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ケアするのは誰か? 新しい民主主義のかたちへ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白澤社/現代書館 |
発売年月日 | 2020/10/21 |
JAN | 9784768479827 |
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ケアするのは誰か?
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ケアというと、何か特別なことと思いがちだ。医療や福祉の専門職の仕事も連想される。しかし、昨今話題となっているケアの定義は広い。それは、母親が子どもに向ける愛情であったり、町で見かけた高齢者への配慮であったり、職場の同僚への気遣いであったりする。“ケアはどこにでもある。わたしたちは...
ケアというと、何か特別なことと思いがちだ。医療や福祉の専門職の仕事も連想される。しかし、昨今話題となっているケアの定義は広い。それは、母親が子どもに向ける愛情であったり、町で見かけた高齢者への配慮であったり、職場の同僚への気遣いであったりする。“ケアはどこにでもある。わたしたちはみな、ケアを提供するものであるだけでなく、ケアを受け取る者でもある”。 しかしながら、ケアは多分に政治的であるとトロントは指摘する。日常生活においても、制度的なレベルにおいても。だからこそ、ケアは、社会的地位の低い者、特に女性に押し付けられてきた。 資本主義が高度に発達した現代にあって、経済的に恵まれた者は、より良いケアを買うことができる。一部の者が、他の者を利用していい存在と見なす社会は健全なのか。本質的に不平等さをはらむケア実践は、平等を謳う民主主義にあって、どう編成されるべきなのか。トロントの講演録をベースに、岡野さんが考察していく。とても示唆的である。 岡野さんは、歴史的にケア実践が公私二元論に貶められてきたと指摘する。つまり、ケアは私的な取るに足らない領域だという先入観を排除し、より公の領域として捉え直すべきという提言だ。政治はケアの領域を、国民個人に丸投げ、市場原理に任せ切りにしてはいないか、との問いである。それは大きな政府がケアをすべて引き受けろということではない。ケアの必要があることを認識し、支えるということである。 コロナ禍でケアの重要性が再認識されている。本書の刊行は、2020年秋。最後に岡野さんは、本書が出るころには、政治はケアの視点を踏まえ過去のコロナ対応を検証し、見直しをしているだろうかと書く。さて…。
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※このレビューにはネタバレを含みます
コロナ禍でエッセンシャルワーカーの重要性が見直されているらしいが、一方では「経済を止めるな」で、行きつ戻りつしながら私たちはどうにか日常を生きている。医療者ももちろんエッセンシャルワーカーであり、我々には患者に伝染してはいけないという厳しい職業倫理を求められる。 小児科医が日常的に取り扱っている「育児」という最も根本的なケアも、コロナはその困難さを炙り出しているように思う。本書は「ケアの倫理学」を推し進めたトロントの著作をもとに、政治や民主主義まで射程を広げている。 ケアの実践には、ケアの4つの局面(1.関心を向けること(caring about)、2.配慮すること(caring for) 3. ケアを提供すること(caregiving) 4. ケアを受け取ること(care-receiving))を意識することが重要である。そこに必然的に含まれる権力関係は、ケアが非常に政治的な行為であることを物語っている。 第2、3章の訳者の論からは、歴史的にいかに特権階級がケアを女性に押し付けてきたか(「特権的な無責任」)というフェミニズムの視点が前面に出過ぎている気はするが、本書の最も重要な主張は、「ケアの民主化をどう推し進めていくか」に尽きるだろう。 小児科医は、日常の外来で育児に関わり、入院する病児のケアにも深く関わる。逆境体験の子どもの心理ケア/トラウマインフォームドケアや、社会的養護を要する子どもへの社会的なケアにも積極的にコミットしていく必要がある。新しい時代の子育てのモデルを作っていくことは、ケアの民主化を推し進めていく一歩となると信じて、できることをやっていこう。
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ケアの倫理とフェミニズムの理論から民主主義を再構成したトロントの考えを著者が翻訳し、現在の日本の状況、そしてコロナ禍で明らかになったケアの問題について整理した著作。今後のケア労働を考えていくのに大事な視点を学んだ。
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