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目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | フィルムアート社 |
発売年月日 | 2020/08/26 |
JAN | 9784845919192 |
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目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙
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商品レビュー
3.7
6件のお客様レビュー
「あいつが出来たのになんでお前は出来ないんだ」と言われたら、「うるせぇお前がやってみろ」と私は常々思っている。視覚障害者の作者もヘレンのように頑張れと言われてきた。ヘレンは悪く無い。ヘレンは完璧だとした神話が悪い。その神話は誰が作ったか?そろそろ、ヘレンも楽になっていい時だろう。
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「理想像」に悩まされたことはないだろうか。架空の人物ではなく、過去に実在して、逸話が語り継がれているような人物の偶像化されたと言っても良いような理想像に比べられ、なぜ同じようにできないのかとか。 もしくは、レッテルを貼られた事はないだろうか。あの人がそうなのだから、あなたもきっと...
「理想像」に悩まされたことはないだろうか。架空の人物ではなく、過去に実在して、逸話が語り継がれているような人物の偶像化されたと言っても良いような理想像に比べられ、なぜ同じようにできないのかとか。 もしくは、レッテルを貼られた事はないだろうか。あの人がそうなのだから、あなたもきっと同じに違いないと。 幼くして視力と聴力を失いながら、アン・サリヴァンという師を得て、その高い知性を花開かせた「奇跡の人」ヘレン・ケラー。 精力的に講演活動や執筆活動も行い、聾唖者への理解と支援を求めた彼女は聾唖者の理想像とされた。 筆者のジョージナ・クリーグも幼くして視力を失った。彼女は大学で教鞭を取るまでになったが、そんな彼女は常に盲人の理想像とされるヘレン・ケラーに対する嫉妬心とも言える怒りを抱き、それをヘレン・ケラーへの手紙、決して返答が返ってくることのない対話として語りだす。 ヘレン・ケラーの日常の生活や、彼女を導いたサリヴァン先生との関係などを様々な資料から、ヘレンの行動に隠された意思、動機を分析し、同じ盲人としての経験にも照らし合わせて推測を行う。 前半の方はほとんど対抗意識を抱いているかのように辛辣な会話(一方的な会話)が続く。そこには、同じ盲人としての筆者の生きづらさ、弱音のようなものも見え隠れする。 しかし、後半はヘレンに対する同情も見えてくる。 ヘレンを時の人にした、「奇跡の人 ヘレン・ケラー」の生みの人と言ってもよいサリヴァン先生による束縛と、それに対するヘレンの反抗と諦観を読みとっている。 文章が濃密で、ページ数以上にどっしりと読み応えのある一冊。
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この本のタイトルを見たときに、そもそもヘレンケラーについて自分が知っていることは何か。 そして、優しいタッチで描かれたイラストなのにも関わらず、なぜ「怒りと愛を込めた手紙」というタイトルなのだろうという疑問が浮かんだ。 幼少期からほとんど目が見えない障害を抱えた著者は、「どう...
この本のタイトルを見たときに、そもそもヘレンケラーについて自分が知っていることは何か。 そして、優しいタッチで描かれたイラストなのにも関わらず、なぜ「怒りと愛を込めた手紙」というタイトルなのだろうという疑問が浮かんだ。 幼少期からほとんど目が見えない障害を抱えた著者は、「どうしてヘレンケラーのようになれないの」という言葉に悩まされ続けた。 まるで神話のように語り継がれる、ヘレンケラーのエピソードを、多くの文献と想像力で、生き生きとした、1人の人間としてのヘレンケラーへと変えようとする試みは、こうしたことがきっかけに生まれたそう。 全ての物語がそうである、とは言いきれないが、物語としての重要な要素である、「わかりやすさ」が、かえって人間性を失わせることにつながっているのかもしれない。 そうした意味では、文献を参考にし、ときには想像力で補い、エピソードを広げようとする著者の試みは、物語にする流れの真逆を行くもののように思えた(現に、性に関することにもあえて触れていた)。 生き生きとした文章で、まるで自分がその場にいるような気にさせられた。 食べ物の匂いや、肌の質感、喧騒まで、本の中にでてくる多彩な表現を前にして、五感を研ぎ澄ませながら、読むことをお勧めします。
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