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歌集 滑走路 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2020/09/24 |
JAN | 9784041096123 |
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商品レビュー
4.5
23件のお客様レビュー
厳しい現実の中を生きていかなければならない苦しさ、そしてその中の光や希望、あるいはその影を、まさに言葉の中を飛ぶように自由に短歌で表現している。美しい。
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著者がどういった人物か、一切の知識なしにたまたま手に取った。 表紙のデザインが美しかったのと、滑走路、という色々な物語を想起させるタイトルの「歌集」というものに興味を惹かれたからだ。 読み始めてみると、勢いがあって、静止があって、思考があって、日常があって、現実や当惑や希望があ...
著者がどういった人物か、一切の知識なしにたまたま手に取った。 表紙のデザインが美しかったのと、滑走路、という色々な物語を想起させるタイトルの「歌集」というものに興味を惹かれたからだ。 読み始めてみると、勢いがあって、静止があって、思考があって、日常があって、現実や当惑や希望があって、ぐいぐい引き込まれるように最後まで読んだ。 歌集を読む時の習慣で、印象に残った歌には細い付箋をつけるのだが、かなりの数の付箋がついた。 そして、最後の最後、解説や後書きを読んで、著者が32歳という若さで夭逝したことを知った。 氏が詠んだ短歌には、色々な想いが練り込まれていたに違いない。未来を感じさせる歌も確かにあった。それでも、それでも、死に直面したという事実が、またひとつのメッセージでもあるように感じた。 読み終えるまで、当たり前のように次の歌集や歌の変化を楽しみにしていた自分が、ふいに凪の海のようなところに投げ出されたように思った。この奇妙で沈痛な余韻もまた、作品の一部として受け止めるべき空白なのだろう。 好きな歌をいくつか引用しておく。 ・真夜中の暗い部屋からこころからきみはもう一度走り出せばいい ・いつか手が触れると信じつつ いつも眼が捉えたる光源のあり ・僕たちのソファーでありし草地にて還らぬ友を想い続ける ・箱詰めの社会の底で潰された蜜柑のごとき若者がいる ・シュレッダーのごみ捨てにゆく シュレッダーのごみは誰かが捨てねばならず ・内部にて光り始めて(ここからだ)恋も短歌も人生だって ・完熟のトマトの中に水源のありて すなわち青春時代 ・いまはまだショックだけれどそのうちに……そうだ、たこ焼食べて帰ろう
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32歳の若さで去った歌人、萩原慎一郎さんの歌集 初めて歌集を読みました。 恋に食に労働に、命が日々暮らしている中で呟く言葉を口語体で歌われているので、凄く共感できるものが多かったです。 そして普段感じることのなかった、自分の心の奥行きを感じる事ができました。 この歌集が作品と...
32歳の若さで去った歌人、萩原慎一郎さんの歌集 初めて歌集を読みました。 恋に食に労働に、命が日々暮らしている中で呟く言葉を口語体で歌われているので、凄く共感できるものが多かったです。 そして普段感じることのなかった、自分の心の奥行きを感じる事ができました。 この歌集が作品として素晴らしいモノなのかは分かりません。 ただ、生きている苦悩や乗り越えようとする足掻きが31文字に込められ、「命」だと思えました。 自分の在り方に迷っている今、この作品を手に取れたことに感謝です。 迷い道 されどもそこも 滑走路 まだ見えぬとて 先にある空
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