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宇宙の彼方の色 新訳クトゥルー神話コレクション 5 星海社FICTIONS
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2020/06/17 |
JAN | 9784065204405 |
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宇宙の彼方の色
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
森瀬繚氏によるH・P・ラヴクラフト『クトゥルー神話』の新訳・第5弾。ゾッとさせられる怪奇系の作品が収録されており、ホラー作家としてのラヴクラフトを堪能できる。また、収録されている作品は著者の作品の中でも読み易い作品が多いので、入門書としても良い。(『古の轍』、『ユゴスよりの真菌』...
森瀬繚氏によるH・P・ラヴクラフト『クトゥルー神話』の新訳・第5弾。ゾッとさせられる怪奇系の作品が収録されており、ホラー作家としてのラヴクラフトを堪能できる。また、収録されている作品は著者の作品の中でも読み易い作品が多いので、入門書としても良い。(『古の轍』、『ユゴスよりの真菌』の両詩篇は難解。はい、私にはよく分かりませんでした。) <以下、収録作品> 『彼方より』 『家の中の絵』 『ハーバート・ウェスト―――死体蘇生者』 『冷気』 『宇宙の彼方の色』 『古の轍』 『ユゴスよりの真菌』 『暗闇で囁くもの』 『魔女の家で見た夢』 『戸口に現れたもの』 『断章』 良作が揃っているが、その中でも一番はやはり、ラヴクラフト自身も傑作と認めた『宇宙の彼方の色』だろう。宇宙から飛来した"何か"。そこに善意があるのか悪意があるのかも分からず、"何か"がもたらず異変に翻弄され蝕まれる一家。理由や意志などなく(明確にされず)、ただただファンダメンタルな恐怖を与える本作は、まさに著者の唱えた「コズミックホラー」の神髄ではないだろうか。
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アーカム。それは、米国マサチューセッツ州にある地方都市。ミスカトニック河に南北に分断され、南部にはかの有名なミスカトニック大学が存在している。5集はアーカムとその近隣を舞台にした作品やミスカトニック大学に在籍する教授や学生を主人公にした作品、そして『ハーバート・ウェスト』に代表...
アーカム。それは、米国マサチューセッツ州にある地方都市。ミスカトニック河に南北に分断され、南部にはかの有名なミスカトニック大学が存在している。5集はアーカムとその近隣を舞台にした作品やミスカトニック大学に在籍する教授や学生を主人公にした作品、そして『ハーバート・ウェスト』に代表されるマッド・サイエンティストものなど11篇を収録。 --------------------------------------------------------- 『彼方より』 二ヶ月半の時を経て再会した友人は、別人のように醜く痩せさらばえていた。友人が言う「彼方」より来たる存在とは――。(「異界への干渉」という点で、後に生まれる神話に連なる作品の「原型」を思わせる内容。) 『家の中の絵』 道中で雨宿りのために家屋に入ったわたしは、そこでテーブルに置かれた古書に目を奪われて――。(夢幻的なホラー。そこにいたのははたして死者だったのか生者だったのか。現場がアーカムの近くなので、食屍鬼をゲストにした物語やTRPGシナリオがありそう。) 『死体蘇生者』 死者の復活に心血を注ぐ若き医師ウェスト。わたしが語る、彼が失踪に至るまでの恐怖の物語とは――。(『家の中の絵』と同じく、神話生物は出てこないがアーカムが舞台なので広義ではクトゥルフ神話に入るのか。独学による薬液を用いた死者の復活、フランケンシュタインもので、ストーリーは改変されたが映画化されたことがある。) 『冷気』 どうしてわたしが冷気をそんなにも恐れているのか、って? あんなことを体験すれば、誰だってこうなるさ――。(マッド・サイエンティストによる生きている死者の話。設定を少しいじれば、現代を舞台にしたホラーでも通用しそう――と過去の感想で書いたが、既に映像化されていた。) 『宇宙の彼方の色』 「焼け野」と呼ばれる荒地を見張る老人が語った、かつてそこに住んでいた家族に起きた悲劇とは――。(2019年にニコラス・ケイジ主演で映画化された、非知的生命体による侵略物。映画で例えると『ブロブ』とか。こういう類の恐怖は時代を問わず通じる。) 『古の轍』 ダニッチの模様を読んだ詩。その内容とは――。(ダニッチを歌った詩篇。『ダニッチの怪』の外伝的な内容で、ダニッチの某老人が作者かもと妄想してしまった。) 『ユゴスよりの真菌』 古書店で古の智慧が記された巻本を手に入れた者に訪れたのは――。(実際に見た夢を元に書き上げた十四行のソネット(定型詩)。ナイアルラトホテップのキャラ付けなど、後の作品に影響を与えていて、詩篇ながら神話ファンには必読の作品。) 『暗闇に囁くもの』 洪水が発生した地で見つかった奇妙な生物の死骸。それについての寄稿文を書いたわたしに手紙が届く。写真やレコードなどの資料と共に手紙をやり取りしていたが、手紙の主はやがて身の危険を訴えるようになり――。(後年の作品なので、名前だけだが神話生物が多数登場する。手紙のやり取りだけで読む者に恐怖をじわじわと感じさせる手法はさすが。そして最後の一文にはゾクリとさせられた。手紙の主ははたしてどうなったのか。) 『魔女の家で見た夢』 探究心から曰く付きの部屋に住むことにしたウォルター。やがて彼は悪夢を見始め、悪夢に出てくる人物を現実でも見かけるように――。(この話も神話作品では王道の、探究心から身を滅ぼす話。本編よりも古のものの登場が一番の謎。この作品の前に『狂気の山脈にて』が著されているが、古のものと魔女とに関係性は、はたしてあったのか。) 『戸口にあらわれたもの』 わたしは確かに親友を殺した。だが彼は親友ではない。親友であって親友でないのだ。なぜなら――。(よくある結末にせず、あえて曖昧な結末にしたのが良い。インスマスが深きもの"だけ"の街ではないことを伺わせる点で、クトゥルフ神話の深みをより強く感じさせてくれる作品でもある。)
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