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公 日本国・意思決定のマネジメントを問う
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ニューズピックス |
発売年月日 | 2020/07/10 |
JAN | 9784910063096 |
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商品レビュー
4.3
5件のお客様レビュー
政や官だけが公の担い手ではない。はずなのだが、日本においては公は主に官の手に握られてきた、という問題意識。 猪瀬直樹氏がどういう人物なのかよくわかる。
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「公」という言葉を中心に考えを述べた後、自らの取り組みを自伝的に記した本。『昭和16年夏の敗戦』で述べた総力戦研究所の取組を現在のコロナ対応に当てはめ、同じような過ちを犯していることを説明し、その後、「公」と「私」の観点から近代文学を分析している。そして最後に、主として全共闘運動...
「公」という言葉を中心に考えを述べた後、自らの取り組みを自伝的に記した本。『昭和16年夏の敗戦』で述べた総力戦研究所の取組を現在のコロナ対応に当てはめ、同じような過ちを犯していることを説明し、その後、「公」と「私」の観点から近代文学を分析している。そして最後に、主として全共闘運動の議長としての活動から、東京都知事を辞職するまでの取り組みを自伝的に述べている。道路公団民営化や参議院宿舎建設阻止に真剣に取り組む熱意に感銘を受けた。抵抗勢力と闘いながら改革を推進していく難しさがよくわかった。 「(コロナ禍)あたりまえだと思っていた日常生活が正面から否定されるなど考えてもみなかったのではないか。だがそういうときにこそ、変革のチャンスが訪れているのだ」p1 「対策本部会合では野党から質問が飛ぶわけではない。自分たちが疑問をぶつけ合い、それを官僚たちに指示すればよいのだ。ところが官僚はとんでもない宿題を負わされるのを避けるため先に台本を作ってしまう。政府の審議会など、往々にして官僚主導で行われている。審議会の事務局がシナリオを作って運営するのだ。だから御用審議会などと批判される」p21 「小泉進次郎環境大臣が対策会議に1度だけ欠席した。2月16日、日曜日に開かれた地元の後援会の新年会に出ていた、と共産党議員に追及されメディアでも批判された。脇が甘い面があったのは事実だが、この日の会議はわずか11分だった。発言の機会もなく意思決定に関わりのないものであれば時間の無駄ではないかと思ってしまう、それもあながち否定できない」p24 「菅官房長官は「連絡会議」が事前に開かれたことは認めたが、すでに連絡会議より以前に今井秘書官ら側近の官邸官僚の進言で一斉休校が決められていたことは伏せた。菅官房長官は、重大決定に自分が外されていたことを隠した。このあたりから、コロナ禍の対策は、今井秘書官ら官邸官僚の主導で進み始め、しだいに世情からかけ離れていくのである」p33 「(太平洋戦争)日本国民の310万人が死んだ。(一次大戦は、双方の死者1700万人)」p41 「日本がアメリカと戦争をはじめた昭和16年末より、原子爆弾を落とされて戦争に負けた昭和20年までの4年間を、ダルマ落としのようにスコーンと抜くと、風俗やライフスタイルは、ほぼそのままつながるのである。進駐軍と呼ばれたアメリカの占領部隊が現れたからアメリカナイゼーションがはじまったわけではなく、戦前からアメリカ文化は洪水のごとく押し寄せていた」p47 「日本は戦争に負けてアメリカの属国になったことで確かに国民の生活は楽になった」p49 「日本人は歴史の一過程のなかにある役割をもって自分が存在しているとの意識が希薄である。ステレオタイプの歴史観では、戦前は悪・狂信的、天皇主権、戦後は善・民主主義、国民主権との図式でしか考えない。それでは教訓を得ることはできない。戦前も官僚主権、戦後も官僚主権と連続している部分も気づかなければいけない」p67 「戦争はしない・できないという憲法の下では「有事」という発想は消滅する。有事には私権が制限される。「有事」のない日本では国家が国民を強制するという法律はないのだ。世界中探しても「有事」を想定していない国家は存在しない。だから「ディズニーランド」であり、入口の門番はアメリカ兵に任せ、圏内は架空の平和に満ちている」p94 「(2017年にノーベル賞受賞の)カズオ・イシグロの作品に比べると、日本の文学はひたすら「私の営み」だけを追い求めている」p103 「冗談半分に言うのだけれど、僕は結核に憧れた。作家になるための資格のように思われたからだ。多くの作家が結核・肺病によって夭折している」p152 「戦後に消えたものは貧乏と結核だったと書いた。もうひとつは戦争である」p155 「戦後の一般的な感覚は、戦争が終わった1945年に線を引き、戦前と戦後を分けるのが当たり前になっている。しかし、その考え方が歴史認識を曇らせてしまうのであり、戦前と戦後の連続性、共通するところを捉えないと「近代」というカテゴリーにならない。例えば、天皇主権から国民主権に転換したと学校の教科書は説く。しかし実態は、戦前も戦後も「官僚主権」であった」p178 「(戦前は)軍部と内閣との統合機能は元老たちが人治でカバーしていた」p180
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タイトルに示された「公」という概念を巡って、作家そして政治家である猪瀬直樹がそれぞれのこれまでの活動を振り返りつつ、今の社会で求められる「公」とは何なのかを論じた論考。 新型コロナウイルスの対応で結果として諸外国のような膨大な死者数を出すことは防いだものの、そのマネジメントには...
タイトルに示された「公」という概念を巡って、作家そして政治家である猪瀬直樹がそれぞれのこれまでの活動を振り返りつつ、今の社会で求められる「公」とは何なのかを論じた論考。 新型コロナウイルスの対応で結果として諸外国のような膨大な死者数を出すことは防いだものの、そのマネジメントには批判されるべき点が多々あったのも事実。そうしたマネジメント並びにリーダーシップの不在を出発点として、その不在の源流を探る旅は、日本の近代文学に着地する。日本特有の”私小説”である。日本の”私小説”は得てして一切、公的な世界を切り離された自身の世界観の耽溺に陥る。もちろん、海外文学においても当然、自身の内面という世界観を描く作品は多々あるが、そこでは常に公的な世界との関係性の中で自身を位置づける工夫が見られるという点で、公的なるものからの離脱が見出される。一方で、戦後の政治体制を紐解いていきながら、官僚主導の政治体制の問題や、実際に猪瀬直樹が政治に世界に飛び込むきっかけとなった道路公団の民営化の話題などが語られていきつつ、目指すべき”公”の在り方を示す。 猪瀬直樹という極めて優れた作家及び高い実務能力を持つ政治家が何を考えてこれまで活動を続けてきたのかという点をこれ一冊でほぼ掴むことができる。そんな彼の”公”を巡る問題意識は極めてその通りだと思うし、読み物としても十分に面白い。
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