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消えた映画館を探して おかやま、昭和の記憶
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 吉備人出版 |
発売年月日 | 2020/07/10 |
JAN | 9784860696269 |
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消えた映画館を探して
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かつて昭和という時代があり、どの市町村にも必ず映画館の一つや二つは存在した時代があった。そこが地域の娯楽の殿堂として確かにあったはずなのに、その映画館の場所も名前も、いまや覚えている人はどのくらいいるだろうか?現在は駐車場や民家になって当時の面影は一つもないとなれば、名前を失念し...
かつて昭和という時代があり、どの市町村にも必ず映画館の一つや二つは存在した時代があった。そこが地域の娯楽の殿堂として確かにあったはずなのに、その映画館の場所も名前も、いまや覚えている人はどのくらいいるだろうか?現在は駐車場や民家になって当時の面影は一つもないとなれば、名前を失念しても仕方ないのかも知れない(←私のことです)。しかし、果たしてあの目眩く銀幕の世界の記憶を失くしてしまって良いのか? 鷹取洋二さんは、岡山県下の消えた映画館なんと147館を、諸資料や新聞記事、直接訪問しての地域住民に聞き取りなどの取材を経て、当時の様子や過去と現在の写真、映画最盛期の上映作品、最終日の上映作品などを突き止め記事にしています。恐るべき労作といえるでしょう。 実は私の参加する映画鑑賞サークルのことが、少し紹介されています。先輩たちが平成10年度に作成した「岡山映画100年映画館変遷史記録集」が、主な参照資料として使われていいるからです。先輩たちは苦労して岡山市の昔の映画館があったところを突き止めました。ただしそれは岡山市内の映画館に限られていました。 本書は岡山市や倉敷市の全ての映画館を網羅しているのは当然のこと、市或いは郡の、例えば真庭郡「勝山東映」などの小さな映画館の場所と開館閉館時期を特定しているのです。これが如何に大変なことかは、私たちは先輩の苦労話を聞いているだけによくわかります。そして、ホントに貴重な資料ができました。本書「おわりに」に書いているように、これは「昭和の記憶遺産として岡山の映画館史を後世に残す」取り組みです。 記憶遺産だと、ホントに思います。 わたしの感想を述べるならば、忘れつつあった「映画館の名前」「閉館時期」「場所の地図」「最後の上映作品」を読むことで、まざまざと多くを思い出しました。 初めて子供だけで見に行ったのは、倉敷駅の東側にあった「三友館」でした。そうそう、「三友館」だった!「ポセイドン・アドベンチャー」にビックリしました。その驚きは現代のVRの比ではないと思います(VRは仕組みはすごいけど、中身の作り込みがちゃちいのです)。高校生になった時に、今度は友人とこっそり三島由紀夫原作、フランス映画「午後の曳航」を見に行きました。裸が出るという軽い興味で観に行ったのですが、そのあまりにも生々しい描写にお互い何も言えずに映画館を出たのをよく覚えています。今見るとそんなに大した描写ではないですし、エッチ場面は一瞬だったのですが、世界の秘密を垣間見た気がしました。「倉敷東映」の最終日に、わたしは「仁義なき戦い特別編集版」を観たという記憶だったのですが、それは閉館月直前のプログラムだったようです。「水島プラザ」の最終上映作品も勘違いしていました。「岡山松竹」最終日の賑わいは、ついこの前のようです。寅さんの岡山舞台版が上映されていました。開館事情と閉館日を、今回初めて知ることが出来て良かったです。 この本を読んで、「記憶遺産」を確かなものにする人は、非常に多いだろうと確信します。
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