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「池の水」抜くのは誰のため? 暴走する生き物愛 新潮新書879
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「池の水」抜くのは誰のため? 暴走する生き物愛 新潮新書879

小坪遊(著者)

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「池の水」抜くのは誰のため? 暴走する生き物愛 新潮新書879

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2020/10/17
JAN 9784106108792

「池の水」抜くのは誰のため?

¥220

商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2023/08/24

近隣の川でも、目につく生き物はミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニ、コイ、タガヤシだけ。釣りをしてもブラックバスとブルーギル。 外来種だけとしか出会わない環境になってきています。 「善良なる無知な人間ほど困ったものはない」 生態系や自然環境に関わる問題のみならず、SNSでも”...

近隣の川でも、目につく生き物はミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニ、コイ、タガヤシだけ。釣りをしてもブラックバスとブルーギル。 外来種だけとしか出会わない環境になってきています。 「善良なる無知な人間ほど困ったものはない」 生態系や自然環境に関わる問題のみならず、SNSでも”お気持ち”が最優先され正しい情報や理論的根拠のある情報が伝わらなくなってしまうのは同じなのか。 一方通行ではなく、多方面から、あらゆる角度から観察し考察し、その時点での最適解を見つけ出すべきなのは自然保護でも変わらない。 変化する自然環境や生態系。自分に出来る範囲で学びを継続していきたい。

Posted by ブクログ

2022/01/25

 科学的な知識を身につけていない(身につけようとしない)善意ほどこわい物はない…と常々思ってきた。ここでいう科学とは自然科学だけではなく社会の科学も含まれる。戦争は常に善意から生まれる。  生物多様性を破壊しかねない行為にも,善意から生まれるものがある。やれ,稚魚の放流で生き物の...

 科学的な知識を身につけていない(身につけようとしない)善意ほどこわい物はない…と常々思ってきた。ここでいう科学とは自然科学だけではなく社会の科学も含まれる。戦争は常に善意から生まれる。  生物多様性を破壊しかねない行為にも,善意から生まれるものがある。やれ,稚魚の放流で生き物の大切さを学ぼうだの,買っていたネコやかめがかわいそうだから,とりあえず自然に離してあげようなどという行為は,命を大切にしているようで,その生物以外の命を大量に奪っている行為かもしれないのである。  本書の題名である「池の水を抜く…」というのは,もちろん,あのテレビ番組のことである。外来種がいたといって大騒ぎをする一過性の水抜きお祭り行事に対して,著者は厳しい。その後のため池はどうなっているんですか? 数年に一度はちゃんと水抜きをするのが,ため池の維持のためには必要ですよ,と。しかも,それらの外来種は,外来種と言われている動植物たちが悪いのではない。彼らを悪者にするような番組はどうかと思う。悪いのは,興味本位で外国から連れてきた人間である。しかも,人が上手に利用している外来種(作物などはみんなそうだ)は,いっぱいある。そのことをぬきにして,外来種云々というのはとても人間の身勝手であり,他の生物に申し訳ない。  アメリカザリガニはとっても可愛い。産卵し,お腹の中で子育てをしている姿も可愛い。これは生物教育の生きた教材としてもとてもいいのではないか。ただ,日本の池には居て欲しくなかった…でも,こうなった以上は,絶滅させるのは難しい。では,どうすればいいのか。  科学的な知識の普及,地元のいろいろな人の合意形成,未来への責任と共感など,さまざまな場面で連携をとりながら,進めていくしかあるまい。  生物多様性,外来種などについての入門書として,本書をお薦めしたい。読みやすい本です。巻末には,もっと学びたい人への参考文献も紹介されている。

Posted by ブクログ

2021/02/21

タイトルを見て、「これは読んでみたい」と思い、借りて読んでみました。 が、池の水を抜く話は、ほんの一部でした。 いわゆる外来種への対応が大きなテーマの本なのですが、決して大上段に構えた本ではなく、たくさんの事例を紹介しつつ、しかも、それらはいずれも、地に足の着いた取り上げ方で、...

タイトルを見て、「これは読んでみたい」と思い、借りて読んでみました。 が、池の水を抜く話は、ほんの一部でした。 いわゆる外来種への対応が大きなテーマの本なのですが、決して大上段に構えた本ではなく、たくさんの事例を紹介しつつ、しかも、それらはいずれも、地に足の着いた取り上げ方で、丁寧な考察を加えています。 「外来種=悪」といった単純な図式になっているわけではないので、「歯切れが悪い」という印象を受ける方もいるかもしれないのですが、外来種に対するいろんな考え方を紹介することで、様々な論点が提示されています。 また、シカやイノシシやクマなどの在来種についての問題にも触れられていて、生物界全体と人間との関係について、考えるヒントを得る上でも、役に立つ本だと思います。 結局のところ、外来種については、単純な解決策はないのですが、キーワードは、「生物多様性の確保」「生物多様性の考え方の涵養」「持続性のある活動・継続的な活動」あたりでしょうか。 より多くの方に読んでいただきたい本です。

Posted by ブクログ

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