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ヒストリア(下) 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2020/08/25 |
JAN | 9784041095720 |
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商品レビュー
5
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
移民先の南米ボリビアで苦心惨憺の日々を送る知花煉(ちばなれん)。プロレス女王のカルメンや日系人カルロス兄弟という仲間を得て、農業や商売に奮闘していた矢先、煉は米国の謀略に巻き込まれ、空賊となって密輸を手伝う羽目に陥る。一方、チェ・ゲバラが革命に成功したキューバで、核戦争の危機が迫っていた。米ソ一触即発の裏で、煉は戦争阻止に動くが……。果たして煉は魂を取り戻すことができるのか? 沖縄戦の折に魂を失い二人に分かれてしまった煉。二人の彼女が苦節しつつも南米ボリビアを舞台に生き抜く物語。戦後の沖縄で実際にあった南米移民を中心に、ボリビアの革命やキューバ危機も描き、沖縄返還で幕を閉じる本作。史実を交えつつ、ところどころフィクションなのが楽しく学べてよかった。 特にボリビアの歴史や風土は全く知らなかったし、沖縄からの移民があったことも知らなかった。 物語的にも、アメリカの情報機関から追われたがためにボリビア移民を決めたり、ボリビアでの数々の決断をしていった煉の決断力には爽快なものがあり、読みやすかった。チェ・ゲバラも交えつつ、キューバ危機を回避させたのが煉というのも良かった。 また、馴染みの薄い魂(マブイ)という考え方も面白かった。ある出来事によって魂が分たれてしまい、人物が不完全な状態になってしまう。そして、それを糾す方法もあるというのも考えさせる考え方だった。友人や経済的に恵まれたように思えても、自分自身への充足感がない理由としてそれを考えているのも面白かった。
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ジェットコースター展開はいつもの通りだけど、性格的には今までの池上ヒロインの中でも一番破天荒かも。しかし全く違和感はない。 歴史の裏で架空のキャラクターが暗躍、みたいな展開はありがちだったかな。もう一人の自分を服で釣っておびき出すのは面白かったが。しかし、本体の方が堅実という設定にはなっているが、一般的に見れば十分破天荒なので、あまり違いがなくわかりにくかったな。 池上氏のキャラが料理や芸術を好きなのが、生命力やセンスや頭の良さの表れとして表現されているところが好き。 実際の生活が伴わない政治理念への反発(女性原理)は「テンペスト」と共通。それと、併合以降の沖縄の苦境の告発が、池上作品のアイデンティティか。政治的メッセージ性はかなり強いが、今のところエンタテインメント性の濃厚さが上回っているから説教臭くなく読めている。が、今後もエンタテインメント濃度をどんどん上げていかないと説教臭さが上回ってしまうだろうからハードル高そうだな。
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後半戦も面白かった~。読み終えて、表紙のインパクトほど、チェが前面に出てきてはいないな、っていう感想。要所要所で絡んではくるし、歴史的な重要性も込めて、ってことかも。それよりも、終始不気味な存在感を放ち続ける、元ナチスの殺し屋とかの方が、よほどインパクトがあった。そして、沖縄米軍...
後半戦も面白かった~。読み終えて、表紙のインパクトほど、チェが前面に出てきてはいないな、っていう感想。要所要所で絡んではくるし、歴史的な重要性も込めて、ってことかも。それよりも、終始不気味な存在感を放ち続ける、元ナチスの殺し屋とかの方が、よほどインパクトがあった。そして、沖縄米軍基地の内部に、未だ終戦を見ていない己の魂を見るクライマックスが、何といっても圧巻。しばらく痺れてしまいました。
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