エレノア・オリファントは今日も元気です mirabooks

ゲイル・ハニーマン(著者), 西山志緒(訳者)

• 販売会社／発売会社: ハーパーコリンズ・ジャパン
• 発売年月日: 2020/08/11
• JAN: 9784596918314

商品レビュー

2024/05/02

過去の呪いや孤独と向き合うお話。

チックリットと思って読んでみたら想像していたものとは違ってほの暗く、そしてロマンス描写も恋愛というよりエレノアがまっとうな人間関係を構築していくのをゆっくり優しく描いてくれているものでとってもよかった…。

最初のエレノアは愛想はなくて不親切で空気読めなくて失礼で、ちょっとこのヒロイン好きになれるかな？って印象で読み進めるのに一瞬不安を覚えました笑
わたしはヒロインの性格が合わなかったら読むのやめちゃうタイプだから…。
けど読み進めていくうちに嫌いになれないな〜って気づく。なぜならエレノアの言動や行動には悪意や意地の悪さがまったくないから。

けれど風変わりゆえ彼女は疎まれ、まわりから怪訝な顔で見られ、エレノアがなにかしらの事情を抱えてることを知る者からは憐れみと戸惑いの目で見られる。
話し相手はエレノアを支配し毒づき続ける母親と観葉植物のポリーだけで、とても孤独な女性だった。
そんな彼女がとあることをきっかけに他人とかかわっていく。

もう読み進めていくうちに「エレノアに悲しいことが起きませんように」って気持ちがどんどん強くなる。彼女の生い立ちは稀有で悲しいものだけれど、その孤独感はきっと少なからずのひとが身に覚えのあるもので、身につまされるものがあると思う。わたしも共感とともに読んでたので。
だからエレノアがだれかの優しさに触れるたびに一緒に喜んだり泣きたい気持ちになってた。これ書いてる途中でも思い出して涙ぐんでしまってる。
レイモンドが本当にすごく優しくて、それに周囲の人間だってよくて、エレノアが他人からの優しさをこれからたくさん受け止めていってほしいな〜って思いながら読了しました。渡辺由佳里さんの解説もめっちゃ共感しながら読んだ。
映画化の話あるみたいだけどいまどうなっているんだろ？公開されたら絶対に見たい。

2021/06/11

海外の作者なので翻訳されていても表現の仕方が日本と全く違くて面白い（笑）
例えるものも違うしその物に関しての捉え方、価値観が違うので若干読んでて　ん？となるが、それも社会勉強だと思って楽しめた。
普通って何かを考えさせてくれたし、私は私でそれを取り巻く周りの環境も私が作っていて全て好きに変えられる(酔いも悪いも)と思った。

2021/04/30

面白かった。
どの世界にも行きづらく孤独な女性がいるんだな。そんな女性たちを励ますストーリー。

エレノアオリファントは幼少期に重い過去があり複雑な環境で育った30歳の独身事務員。過去のトラウマのせいでエレノアは他人と関わるのが苦手で空気が読めないところがある。
しかしエレノアが同僚のレイモンドやその母親、偶然知り合うサミーとその家族と交流していく中で少しずつ前向きに生きていく心が芽生えていく。

レイモンドがすごくいい人で、エレノアとの関係を期待せずにはいられない。