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歎異抄 救いのことば 文春新書1283
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2020/10/20 |
JAN | 9784166612833 |
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歎異抄 救いのことば
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商品レビュー
3.7
5件のお客様レビュー
他宗派の方にもお奨めの一冊。
2023年10月読了。
長らくの積ん読本から。最近世界を騒がせる紛争地域を眺め、己の信ずる教え(幅広い意味での仏教)について思いを致し、一番「解りにくくて、敬して遠ざけていた」本を読もうと思い立ち、じっくりと読んだ。
かく云う自分は他宗の人間だが、別に...
2023年10月読了。
長らくの積ん読本から。最近世界を騒がせる紛争地域を眺め、己の信ずる教え(幅広い意味での仏教)について思いを致し、一番「解りにくくて、敬して遠ざけていた」本を読もうと思い立ち、じっくりと読んだ。
かく云う自分は他宗の人間だが、別に出家している訳でも、宗派に拘り信心が取分け篤い人間でも無いので、予てから親鸞と云う人物や『歎異抄』には、少なからず興味があった。
ただ「自家撞着しているかの様な、出口の無い迷路の様な考えの書」と云う勝手なイメージが強くて《迂闊に触れられないぞ》と云う一種の恐さもあったのは、正直に認める。
幸いにして、ここ数年間仏教に関する本を読むことが増えてきていたので、記憶力が落ちない年齢の内に、要点だけでも学んでおこうと、初心者向けの本書を開いた。
読後の感想としては「やはり、独特の仏教観である」としか言えない。しかしこの本の著者が《現代人からの目線》で分かり易く解説してくれているお陰で、親鸞の《教えの真髄》の一端は、薄学な自分にも理解する事が出来たと思う。
内容の詳細については、此処で書き切れる様な量ではとても無いのでこれ以上は省くが、専修念仏の奥深さには、教えられることが非常に多かった。
凡そ原始のブッダとは無縁で、死後数百年後に分裂した教団の一部の人達が考え出した「大乗仏教」の教えで、更にインドから中国を経て様々な考えが混ざり合い、そして更に来日してからも様々な宗派に合流分裂を繰り返してきた《仏教》の中の教え(=宗派)の一つにも関わらず、これ程までに研究され尽くした深い宗教観がどっしりと《在る》事に、一人の日本人として何とも言えない感動を憶えた。
又何百年の時を隔てても「凡愚な人間の悩み」は何も変わる事が無く、だからこそ今を生きる我々にも等しく『阿弥陀仏の誓い』を説いてくれる親鸞と云う人間に対して、自然と手を合わせられる気持ちに成れた。
(日本の)仏教は凡そ《融通無碍》である。あなたの実家が何宗であっても、今を生き、そして悩みを多く抱える現代人に一番欠けている「仏の心」を思い起こさせてくれるこうした本は、より多くの人に読まれるべきだと強く感じた。再読、再々読にも最適だ。
世界へ出て『私は無宗教です』と答え、入管でしょっ引かれる日本の若者が結構居るそうだが、《世界の常識》としてそれは有り得ないと云う事を知る意味でも、本書はお奨めだ。
左衛門佐
釈徹宗さんが歎異抄の全文解説をした本。歎異抄の内容以外にもかなり色んな内容に飛ぶのですこし分かりづらい。 ざっと読んで全部理解できた気はしないけど、なんとなく歎異抄の概要はつかめた気がする 悪人正機の意味としては、そもそも仏教における善悪は一般的な善悪とは違ってて、悟れるかどう...
釈徹宗さんが歎異抄の全文解説をした本。歎異抄の内容以外にもかなり色んな内容に飛ぶのですこし分かりづらい。 ざっと読んで全部理解できた気はしないけど、なんとなく歎異抄の概要はつかめた気がする 悪人正機の意味としては、そもそも仏教における善悪は一般的な善悪とは違ってて、悟れるかどうかが観点。悟りに至れない私達こそが悪人であり、阿弥陀仏の救いの対象だよって意味で解釈した。 煩悩があってつらいけど、煩悩があるからこそ阿弥陀仏が救ってくれる証拠になる、だから大丈夫って思えるのかな。 あとは、金剛の信心の話。念仏は一回唱えれば救われるのか、たくさん唱えたほうがいいのかって話があったけど、それよりも金剛の信心が大事なんだって話だと解釈した。 キリスト教など唯一神を信仰する宗教もそうだけど、何があっても阿弥陀仏が救ってくれる、だから大丈夫だって思えたら、メンタル的にはすごい支えになるよなって思います。 浄土真宗が広まった理由がなんとなくわかるような気がした本でした。
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かつて戦場で多くの若者がむさぼるように読んだという『歎異抄』。唯円と目される著者が、師である親鸞の思想が間違って流布されているのを文字通り歎(なげ)き、本当はこうなんだと綴ったもの。いわば浄土真宗の聖典である。「善人なおもつて往生をとぐ。いはんや悪人をや」の悪人正機説で知られる第...
かつて戦場で多くの若者がむさぼるように読んだという『歎異抄』。唯円と目される著者が、師である親鸞の思想が間違って流布されているのを文字通り歎(なげ)き、本当はこうなんだと綴ったもの。いわば浄土真宗の聖典である。「善人なおもつて往生をとぐ。いはんや悪人をや」の悪人正機説で知られる第三条は、歴史の教科書で読んだ人も多いだろう。 しかし、浄土真宗の門徒であっても読み通した人は少ないのではないだろうか。分量は大したことはないのだが、なかなか一筋縄ではいかない。だからこそ、古今東西の知識人が『歎異抄』に魅力されてきたのだろう。 かくいう私は仏教徒ではないが、これまでに2度読んでみた。そして2度ともよく分からなかった。そんな私のような浅学の者にとって、本書のような全訳付きの解説書は実にありがたい。 『歎異抄』には印象的なパートがいくつかある。「念仏を唱えても喜びが湧いてこないのです」と相談してくる唯円に対して、親鸞が「そうなんか。あんなあ、実はわしもやねん」と答える場面。親鸞はそんなことを弟子に言える人だったのだ。親鸞が同じく唯円に「千人殺してくれへん?」と言う場面も忘れ難い。危険な男、親鸞。とどめは「わしは罪深い奴やから、阿弥陀様はわし一人のためにいてはるねん」と言い切る親鸞。すごいな、親鸞。関西弁は私の意訳です、念のため。ここだけ切り取ると妙になるが、もちろん実際には前後にも文章が続き、緊張感があり深い意味がある。その真意は本書で確認してもらいたい。 本書のお陰で少し『歎異抄』の理解が深まった。当然ながら理解し切れたわけではない。釈先生も『歎異抄』は年齢を重ねると読み方が変わる。その時はピンとこなくても、ある時ふと立ち上がってくる言葉があると書かれている。次はどんな風に読むのか、怖くもあり、楽しみでもある。
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