昭和を中心に熊野地方の山や里を舞台に炭焼きに従事する若者の淡い恋物語や、スペイン風邪が流行した当時の人々の様子を描いた作品など4編が収録されている。 100ページ以上にわたる表...

炭焼きの家に生まれ、林業労働に携わりながら文学を学んできた著者の民俗伝奇小説家シリーズの完結編。 大正、昭和を中心に熊野地方の山や里を舞台に炭焼きに従事する若者の淡い恋物語や、スペイン風邪が流行した当時の人々の様子を描いた作品など4編が収録されている。 100ページ以上にわたる表題作「狸の腹鼓」は、文通相手の女性と炭焼き小屋で過ごした一夜の思い出をベースに描いた自伝的恋愛小説。共産党への共感、沖縄の基地問題に関する日本政府批判、ベトナム戦線に関してのアメリカ批判も盛り込まれている。また、「山の作家」でありながら、貨物船に乗って甲板作業に従事し、乗組員と会話を交わすシーンは新鮮な感じがした。 「牛車とスペイン風邪」は大正時代に猛威を振るったスペイン風邪流行時、熊野街道を通って、行きは炭俵を運び、帰りは田辺からの米や味噌醤油などの食料品等を運搬する主人公を中心にした人々の様子を描いている。 「乞食」は断崖の岩窟に住み、近野村に時々現れる「オチアイ」と呼ばれる乞食のことが描かれている。住民たちが食うや食わずだった時代はオチアイも身近な気の毒な人間として同情され、施しを受けられた。だが、時代が変わり、人々の飢える心配がなくなると、オチアイへの思いやりも薄れた。生活保護の制度ができ、それを使えということになった。最後は皮肉な結末となり少し哀しみを感じた。 全体を通して、大きな起伏はないが、炭焼きの行程や山中での暮らしの描写は著者ならではのものがある。また、随所に出てくる主人公の淡い恋愛話が甘酸っぱく、ほのかな官能性を匂わす描きかたになっており、このことも本作品の魅力ではないだろうか。

Posted by ブクログ

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