課題解決のための専門図書館ガイドブック

専門図書館協議会私立図書館小委員会(著者)

• 販売会社／発売会社: 読書工房
• 発売年月日: 2020/08/28
• JAN: 9784902666380

商品レビュー

2021/11/06

専門図書館協議会私立図書館小委員会編「課題解決のための専門図書館ガイドブック」（読書工房）
2020.8.20初版発行

2021.11.6読了
　普通、図書館と言えば、市町村立図書館や都道府県立図書館を思い浮かべるだろう。大学生なら大学図書館が真っ先に思い浮かぶかもしれない。あるいは、小中高生なら学校図書館が最も身近な図書館になるかもしれない。

　本書で紹介されているのは、日常生活では滅多にお目にかからない「専門図書館」と呼ばれる図書館群だ。

　専門図書館とは、特定の専門分野の資料のみを収集・保管している図書館のことで、ほとんどの専門図書館は法人などの組織内に置かれている。専門図書館を明確に定義する法律は存在しないが、一般的には、国立国会図書館、図書館法で定める図書館、学校図書館法で定める図書館、大学設置基準で定める大学図書館を除いた図書館が専門図書館と呼ばれている。

　本書で紹介される図書館の中には、図書館法で定める私立図書館も含まれており、この点、本書を「専門図書館ガイドブック」と称することには、やや読者への配慮不足を感じる。

　私立図書館とは、日本赤十字社・一般社団法人・一般財団法人が設置する図書館を指す。本書では法人格の省略された図書館が多数掲載されており、大学等の参考書として使うときは気を付けなければならない。

　また、掲載されている図書館が東京にやや偏っている印象を受ける。あるいは、専門図書館自体が東京に偏っているのかもしれない。

　こうした点を除けば、本書は普段日の目を見ない専門図書館にスポットライトを当てた面白い読み物と言えるだろう。

　例えば、大阪府でいうと、
　証券図書館（大阪）
　エル・ライブラリー
　大阪府立男女共同参画・青少年センター（ドーンセンター）情報ライブラリー
　国立文楽劇場図書閲覧室
　池田文庫
　追手門学院大学附属図書館オーストラリア・ライブラリー
　大阪国際交流センターインフォメーションセンター
の７館が取り上げられていた。これら７館はすべて無料でありながら、私はその存在すら全く知らなかった。

　小規模ながら専門性の高い図書館が並んでおり、興味関心のある分野ならつい足を運びたくなる図書館ばかりだった。

2020/11/24

海洋大図書館も掲載していただきました！様々な分野の専門図書館が紹介されています。「そもそも専門図書館って何？」という方はぜひ、一度読んでみてください。