アポロンと5つの神託(4) 慢王の墓 パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々シーズン3

リック・リオーダン(著者), 金原瑞人(訳者), 小林みき(訳者)

• 販売会社／発売会社: ほるぷ出版
• 発売年月日: 2020/11/20
• JAN: 9784593535279

商品レビュー

2021/07/28

　メグもアポロンも人間的成長が見られ、主従関係が変化してきた。
　ただ、アポロンは因果応報。神としてのヒュブリス（傲慢）から犯した過去の罪が、現在の冒険を過酷に染め上げてしまう。
　以前から、ギリシャ神話の神罰は量刑不当だと感じていた。アテナのアラクネへの仕打ち、アポロン・アルテミス兄妹でいえばニオべ母子への仕打ち等々。
　クライマックスは、ここでシリーズが終るかのような盛り上がり。最終巻に向けて期待が高まる。
　なお、悪役の一人タルクイニウスは『吾輩は猫である』で七代目樽金（たるきん）と紹介されていた。

2021/01/04

予約順位1位で借りてきました！
相変わらず憎めない少年レスターこと、アポロン。

今回の表紙にはアポロンとメグの他に二人描かれていて、誰なのかしらと思っていましたが、赤毛っぽい方がクロスボウの使い手ラビニア、かな？？ もう一人は2章読了時点ではまだわかりません。

またしてもレスターの贅肉についての言及。表紙に描かれたレスターは痩せ型に見えるのですが。これは日本のイラストレーターさんが描いたもので、著者の指示があったわけではないとして。あったとしても、サービス精神旺盛な著者がすぐにOKを出してくれたとして。実際どう言うイメージで読めば良いのでしょう。アポロンの感覚からすると、一般人の痩せ型でも贅肉が気になる、ってことでいいんでしょうか。皮肉で大袈裟に言っている、お茶目さと言うか。既刊の感想でも毎回この話題に触れてる気がしますけどね。

アポロンとメグとの関係が本当に刺さります。ちぐはぐながらも絆を深めあって来た仲間。大人と子どもの友愛に弱いかも。人として生きることでアポロンの成長っぷりがみられるのも嬉しい。

久々のタイソン。相変わらず可愛らしい。カタコトキャラに弱いので、エラとのコンビは最高です。

ラビニア、第一印象よりもずっと落ち着きのないキャラクターみたいですね。どちらかと言うと、しっかり、おっとりした子かと思ったのですが。髪もピンク。ファンキーな雰囲気なのかな。ハーレイ・クインのような？

クマエのシビラとアポロンの呪い。神らしさ全開ですね。一方レイナとウェヌスの呪い。こちらは全てを見越してのことだとすれば、ウェヌスの予見能力は凄いですよね。愛が呪いを洗い流す。ベタではありますが。アポロンもとい、レスターくんのお相手はレイナと言うことですか。だとしたら二度とアポロンには戻らない？

アポロンを心配するメグと、メグの心情を察してゆくアポロン。最高ですね。絆かわいい。語彙を失う。好きな関係。擬似親子。いや、擬似兄妹か。

ラビニアに意外な展開。この後何か二転三転ありますかね。最終巻までに。

メグは大人びましたね。レスターと共に急成長した。他人の心の機微など、見抜き、更にはそれをそれとして呑み込めるようになった。

アポロン時代の話は女性陣にとって地雷と言っても良いものばかりですから、この辺りはもう言い訳できませんよね。全ての神々に人間体験してもらった方が良いかもしれない。

ちょっと誤植が増えてきましたかね。

くったり眠る、と言う表現が何故か可愛く感じます。ぐったりではなく。くたくた。くったり。

ユニコーンと爪やすりの組み合わせは最強ですね。
石像と野生児の組み合わせも。

タルクイニウスの時代、猫、いなかったんですかね？？ 出生年はわかりませんが、紀元前535〜495年に生きていたって言うのは記録あるんですよね。

ラスト周辺はお祭り騒ぎと言いますか、わちゃわちゃ展開しましたね。

恋愛関係って、下手するとすぐに陳腐になる要素だと思っているのですが、深刻になればなる程その傾向強くなると言うか。
なのでレイナの悩みの種も大袈裟に思えてしまってそこだけ私の中では浮いてしまいましたが。

それ以外は概ねレスターくんことアポロン様が可愛くて良かったです。メグとの関係はもちろんのこと、アルテミス/ディアナとの関係も描かれていて良かったです。

さて。次巻で本シリーズは完結ですね。
アポロン様は人と神戸の架け橋になれるのか？

淋しいなあ。北欧神話のシリーズも出ているようですが、そちらは邦訳出ていないんですね。
また別シリーズでますかね。出て欲しい。マイナーな神様とか、元英雄とか、ヘルメス様主役のシリーズとか。期待して待とう。