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ニコール・パンティルイーキス(著者), 千葉茂樹(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 あすなろ書房
発売年月日 2020/11/24
JAN 9784751530320

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2021/05/15

ノヴァは宇宙が好きな13歳の女の子。 幼いころに母親と別れ、たくさんの里親の元を転々と過ごしてきた。 ノヴァの中には物事を心で見て表現する力と 天文学の知識がいっぱい詰まっていたが 自閉症を抱え、言葉(書いたり、話したり)で表すことが難しかった。 そのため、ソーシャルワーカ...

ノヴァは宇宙が好きな13歳の女の子。 幼いころに母親と別れ、たくさんの里親の元を転々と過ごしてきた。 ノヴァの中には物事を心で見て表現する力と 天文学の知識がいっぱい詰まっていたが 自閉症を抱え、言葉(書いたり、話したり)で表すことが難しかった。 そのため、ソーシャルワーカーには 「読めず、話せず、重い知恵おくれ」と認識され、 里親にも理解されてこなかった。 そんな中、 4つ上の姉ブリジットだけはノヴァの気持ちをわかってくれていた。 そんなブリジットがある日忽然と姿を消してしまうことから物語は始まる。 「チャレンジャーの打ち上げには必ず戻ってくる」 姉の言葉を信じてノヴァは待ち続ける。 そして、打ち上げ当日、ノヴァに起こったこととは…。 ブリジットの不在という謎から始まり、 ノヴァの心の言葉を頼りに進む物語。 真実が明かされながら、スペースシャトル・チャレンジャーの打ち上げまでの10日間のカウントダウンが物語を盛り上げる。 校長先生がノヴァにゆっくり話しかけ、ノヴァは普通に話してほしいと思っているズレ。 ソーシャルワーカーがノヴァの笑い声を奇声だと理解しているズレ。 ノヴァの思いが理解されず、他人には奇妙に感じられてしまうたくさんのことが、俯瞰とノヴァの視点と交互に描かれていくので、視点が変わり気持ちがどんどんノヴァに寄り添っていった。 新しい里親のフランシーンとビリーが本当に温かい。こんな大人でありたい。 次々に悲しいことがあるが、ノヴァはゆっくりでも、着実に前へ、強く、進んでいく。 そしてラスト、一気に物語は展開し、胸がギュッとなったが、最後の最後にタイトルの意味とノヴァの言葉に強く胸を打たれ、この本を読んでよかったという満足感に浸った。 可愛い表紙だが、読み応えのある一冊。

Posted by ブクログ

2021/03/14

ナサベアを抱きしめた少女、ノヴァ。 彼女は姉のブリジットを待っている。 ブリジットだけは、ノヴァの言いたいことをわかってくれた。 他の人みたいに「重い知恵遅れ」なんて言わなかった。 約束したんだから、チャレンジャーが打ち上がるのを一緒に見ようって。 ノヴァは言葉がうまく出ない。...

ナサベアを抱きしめた少女、ノヴァ。 彼女は姉のブリジットを待っている。 ブリジットだけは、ノヴァの言いたいことをわかってくれた。 他の人みたいに「重い知恵遅れ」なんて言わなかった。 約束したんだから、チャレンジャーが打ち上がるのを一緒に見ようって。 ノヴァは言葉がうまく出ない。ノヴァは文字が書けない。ノヴァは感覚過敏。 だから、特別支援学級で過ごす。 本当は宇宙のことならなんでも知っているけれど、周りからは「キーッ」という声にしか聞こえない。 私答えられる!と思ってアピールしても、「興奮しているのね。でも静かに」だなんて! この物語はチャレンジャーの物語。 自閉症は治らない。 グラデーションのようにできること、できないことがある。 周りは健常者と比べるから、この子は何にもできないね、となる。 でも、心の中では彼女たちは伝えたいことがたくさんたくさんあるはずだ。 私たちには、わからないことばで。 読み進むほどに胸がチクチクいたむ。私は、あの子達を理解できているだろうか? 結末はとてつもない悲しみと、それを補おうとする愛の存在を示唆して終わる。 障害児との暮らしは楽ではない。 綺麗事を言われると腹が立つことだってある。 それでも、私たちはわからないから分かろうと努力する。 もしその思いが今は届いてはいないとしても、いつかは、きっと。 私たちはチャレンジャーであって「チャレンジャー号」じゃない。 ともに歩もう、この青い惑星の大地を。 ともに目指そう、果てしない夢を。

Posted by ブクログ

2021/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ノヴァは自閉症をかかえる12歳の女の子。聡明だが、発話障害があるので、ヘルパーや学校の教師から「知恵遅れ」だと誤解されてきた。ノヴァと姉のブリジットは、何人もの里親の家やグループホームを転々としてきた。ノヴァは、最近あたらしい家にひきとられ、その家の夫妻はとてもよくしてくれるけれど、今までずっと一番の理解者だった姉のブリジットがすがたを消してしまったから、不安がつのる毎日だ。 舞台は1986年のアメリカ。ノヴァとブリジットは宇宙が大好きで、以前からスペースシャトルチャレンジャーの打ちあげを心待ちにしていた。打ちあげの日にはきっとブリジットが帰ってきて、いっしょに中継を見てくれるはず。だってそう約束したから……。  ==================== 悲劇に終わることのわかっているチャレンジャーの打ちあげが迫るにつれ、読んでいてもハラハラしてしまう。しかもそれに追い打ちをかけるような衝撃の事実が。 全編をとおして、うまく発話できないノヴァのもどかしさが伝わってくる。周囲の人たちの理解力と注意深いまなざしが、どれほど大切なものかもよくわかる。 姉のブリジットは「ヤングケアラー」だったんだなあ。切ない。新しい里親になるフランシーンとビリーの愛情もあいまって、最後は涙でした。

Posted by ブクログ

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