子どもに寄り添うライフストーリーワーク 社会的養護の現場から

園部博範(編著), 秋月穂高(編著)

• 販売会社／発売会社: 北大路書房
• 発売年月日: 2020/08/24
• JAN: 9784762831171

商品レビュー

2021/12/22

P45
ライフストーリーワークは子どもが真実を知り，
その意味づけをし直し，
家族との暮らしを失ったことなどを受け入れ，
自分の人生を選択していくプロセスを
サポートする試みです。

これは...子どもの人生の空白をつなぎ合わせてくれるものでもあります。

...子どもの現在，過去，未来という時間を
一緒に旅行をする作業です。

P54
　…問題行動だけに目を向けて，
それを矯正しようとすると，
その行動が増幅する恐れがあります

...特に「なぜ，あなたはそんなことをするの？」という質問はよくありません...子どもは苦しくなって「僕が悪いんじゃない」とか「わからない」とか言って黙り込んでしまいます。

子どもは無意識に行動していますから，理由などわかるはずがありません。質問するとすれば「どうしたらよくなると思う？」くらいでしょうか。

P82
　…社会的養護下の子どもたちにとって「過去」のイメージは…自身の力や意思が反映されない複雑な感情を帯びた「モノクロの世界」のようなものになるのではないでしょうか。

...ライフストーリーワークは
…現在から過去，そして現在，未来へと
その時々によって子どもとともに
「子どもが生きた世界と時代をともに旅をする」
ということになります。

モノクロであった自分の人生の「物語」に
さまざまな色彩豊かに「色づけ」していくことが大切です。