転生令嬢はまるっとすべてお見通し 婚約破棄されたら、チートが開花したようです ベリーズ文庫

瑞希ちこ(著者), 鈴ノ助(イラスト)

• 販売会社／発売会社: スターツ出版
• 発売年月日: 2020/06/10
• JAN: 9784813709206

商品レビュー

2020/06/28

転生とはこちら（日本）からの転生だったか。
てっきり同世界での転生ものだとばかり。
かといって転生先でも婚約破棄されているのだから、主人公は不運極まりない。
そもそも転生自体が神様の手違いだった模様。
おい神様。

その代わり、チート能力を貰ったということだが、目覚めたのが婚約破棄後のことだし、そもそもチートというほど無双ができる力でもない。
そのため、ざまあ展開に持ち込むまでには非常に時間がかかった。
何もかもすっきりひっくり返せる訳でもなかったし。
それが証拠に防ぐと言っていた災いを完全に防ぎ切ることはできなかった。
ある意味リアルか。
何でも都合よく行く訳ではない。

しかも、ざまあしたい相手が口先の魔術師かというくらい口が回るので、最後の最後まで気の抜けない展開に。
彼を奪った令嬢ではなく、婚約破棄した王子の方が頭が回るタイプだったのは、この手の話では少し珍しい気はした。
大体こういう時の王子は馬鹿王子が相場だろう（個人的意見）

相手は強かったが、幸い初期から主人公にはほぼ無条件で味方になってくれる方たちがいたのは救いだった。
後、案外民衆がちょろい。
お陰で最後の最後で不憫だった第一王子側に追い風が吹いた。
民は確かにちょろかったけど、それは見てくれるところは見てくれていたからだ。
最後の最後に勝ててよかった。

番外編は、本編であまりいちゃつけなかった分見せつけてくれる形の甘々展開に。
あの状況をよく観察し続けられたなと某執事に拍手喝采を送りつつ。
自分なら見ていられないわ、あれ。