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ウィトゲンシュタインの愛人
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ウィトゲンシュタインの愛人

デイヴィッド・マークソン(著者), 木原善彦(訳者)

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ウィトゲンシュタインの愛人

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 国書刊行会
発売年月日 2020/07/17
JAN 9784336066572

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商品レビュー

4.3

8件のお客様レビュー

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2024/03/22

(JRの人か!) たったひとりの生き残り中年の女性の回想。それは自分自身のことではなくて、プラトンに始まり〜最近のゴッホ辺りまで。うーん、飽きる。でもなんか心地いい。砂漠に吹く風のような。(砂漠なんざもちろん行ったことはございません) 自分の中の偏見ですが、NY生まれの人って(男...

(JRの人か!) たったひとりの生き残り中年の女性の回想。それは自分自身のことではなくて、プラトンに始まり〜最近のゴッホ辺りまで。うーん、飽きる。でもなんか心地いい。砂漠に吹く風のような。(砂漠なんざもちろん行ったことはございません) 自分の中の偏見ですが、NY生まれの人って(男性に限るかも)病んでる感じがして。人工的な建物に四方囲まれて、それが当たり前過ぎて。地平線を見ながらぼーーーーとするのを、子どもの頃にやってないと、こういう文章書くような人ができあがる気がする

Posted by ブクログ

2022/05/05

度重なるホメロスへの言及を嚆矢として、美術、文学、音楽、思想等、広義の表象文化のトリビアが次々に披瀝され、それらにわずかばかりの胸やけを覚えながらも、想起したのは兼好法師。 本書にあるものは、彼の『徒然草』に似て、「つれづれなるまゝに、日くらし」「心にうつりゆくよしなしごとをそこ...

度重なるホメロスへの言及を嚆矢として、美術、文学、音楽、思想等、広義の表象文化のトリビアが次々に披瀝され、それらにわずかばかりの胸やけを覚えながらも、想起したのは兼好法師。 本書にあるものは、彼の『徒然草』に似て、「つれづれなるまゝに、日くらし」「心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく」タイピングすれば「あやしうこそ物狂ほしけ」る一人の女性の話だ。 断想の反復や変転、イメージの連鎖やそこからの飛躍など織り交ぜながら、行きつ戻りつ言明しては訂正し、訂正しては改めて、時系列や因果律は一読とらえがたい。なるほど、先の胸やけは、一連の巨人たちやスター団に気圧されたばかりではなく、この文体(スタイル)に酔い、酩酊感を味わったが故であるかもしれない。 表題に冠されたかの哲学者のものした著作は読んだことがなく(兼好法師のそれももちろん教科書どまりだが)、概説書にいくらか触れた限りだが、当該哲学者の前期の主著『論理哲学論考』の名高い一説が本書の作中に引かれていたりするが、ただ、その前期を自ら批判的にとらえた後期の『哲学探究』において開示された幾多の主題系のうち私的言語論の問題機制からもアプローチできるのかもしれない。地上から人が消え、最後の一人として生き残った」者と言語の関係についてあれやこれやと考えても、畢竟考えはまとまらず、ただこうしてよしなしごとをそこはかとなく書き付けていくほかない。難しかった。

Posted by ブクログ

2022/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 印象的なカバーが前から気になっていたところ図書館で見かけたので借りて読んだ。完全に新しい感覚…途中何回か心が折れそうになるものの終盤にかけて加速度的にオモシロかった。新進気鋭の作家かと思いきや1988年に発表された、しかも著者のデビュー作品らしく、そこにもびっくりした。世界にはまだまだ知らない本がたくさんある、その豊かさを享受できた。  あらすじとしては、ある女性が世界最後の1人の人間で終末の世界をサバイブしているというもの。このあらすじであればさまざまな場所へ冒険に行ったりして物語の起承転結を付けていくと思うけど、本著は主人公が日々の生活、彼女の思考をタイプライターでタイピングしたドキュメントを読んでいるという設定。移動する描写は多少あるものの読者は主人公の思考のフローをひたすらトレースしているような感覚になる。しかもそこで展開されるのは中世の美術、哲学、音楽に関する膨大な固有名詞にまつわる論考。マジで一体何を読んでいるんだ…という瞬間が幾度となく訪れるのだけど、何となく読み流していくとそこにグルーブが徐々に生まれていくのが新鮮な体験だった。タイプライターというのがミソで文章が一方通行で修正されないがゆえに、ひたすら垂れ流しになっている。これは完全にTwitterにおけるツイートだ!と気づいてからかなり読みやすくなった。  あとがきにもあったけど固有名詞について真剣に一個一個調べても物語内では適当言っているケースも多い。それ自体が著者の態度というか世界の不確かさの表現の一つなのかもと思った。世界で最後の1人になったら?という妄想は皆一度はしたことあると思うけど、美術館でめちゃくちゃするという発想はなくて、そのシーンが特に好きだった。あと終盤に第四の壁を破るような展開が用意されていて、それもタイプライターの設定が効いてきて興味深かった。自分のコンフォートゾーンを打破する読書体験!

Posted by ブクログ

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