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日本語をどう書くか 角川ソフィア文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2020/07/16 |
JAN | 9784044006099 |
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日本語をどう書くか
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柳父彰著『日本語をどう書くか(角川ソフィア文庫 ; E116-1)』(KADOKAWA) 2020.7発行 2024.5.9読了 本書の底本は、2003年に法政大学出版局から刊行された同名の著書である。しかし、2003年に刊行されたものは新版であり、もともとの旧版は1981年...
柳父彰著『日本語をどう書くか(角川ソフィア文庫 ; E116-1)』(KADOKAWA) 2020.7発行 2024.5.9読了 本書の底本は、2003年に法政大学出版局から刊行された同名の著書である。しかし、2003年に刊行されたものは新版であり、もともとの旧版は1981年にPHP研究所から刊行されている。本書で論述されている内容はかなり古いと言えるので、本来であれば、この分野における最新の研究も頭に入れて考えていかなければならないのだろうが、あいにく私にその知識はない。したがって、ここでは本書で述べられていることを分かりやすく要約して示すだけに留めたい。 第1章 作られた日本語 日本語の話し言葉と書き言葉は、一般に漠然と同じものだと考えられているが、それは間違っている。今日の書き言葉の系譜は話し言葉にあるのではなく、西欧文を翻訳する際に作られた翻訳用の書き言葉の流れを汲んでいる。さらに、その翻訳用の書き言葉は、漢文訓読の文体に遡ることができる。このように、現在の書き言葉は、人工的に作られた文、書くために作られた日本語なのである。 現在の書き言葉には、以下の二つの特徴がある。 一つ目は、単語レベルの特徴で、漢字の名詞を多用し、とかく意味不明な文になりがちなことである。これは、西欧の名詞中心の文章を日本語に翻訳していく中で影響を受けたものである。 二つ目は、構文レベルの特徴で、句点によって文章を区切り、「文」という意識が作られたことである。明治初年から20年代頃までは、文という概念がなく、句点も読点もなく、切れ目もなく文章が続くのが普通の日本文であったが、西欧文を翻訳するにあたり「文」という概念が取り入れられ、翻訳可能な、切れ目のある「文」が作られるようになったことである。 第2章 日本語の二重構造 日本語の話し言葉と書き言葉の二重構造を持っている。日本語における二重構造とは、本質的に、土着の言葉と、外来の素姓の言葉との二重構造である。その二重性は、単語レベル、文法レベル、文体レベルに及んでいる。 単語レベルでは、かな、又はかなで表現するのに適した話し言葉と、漢字、又は漢字で表現するのに適した書き言葉の対立がある。日本語における翻訳の機能は、基本的に漢字中心の書き言葉が担当してきた。 文法レベルでは、日本語にない文型を外来語の影響によって作り出すということは相当困難である。ただし、外国語の影響で、もともとあった日本語の文型のその機能を変えて使うというやり方はよく用いられている。例えば、日本文の一つの典型として考えられている「AはBである」が実は翻訳文由来である。もともとは必ずしも主格の表現ではなかったが、蘭学の影響で西欧語の主語を表すようになった。また、「である」ももともとは存在を表す意味しかなかったが、蘭学の影響で判断を表す意味を担うようになった。 文体レベルでは、外来の素姓の言葉の文体は漢文訓読である。これは蘭学を経て、明治の英学へと受け継がれ、翻訳における直訳の文体を作った。この直訳文体は、翻訳の場に留まらず、普通の文章表現にも及んでいき、遂に近代日本の文章語を作った。書き言葉の文の素性は翻訳文なのである。また、話し言葉が動詞や形容詞などの用言中心の文体なのに対し、書き言葉は名詞多用の文体である。 第3章 句読法の歴史 (以下省略) https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I030487332
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書き言葉がこれほど人工的に作られていたとは思いもしなかった。その言葉で教育を受けた私は、考えていることと書くことと話すことが一致しているのか疑問である。 とても興味深いテーマの本だが、動詞とか形容詞などの国語の基礎が不足しており、わからない部分があった。勉強は終わらないなぁ。
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本当に凄い本だ。 我々は日常的に日本語を話したり書いたりしている。 その日本語は一体いつから今のような形になったのか。 その答えが明確に記されている。 当たり前のように使っている句読点や段落が、実は比較的最近になって使われ出したことを知る。 そして当たり前過ぎて「考えもしなかっ...
本当に凄い本だ。 我々は日常的に日本語を話したり書いたりしている。 その日本語は一体いつから今のような形になったのか。 その答えが明確に記されている。 当たり前のように使っている句読点や段落が、実は比較的最近になって使われ出したことを知る。 そして当たり前過ぎて「考えもしなかったこと」を知った。 巷では常識を疑えなどと言われることがあるが、当たり前を当たり前に思わない難しさを改めて思い知らされた。 「日本語をどう書くか」 このタイトルを見て期待した内容でなかったが、予想を遥かに超える知性に触れられて、日本語とは何かという視点が得られたと思う。
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