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文字世界で読む文明論 比較人類史七つの視点 講談社現代新書2578
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2020/07/15 |
JAN | 9784065201473 |
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文字世界で読む文明論
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商品レビュー
3.2
6件のお客様レビュー
テーマと帯に惹かれた一冊。 プロローグから二章までの筆者の論理展開に知性を感じた。最終章の読み応えも十分。 しかし、「文字世界で読む文明論」というタイトルに少し負けている感も否めなかった。
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現在の世界を五つの文字世界に分ける。 そして、それをそれぞれの圏内を文明と文化の二つの位相に分ける。 これが本書の基本的な分析の枠組みだ。 知を体系化する方法としての宗教と学問が、それぞれの文字圏でどう立ち現れてくるか。 これが文化のハードの側面とすれば、ソフトの側面として組織...
現在の世界を五つの文字世界に分ける。 そして、それをそれぞれの圏内を文明と文化の二つの位相に分ける。 これが本書の基本的な分析の枠組みだ。 知を体系化する方法としての宗教と学問が、それぞれの文字圏でどう立ち現れてくるか。 これが文化のハードの側面とすれば、ソフトの側面として組織を取り上げ、家・企業・国家の権力の継承の機構を具体例に分析する。 衣食住の生活文化の分析がそのあとに続く。 最後のパートは近現代のグローバリゼーションと文化交流を整理し、「文明」が生き延びるにはどうすべきかを提言する。 取り上げられているそれぞれの文化・文明の具体例については、もうちょっと詳しく読みたいと思う個所もある。 それぞれの分野で詳しい人からすれば正確さに欠けるところもあるのかもしれない。 しかし、この本は、最近の新書としてとても貴重な一冊ではないかと思う。 少なくとも、最初に分析の枠組みが提示され、その見取り図の中できちんと論が展開される、構造が非常にしっかり見える本だ。 グローバル・スタンダードとなった西欧文化の伝播例として、近代小説が取り上げられたところが面白かった。 ロシア以外で比較的早く受容された文化圏として、トルコがあるというのだ。 フランス語に堪能なエリート層がいたためらしい。 そこは、オスマン朝研究の第一人者だった著者ならではのところかもしれない。 時期的にはーいや、日本の小説受容の時期とそれほど違わないのでは?とも思うが、長編の物語の伝統がない国で、日本より早くフランスで試みられている手法が取り入れられていたという指摘が新鮮だった。 結論はー穏当というか、何というべきか。 筆者は文明の未来を割と楽観的にとらえようとしているが、最後の方で指摘される多文化共生の多大なコストのわりにイノベーションに結びつかないことを見ると、むしろちょっと悲観的になってしまう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
トピック毎にそれぞれの文字世界の事を紹介するので忙しい印象もあった。目がすべる所があるのは私の素養が足りないだけか。 第七章の閉鎖空間と内的凝集力・同化力、開放空間と機動力・瞬発力、核、といったワードが興味深かった。 「多様性の社会というものは、たしかに文化的に異なるバック・グラウンドをもつ人びとが、各々の特色を生かして、イノヴェーションを生み出しうるかもしれない。しかし、そのような社会が内的凝集力を保つことはなかなかに困難であり、統合の維持に要するコストは、少なからぬものがある(p235)」 「努めるべきは文明の行き過ぎとその不都合な諸結果を防止し、生じたときにはこれに迅速的確に対処するフィードバックシステムを創り出していくこと…前例のない試みであるから、…創造的イノヴェーションを工夫することが、必須…(p251)」 フィードバックすなわち「民主主義」が「正常」に機能すること(p12) 民主主義によるフィードバックと創造的イノヴェーション、簡単なことではないけど忘れないようにしたい。 今や滅びて謎を残す楔形文字やインダス文明は、今後研究が進むのが楽しみ。 第二章 ことばと文字、第四章 文明としての組織 文化としての組織、第五章 衣食住の比較文化 は入りやすかった。 行け行けドンドンは言葉としての印象が強くて邪魔だった…。
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