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公文書危機 闇に葬られた記録
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 毎日新聞出版 |
発売年月日 | 2020/06/02 |
JAN | 9784620326320 |
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権力の中枢である首相官邸は東京永田町の高台にある。官邸前の茱萸坂を下ると、霞ヶ関と呼ばれる官庁街。東大を出て最難関の公務員試験を突破した数%のキャリア官僚が配下のノンキャリア職員を指揮する。中でも財務官僚が一目置かれる存在。そこで、官僚は前例主義を叩き込まれる。小さな事でもちゃん...
権力の中枢である首相官邸は東京永田町の高台にある。官邸前の茱萸坂を下ると、霞ヶ関と呼ばれる官庁街。東大を出て最難関の公務員試験を突破した数%のキャリア官僚が配下のノンキャリア職員を指揮する。中でも財務官僚が一目置かれる存在。そこで、官僚は前例主義を叩き込まれる。小さな事でもちゃんと記録してそれを残しておくということが官僚の体には染み付いている。 その官僚が公文書を改ざんしていたのが発覚したのが2018年。森友学園の問題。続いて加計学園、桜を見る会の名簿破棄。そもそも、公文書の定義や保管義務はどうなっているのか。官僚や代議士の意識を問う事から本著の取材は始まる。霞ヶ関、永田町のご都合主義が暴かれる。 表に出せない公文書を開示請求されると、私的な文書にすり替え。保存期間を1年未満にして請求される前に破棄。請求時点で存在していたとしても、捨てたことに。電子メールで重要なやりとりをし、それが残っているのにメールは電話と同じだと言う理屈で公文書にしない。首相と省庁幹部の面談記録もほとんど作っていない。桜を見る会の招待リストを本当に捨てたなら、翌年、何を参考にして誰を招けば良いか分からなくなるだろう。杜撰なのではなく、巧妙なのだ。 取材で福田康夫。「日本は民主主義の国だから、主権者の国民が正確な事実を知ることができるようにする義務がある。もう一つは日本の形、つまり歴史を残す事だ。歴史の解釈をめぐって後世の人がなるべく迷わないようにする。外国から見ても、日本はこういう国だとわかる明確になる。公文書は一つ一つが石垣の石。それを積んで城ができる」 政権の都合で歴史を修正してはならない。本著に書かれる事は、極めて重要な話だ。
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日本人に法律を守るつもりはないということ。マスコミはオフレコで取材をすることを正当化しているが、私の立場から見ると、オンレコ、オフレコ問わず、マスコミに答えること自体が公務員の守秘義務に反している。そういうそもそもの矛盾からは目を背けながら、公文書危機と言われてもというのが率直な...
日本人に法律を守るつもりはないということ。マスコミはオフレコで取材をすることを正当化しているが、私の立場から見ると、オンレコ、オフレコ問わず、マスコミに答えること自体が公務員の守秘義務に反している。そういうそもそもの矛盾からは目を背けながら、公文書危機と言われてもというのが率直な感想。次に、自分の身を守るために記録はなるべくしないことだと痛感する。
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HONZブックガイドから。毎日新聞、こんな熱いことをやっていたんだ、ってのがとりあえず最初のビックリ。自分の場合も、いちいち書面でってなると面倒に感じてしまう。じゃあメールでってなると、効率は上がるんだけど、その内容に関する重要度が、一段どころかひょっとしたらそれ以上、落ちてしま...
HONZブックガイドから。毎日新聞、こんな熱いことをやっていたんだ、ってのがとりあえず最初のビックリ。自分の場合も、いちいち書面でってなると面倒に感じてしまう。じゃあメールでってなると、効率は上がるんだけど、その内容に関する重要度が、一段どころかひょっとしたらそれ以上、落ちてしまう気もする。でもこの考え方、見事に官公庁の隠れ蓑として機能してしまっている訳ですね。でも当然、公文書を私人のメールと同レベルで語って良い訳もなく、いかにあり得ない現状かってことが浮かび上がってくる。堂々と胸を張って虚言を吐き、発言の綻びについては後付けで強引に言いくるめる。いつになれば改まるのかと注視していても、この有様じゃあ、良くなる訳はない。闇は深い。それにしても、相変わらず不快感増強効果満点の本書だし、読書によるカタルシスなんて得られようもないんだけど、こうやって定期的に怒りを保ち続けないと、きっと知らん間に、国の垂れ流す嘘に塗り込められてしまう。施行を維持するための読書はしっかり続けていきたい。そう思わされる一冊でした。
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