- 中古
- 書籍
- 新書
藤原定家『明月記』の世界 岩波新書1851
定価 ¥1,078
550円 定価より528円(48%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2020/10/22 |
JAN | 9784004318514 |
- 書籍
- 新書
藤原定家『明月記』の世界
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
藤原定家『明月記』の世界
¥550
在庫なし
商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
著者がこの本を90歳にして世に出されたたことに感服する。各所の写真も著者の撮影とあり、そのフットワークも驚くべき軽さ。膨大な情報量の『明月記』を読み込んで、定家の実像に迫る作業は並々ならぬ熱量が必要だったという。それを見事にやり遂げられている。 私は、この本を読む前に、田渕句美...
著者がこの本を90歳にして世に出されたたことに感服する。各所の写真も著者の撮影とあり、そのフットワークも驚くべき軽さ。膨大な情報量の『明月記』を読み込んで、定家の実像に迫る作業は並々ならぬ熱量が必要だったという。それを見事にやり遂げられている。 私は、この本を読む前に、田渕句美子先生の『新古今集 後鳥羽院と定家の時代』と『百人一首──編纂がひらく小宇宙』を読んで、和歌集編纂者としての冴え渡る定家の姿に触れてきた。そして、この度、この本を読んで、定家の別の側面が非常にリアルに思い描くことができるようになった。九条兼実との主従関係、俊成との親子関係、彼を含めて九人もいる同母兄弟姉妹との関係、自分と息子の昇進にあくせくする日々など、など。人間味のある生身の実像がクッキリと像を結ぶまでになった。 意外な事実もあった。定家の息子・為家の妻は、北条時政と後妻の牧の方の娘の娘、ふなわち孫娘だった。大河ドラマの配役で言えば、坂東彌十郎さんと宮沢りえさんの娘のその娘が、為家の妻だった。その牧の方が京都にやってきて、時政の十三回忌をの供養をしにやってきて、定家の妻も彼女に会いに行ったという。 定家が私たちに残してくれた遺産は尊いものがあると思う。百人一首に代表される和歌文化はその筆頭である。また、『源氏物語』を始めとした日本古典文学の書写が今も残されているおかげで、私たちはそれらを読むことができている。この偉大な人物の実像に迫ることができて、とても良い体験ができた。
Posted by
新古今和歌集や小倉百人一首の撰者である藤原定家を知りたくて読んでみた。彼の私日記である明月記を通して彼の人生について述べているが、彼が見物好きだったり暴力事件を起こしたり、後鳥羽上皇なんかにも無礼なことをしたり、長男の光家を疎んじて弟の為家ばかり可愛がったり、上級官位への欲望の強...
新古今和歌集や小倉百人一首の撰者である藤原定家を知りたくて読んでみた。彼の私日記である明月記を通して彼の人生について述べているが、彼が見物好きだったり暴力事件を起こしたり、後鳥羽上皇なんかにも無礼なことをしたり、長男の光家を疎んじて弟の為家ばかり可愛がったり、上級官位への欲望の強さだったり、優れたアーティストだからかやたら我が強いように見える。
Posted by
藤原定家の『明月記』を読み解き、定家の実像にせまっている本です。 建久の政変によって九条兼実が失脚し、兼実の家司であった定家は官途の望みを絶ったと告げたことに触れて、著者は「「そんな言い方はまずい、破滅するようなものだよ」などと、声をかけたくなる瞬間がたびたびある」といいつつも...
藤原定家の『明月記』を読み解き、定家の実像にせまっている本です。 建久の政変によって九条兼実が失脚し、兼実の家司であった定家は官途の望みを絶ったと告げたことに触れて、著者は「「そんな言い方はまずい、破滅するようなものだよ」などと、声をかけたくなる瞬間がたびたびある」といいつつも、「それが良くも悪くも定家の真骨頂であった」と述べています。 こうした著者の定家に対する批判的なまなざしは、定家が為家を目にかける一方、光家に対してはあまりにも冷たい態度をとっていたことを紹介しているところにも見られます。「定家さん、冷酷に過ぎませんか」といったことばがしばしば記されており、定家のつきあいきれない性格にあきれつつも、『明月記』に記されたことばから定家の実像を明らかにしようとしています。 「あとがき」で著者は、「『明月記』は徹底して私の視点で書かれた、いってみれば極私日記であった。この時代に、これほど“じこちゅう(自己中心的)”な記述も珍しい」と述べていますが、そのような性格をもつ『明月記』がのこされていたからこそ、定家のアクの強い個性がはっきりと見えてくるのかもしれません。 なお、本書とおなじ岩波新書から五味文彦の『藤原定家の時代―中世文化の空間』が刊行されており、やはり『明月記』の叙述をくわしく参照しながら、定家と彼の生きた時代について考察がなされています。
Posted by