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命の経済 パンデミック後、新しい世界が始まる
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | プレジデント社 |
発売年月日 | 2020/10/15 |
JAN | 9784833423878 |
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商品レビュー
3.3
15件のお客様レビュー
コロナ禍の執筆であり、主に感染症と人類の関りについて。「新しい世界」観は本著ではあまり語られないのが残念である、というのと、読書をした現時点では、既に「新しい世界」にいるはずだが、日常生活においては、体感的にコロナ前との大きな差がない。歴代の感染症ほどのインパクトは回避できたため...
コロナ禍の執筆であり、主に感染症と人類の関りについて。「新しい世界」観は本著ではあまり語られないのが残念である、というのと、読書をした現時点では、既に「新しい世界」にいるはずだが、日常生活においては、体感的にコロナ前との大きな差がない。歴代の感染症ほどのインパクトは回避できたために、大きく変わらなかったという見方もできるのかもしれないと、本書を読んで感じた。 ー 166年のローマでは、アントニヌスの疫病と言われる感染症(おそらく天然痘) が20年以上続いた。251年、キプロスの疫病という新たな疫病により、ギリシャとイタリアの都市で暮らす人々が、またしても犠牲になった。541年ペスト菌を保有したノミによる吸血から感染する腺ペストが初めて大流行。664年黄色の疫病(ペストまたは天然痘)が猛威を振った。イギリスとアイルランドでは数年世紀にわたって貧困と無秩序がはびこった。735年、朝鮮半島から新たに流入した疫病(天然痘とされる)によって、日本列島の人口の3分の1が死亡する天平の疫病大流行。 ー 18世紀の間、ヨーロッパでは毎年40万人近くが天然痘にかかって死亡した。1796年、イギリスの医学者ジェンナーが天然痘のワクチン接種開始。1890年代末に36万人を死亡させた。インフルエンザは、1918年に再び猛威を振るう。まずは中国、次にアメリカとヨーロッパを襲ったが、第一次世界大戦を停止させるわけにはいかず、完全な報道規制が敷かれる中、中立国だったスペインがこのインフルエンザによる被害を報道し、この疫病は「スペイン風邪」と呼ばれるようになった。と振り返りながら、最新のCOVID19へ。 中国への不満、欧州のロックダウンが中国式だと著者は痛烈に批判する。 ー 武漢市の住民が、新型コロナウィルス感染症の流行を話題にし始めると、中国共産党があらゆる手段を講じ住民を黙らせようとした。WeChatなどのインスタントMessenger上で武漢生鮮市場やサーズなど種類の語句が含まれるメッセージをブロックした。 世界から見捨てられた層の存在。世界人口の45%以上は満足のいく衛生設備を利用できない。40%以上の人々の住居には手を洗う設備がない。20億人以上の人々は水洗式トイレを利用できない。世界人口の少なくとも10%は、汚水灌漑によって作られた食料を口にしている。なるべくしてパンデミックが発生した。 コロナ禍における生々しい人間ドラマを思い出す。感染者への差別、マスク争奪騒動、中国のマスク外交、ワクチンによる分断、テレワーク可否による階層の可視化、自粛警察などなど。こうした混乱を経験しながらも、その後にこれらを秩序化する新制度が敷設されたわけでもないならば「新しい世界」は到来しないのが普通である、という気がする。
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パンデミック流行の直後にここまでのことを書ける頭脳に素直に驚く。さすが知の巨人。 歴史や世界の他の事例に学び、問題の本質は何かを突き止め、戦略を描いて対処することの重要性と、それができていない政治が多すぎると素直に感じた。
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2020年に書かれたものを読んでも、どんなに内容が良くてもロシアによるウクライナの軍事侵攻が世界を最悪な形で変化させてしまったことを思わずにいられない。とはいえ、内容はいい。この人の他の本も読みたい。
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