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十五匹の犬 はじめて出逢う世界のおはなし カナダ編
定価 ¥2,090
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東宣出版 |
発売年月日 | 2020/11/27 |
JAN | 9784885881022 |
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十五匹の犬
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
表紙とタイトルから、明るいファンタジーものかな〜と思ったら、ある意味救いようのない悲しい話だった。 しかし考えさせられるところもある。 物語の構成も興味深い。 この物語の主な主人公は犬たちだが、同時に人間の物語でもあり、様々な神々のやりとりが面白い寓話的な物語でもある。 犬と人間...
表紙とタイトルから、明るいファンタジーものかな〜と思ったら、ある意味救いようのない悲しい話だった。 しかし考えさせられるところもある。 物語の構成も興味深い。 この物語の主な主人公は犬たちだが、同時に人間の物語でもあり、様々な神々のやりとりが面白い寓話的な物語でもある。 犬と人間と神。 その立場の相違や、関係性の類似点などが面白い。 物語はブクログのあらすじ通り、神アポロンとヘルメスの遊興から始まった。 トロントのレストランバーで飲んでいたアポロンとヘルメスは、人間の性質についてとりとめのない話を始め、展開は動物が人間の知性を持ったとしたらどうなるのか。人間より不幸になるのか幸せになるのか、に至る。 最終的に選んだ動物のうち一匹でも死ぬときに幸せだったらヘルメスの勝ち、全員不幸に死んだらアポロンの勝ちということで賭けをすることにした。 戯れに始めたその賭けのために、アポロンとヘルメスは、たまたま近くの動物病院にいた十五匹の犬に、人間と同じ知性を与えることにした。 その犬たちの末路は……… 突然知性を与えられ、色までも見分けられるようになった犬たちは、最初混乱する。…いや、最後まで混乱していたかもしれない。 十五匹の犬の中でも特にキーマン(キードッグ?)となるのが、彼ら群のリーダー格となったアッテカス、思慮深いマジヌーン、一番変化を快く受け入れたプリンスの3匹である。 彼らの最期も、三者三様。 また、人間にも様々な人間がいるように、犬たちの知性に対する感情や考えも実に様々だった。 そのために多くの悲劇もあった。 知性を持ちながらも、あくまで彼ら彼女らは「犬」であり、当然ながら、知性を得てもその感覚は犬のものであり、人間のものではなかった。 悲しい話ではあるが、知性を得ることによって、犬が新たな言語を獲得する、感情を獲得する、その辺りが読みながら新鮮であった。 理由として、動物バラエティ番組や漫画・アニメなどで、安易に人間の言葉や習慣、文化、感情を犬や猫が当然のように理解している前提で、人間の言葉で(彼らの思っていることを安易に、人間に都合よく想像して)内声させる風潮に、疑問を持っていたからだ。 その点この作品は、まず前提条件として神が犬に知性を与えたうえで、犬と人間は、たとえ知性を持てども、習慣(習性)や考え方が異なる故に、知性を持った犬とそれを承知したうえで飼っている飼い主の間ですら相互理解が難しいことを表している描写などがあり、新鮮であり、考えさせられる。 知性がありながらも、犬としての本能ゆえ悩む犬もいれば、悩むこと・考えることを投げ出す犬もいる。 犬らしくあろうとして、逆に犬とも人間ともかけ離れた異様な存在になってしまいもする。 生々しいほどの、犬たちの中で渦巻く感情に引き込まれ、もし知性を与えられた彼らの世界に人間がいなかったら、知性ある生き物が地上でこの犬たちだけだったら、この物語はどうなっていたのだろうとも思った。 さて、この物語の中には、15の詩が登場する。 最後の訳者解説まで気が付かなかったが、それらの詩の中に、ランダムに知性を与えられた15の犬たちの名前が忍ばされているというのだ。 訳者は日本語にもその意を反映させたとのことでいくつか詩を見つけて読み返してみると、確かに。 「犬のための詩」というだけある。 また原書はオーディオブックも出ていて、作者自身が朗読しているとのこと。 本書では犬が犬なりに人間の言葉を話すシーンもあり、作者はいかにも犬らしく発音しているとのことで、大変興味深い。 ちょっと調べてみようと思う。
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作品紹介にあるように、知性を得た15匹の犬が死の瞬間に幸せかどうかについてのおはなし。 犬好きの私、タイトルに惹かれて読み出して後悔。 つまるところは15匹の犬の死を読むわけでして辛すぎ of the year. マジヌーンのおかげで電車で号泣したよ…あかんやで でも最後の...
作品紹介にあるように、知性を得た15匹の犬が死の瞬間に幸せかどうかについてのおはなし。 犬好きの私、タイトルに惹かれて読み出して後悔。 つまるところは15匹の犬の死を読むわけでして辛すぎ of the year. マジヌーンのおかげで電車で号泣したよ…あかんやで でも最後の1ページで救われた、ありがとう作者
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カナダ、トロントのバーでアポロンとヘルメスが飲んでいた。そして二人は賭けをすることにした。犬が人間のように知性と言葉を持ったら幸せになれるか。そして近くの動物病院にあずけられていた15匹の犬に知性を与えた。大小様々な犬たちはどうなるのか。亡くなるとき一匹でも幸せだったと思うのだろ...
カナダ、トロントのバーでアポロンとヘルメスが飲んでいた。そして二人は賭けをすることにした。犬が人間のように知性と言葉を持ったら幸せになれるか。そして近くの動物病院にあずけられていた15匹の犬に知性を与えた。大小様々な犬たちはどうなるのか。亡くなるとき一匹でも幸せだったと思うのだろうか。 自分たちの知性に気が付き、しかし群れとして圧倒的な上下関係の中で生きていく犬たち。最後まで群れとして生きていくもの、自分の知性を理解してくれる人間と住むことを選ぶもの、それぞれの生き方を全うした時幸せを感じる犬はいるのだろうか。 もっと楽しい話かと思って読んだら、とんでもなかった。それにしても、ギリシャ神話の神々が現代のトロントで酒を飲みながら知性を授けてしまうなんて!キリスト教の神ではなく、ギリシャ神話というところが、選択肢として成功していると思う。 でもやっぱり、勝手に選ばれた犬たちは迷惑だったと思ってしまう。
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